旅行

2009年03月07日

合宿 その2

合宿は高校3年生しかやりませんでした。

中学3年生は数も多く、何をやらかすか分かりませんので、合宿につれてくることはありませんでした。

前の合宿とは、違うときの話です。

人数は、男女合わせて5,6人だったと思います。




あ、また目が合った。

私の前に座っている男子生徒が、ニターと笑い、「たらこ」という。

さっきから何度となく繰り返している。

<チクショウ、お前たちのためにこんな「たらこ」になったのに>



話はこうである。


昨晩着いた時は気づきませんでしたが、玄関のあたりに多くのスズメバチが飛んでいるのです。

玄関の上の板壁の節穴に、入ったり出たりしています。

どうも壁の内側に巣を作っているらしい。

出入りを見ていると、半端な数ではありません。

危険です。刺されると、死ぬこともあります。



さて、合宿では、昼間海に行ってリラックスします。

生徒は、スズメバチを避けて、玄関ではなく、窓から外に出しました。

最後に戸締りをしなければなりません。

誰が?

私しかいません。




そーっと、玄関を開け、戸を閉め、鍵をかけると、一目散に駆け出しました。

うまく逃げ切ったと思ったときです。

頭の中に何かいる。

手で触った。

髪の毛(当時まだあった)に絡まるようにして、ハチが一匹うごめいている。

当然、刺された。頭頂部を、である。

これで済めば良かった。




残念、済まなんだ。

もう一匹が、なんと口に攻撃して来た。

口に入った。

刺された。それも、上唇の裏側をである。

刺されたあとがジンジンしている。

私は、常に唇を結んでいるような、しまりのある人間ではないのです。



医者に行った。

休みだった。

仕方ないので、薬屋に行った。

薬屋のおばさん、スズメバチに刺されたといっても、何の同情も示さない。

「放っておけ」、ぐらいの勢いである。

土地の人にとっては、そんなもんかもしれない。

とにかく、塗り薬と、ハチを追い払うスプレーを3本ほど買った。



薬が効いたかどうかはわからない。

頭も、唇もどんどん腫れてきた。

ジンジンする。

頭は他人には分からないが、唇はひどいものである。

まさに、「たらこ」唇になった。




日ごろ静かにもかかわらず、奴はなかなか意地が悪い。



シマッタ、また目が合った。


声もなくニターと笑い、「たらこ」と云いやがる。



<チクショウ、お前らのためにこんなになったのに>

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