2025年08月30日
犬吠埼へ 一日目
水野が犬吠埼へ行きたいという。
近くまでは何度も行ったことがあるが、そこから先はいつか行こうと思っているうちに、自分ではいけなくなったという。
そうか、次は犬吠埼。
水野、気楽なことを言う。
「日帰りでも大丈夫だよ」
養老渓谷でさえ一泊旅行だった。迷ったとはいえ、ホテルに着いたのは午後3時ごろだった。6時間かかっている。レンタカー12時間借りたとして、往復で終わりじゃん。
水野の意見は却下。一泊旅行とする。
地理に疎い私は意見を言わない。萩原の判断が頼りである。
「したみちで大丈夫」またまた水野の大丈夫攻撃。したみちとは、高速道路を使わないということである。
養老渓谷の時、高速道路をかなり走った。もっと遠くに行くのだ、運転していた自分も下道ではつらいと思う。
これも水野の意見は却下。
若くはない。高速に乗って時間を節約する。
行く前に問題が発生した。
旅館の予約がとれてなかったのである。
萩原が探してくれた。養老渓谷の時は、萩原のパソコンでうまくいかなかったので、私が手続した。
萩原はその時と同じように私がやると思っていたらしい。私は萩原がやってくれると思っていた。
一週間ほど前になって、予約していないことが分かった。
もう無理かもしれないが、萩原が訊いてくれるとのことである。
ダメだったら、レンタカーもキャンセルして、今回の旅行は中止というところだったが、空きがあったとのことで、萩原が手続してくれた。
頼りになるなー、萩原。
この頃、旅に慣れてきた。
朝9時などという私にとってバカ早い時間にも慣れてきた。
眠剤を飲んで、無理やり寝ればどうにかなる。
いつものように、萩原を拾い、11時ごろ水野の家に到着する。
水野の娘さんに送られて一泊旅行に出発する。
あしか荘という旅館に泊まる。最初の目的地である。
かつてはアシカが群れたあしか島という地名にちなんでつけられた旅館だそうである。

あしか荘前、三人
ひたすら高速を走り、途切れて下道に入る。
途中、匝瑳市というところに来た。
水野が、「俺、ここまでは何度か来ているんだ」という。
「この先は、そのうち行ってみようと思っていたのに、行かないままになっていた」
水野は初めての場所、見知らぬ景色に対する感慨は人一倍強いらしい。
私にはその感覚が皆無だから、旅行に行く友人たちを見て、そこに暮らさなければ、本質はわからないだろうにと、ちょっと斜に構えた嫌味な態度をとっていた。
今はわかったことがある。
私に、旅から感じる能力がないだけのことだ。
音を聴き、いいなーと思う、文章を読み、感動する。
論理的に理解するのではない。感じるのである。
芸術は少年の心を要求する。
水野は旅から感じる能力を目いっぱい持ち、旅に対する私の能力は皆無に近い。
たぶん、水野ほどではなくてもほとんどの人が持っている旅に対して感動する能力を、私は持っていないのである。
まあいい。一緒に行けば、少しはおこぼれをもらえるかもしれない。
そうだ、水野がここまでは何度か来たといった<匝瑳>を、私は読めなかったのである。
こんな漢字、初めて見た。
<そうさ>と読むのだそうだ。
二人は知っていたらしい、知らないのは俺だけか。
そうさ、俺は間抜けなのさ。
それにしてもまっすぐな道路だ。
ワインディングロードが好きなわけではないが、こう直線が続くと飽きるぜ。
水野、匝瑳市までは何度か来て、あとちょっと足を延ばせば、犬吠埼に行けると思ったが、意外と距離があるなあとのたまう。
今頃気づいたか、長げーぜ。
海が見えるところまできた。
まずは、泊まる旅館の位置を確認する。
旅館の前を通り過ぎ、犬吠埼の灯台を目指す。
ようやくだぜ。
灯台についた。

犬吠埼灯台 ポストも白い

浜辺への階段

岩礁

スイカを丸呑みしたあとだから腹が出ている 萩原、俺を横から撮るな
カメラマンは萩原。
旅館ではゆっくりできた。
食事はおいしい。しかし、その量に圧倒される。

次から次へと出てくる食事
食事と言ったら一品料理の私にとって、目まぐるしく出てくる料理に戸惑う。
終わったと思い部屋に帰ったら、電話で呼び出しがあり、まだ2品があるとのこと、食堂に引き返す。

水野、絵になるな
就寝だ。
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