2024年08月

2024年08月25日

2台のGarrard Model-Tの整備 その2

さて2台目である。


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残念ながら、アームが換えられている。

それもプラスチックのアームに、セラミックカートリッジがついている。

おもちゃのようだ。

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簡単に抜ける。

オリジナルのアームには、スイッチを操作するための部品がついているが、当然このアームにはついていない。

電源をON,OFFするスイッチをつけることも考えたが、電源だけでは駄目である。

電源だけの操作では、OFFの時でも回転軸が常にゴム製のアイドラーホイールに接触した状態になってしまう。

そのうちアイドラーホイールにへこみができることになる。

ダメだ。

方針を変える。

もしかして、指でスイッチを操作できないか。

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プラッターの下にちょこっと顔を出しているのが、スイッチに連動しているレバーである。

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指で手前に引けばスイッチが入り、アイドラーホイールが回転軸に接触し、プラッターが回る。

ただし結構力を必要とする。

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スイッチを切るには、逆に向こうに押す。回転軸とアイドラーホイールの接触もなくなる。当然プラッターも止まる。

やはり力がいる。

まあ、やりづらいが、使うには仕方がない。

モーターの回転を、33回転と45回転に変えるベルトが2本ともなかった。

仕方がないので、手持ちのModel‐Tから移植した。

状態の良いベルトである。

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回転スピードの選択は、上の画像左上のレバーで行う。

レバーが右に来ているから33回転である。左の軸がアイドラーと接触している。


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レバーが左にあるから、45回転。右の回転軸が、アイドラーと接触している。

同様にレバーが真ん中に行けば、78回転。回転軸も真ん中がアイドラーと接触する。

どうにか音が出るようになった。

まずは、プリアンプのチュナー端子に直接接続した。

Eve Boswell Besame Mucho Garrard Model-T セラミックカートリッジ 直接プリアンプへ

1MΩの可変ボリュームを直列接続してプリアンプのチュナー端子へ接続した。

Eve Boswell Besame Mucho Garrard Model-T セラミックカートリッジ 1Mボリュームを介してプリアンプへ

菅原都々子 月がとっても青いから Garrard Model-T セラミックカートリッジ 1Mボリュームを介してプリアンプへ 45回転

Tommy Turk and his Orchestra The Beat Garrard Model-T セラミックカートリッジ SP 78回転

以前からわかっていたことですが、英国製品は安物でも音がいい。

Vimeoでは、RIAAにも接続した動画をアップしています。聴いてみてください。











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2024年08月24日

2台のGarrard Model-Tの整備 その1

2台のGarrard Model-Tの整備を依頼された。

古いものだし、かなりの工夫を必要とする。

まずは、比較的状態の良かった方から紹介する。

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英国から購入したらしい。200‐250V仕様を100‐130V仕様に変更する。

方法は書いてある。

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心臓部に行こう。

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3本の軸がたっている。

真ん中の軸は、モーターの軸でもある。

これがアイドラーに触れると、78回転になる。

左の軸は真ん中の回転をゴムベルトで減速する。これがアイドラーに触れると33回転になる。

同様に右の軸は、45回転用である。

ベルトが命だが、弾力を失っているものが多い。

今回ついていたベルトは状態が良かった。

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スイッチ機構である。

真ん中あたりのマイナスねじの頭が力点である。

左隣にある丸い頭のリベットが支点である。

ばねの左上にある3角形が力点で、スイッチが入る。

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テストのために手持ちのDenon DL-102を装着した。

DL-102がいい音になった。今までで一番いい。



聴いてみてください。

Art Blakey Along Came Betty Garrard Model-T Denon DL-102 mono

菅原都々子 月がとっても青いから Garrard Model-T Denon DL102 Mono



その2では、おもちゃのようなプラスチックのアームに、セラミックカートリッジの組み合わせが出てくる。

これがまた音がいい。

ご期待あれ。

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