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2025年04月22日

建築に感動することがあるんだ。双樹亭(一茶双樹記念館)


建物に感動するなんて、俺にはないと思っていた。

ものを見て感動する能力はないはずであった。

今回は感じたのである。

何に? 


去年養老渓谷旅行の時の水野、萩原、私の3人で、4月20日の日曜日、流山のスーパー銭湯に行ってきた。

水野の病気治療の合間に、少しは気が晴れればと計画したものだった。

水野はスーパー銭湯が好きなのだ。

元気なころは車で来ていたそうである。

双樹庵にて-2
いつもの二人と【水野と萩原】

私にとっては初めてのスーパー銭湯である。

なかなか気持ちの良いものであったが、一つ気に入らないことがあった。

私の周りには極力鏡を排除してある。

鏡に映る自分を見ると腹が立つからである。

スーパー銭湯の風呂場には、大きな鏡があり、腹は出ていないと自らに言い聞かせている私の目に、私の奇跡の三段腹を正面からこれ見よがしに見せつけるのである。

気分が悪い。

まあ、スーパー銭湯では我慢するしかない。

ぼかしを入れるとか、鏡も気を遣うようになれば、自分の周りにも置いてもいいのだけれど、まだ無理だ。



スーパー銭湯の後、昔三郷に住んでいた水野が、古い家並みの通りがあるから行ってみるかという。

江戸時代の風情が残っているなら、ぜひ見てみたいと思った。

残念だった。

はとんどの家が、建て替えられていて、昔の雰囲気を感じることはできなかった。

代わりに、一茶双樹記念館に案内してくれた。

まさに江戸時代の建物だ。

これがなんとも当たりだった。




建物音痴と言ってもよいほど建築物に感動したことのない私が、一茶双樹記念館にある双樹亭という建物に魅了されてしまったのである。


IMG_5957


IMG_5954

上の画像で、押し入れや床の間のある上面が北向きである。

三つの部屋の縁側との境界にはすべて障子が配されているが、障子はすべて開けられた状態になっているから、南、東、西、すべてが解放されているように感じた。

江戸時代の建物だ、ガラス窓など全くない。

開放感を演出するとみられているガラスが、意外と閉塞感をもたらしているのかもしれない。

ガラスで閉じられることもななく、開け放された空間は何とも気持ちの良いものである。



部屋には自由に入ってよいとのことだった。

珍しい、通常、畳には入れないことの方が多い。ここは入れる。

さらに、入館料は取らないという。

もう遅い時間だったらしく、私たち以外は誰もいなかった。

水野、萩原、私の3人だけで、座って庭を楽しむことができた。

気持ちが良い。

双樹庵-2
萩原の写真

ガラスで仕切られることも無く、三方向が開かれた部屋に座っている解放感はちょっとやそっとでは味わえるものではない。

その日は晴れて気持ちが良かったが、風は全くと言っていいほどなかった。

少し風が吹いてくれれば最高だったろう。

双樹庵-3
萩原の写真

縁側の外周部に雨戸の溝が掘ってあった。

東と西は戸袋があるから、雨戸はすぐに引き出せる。

問題は一番長い南向きに雨戸をはめる作業は、雨戸を担いでいってはめるのだろうか。

ガラスがないのだから、雨が降れば縁側や障子が濡れてしまう。雨戸は必ず取り付けなければならない。

一枚一枚担いではめるのは大変だろうと思った。



事務所に係の女性がいらしたので、雨戸はどうしているかと訊いてみた。

角を通す方法があるという。

馬鹿な質問だけれど、蛇腹ですかと訊いてしまった。あり得ないよな。

90度回転させるのだそうである。これも私の頭ではありえない。どうするのだろう。

天才的なやつがいて、創造的な工夫をしていたのだろう。すごいね。




帰ってきて調べた。

雨戸の90度回転の映像がないかと探してみた。

あったのだ。

双樹亭とは関係ないが、国登録有形文化財 八鶴館というのがあった。

ありがたい。

回転雨戸 八鶴館


下側しか映していませんが、おそらく上側にも同じ金属の棒が出ていて、上下2本で、90度回転する雨戸を支えるようになっているのだ。

いたってシンプル。

溝から浮かせて回転させるのが肝。上の溝も半分は削られているはずだ。

溝から離れることのできない私には、到底思いつかない。

自由な思考を持つ天才がいたのですね。

そうか、なるほどという感じだけど、これを考え付くのは大変ですよ。

俺には絶対無理だ。



何とも素晴らしい体験だったのに、無料であったので、少額だけど寄付をしたいと申し出た。

市がやっていることなので、寄付は受け付けていないという。

早い時間なら、有料のお茶を出しているそうである。

今度来た時、お茶を飲んでほしいとのことでした。



必ず、また来ます。






gtkaudio at 19:18│Comments(0)

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