2024年06月

2024年06月01日

Leakに使われていたボリューム

Leakのアンプに使われていた部品の音の良さには驚く。

Leakは、音を聴いて部品を選定していたのであろう。

スペックが良ければ、良い音が出ると信じて、性能を突き詰めたアンプでは、Leakが出していた音は出るはずがない。

音は芸能芸術の分野に属するものだから、音を聴きどう感じるかが大事なのである。

Leakはその辺よくわかっていた。



最も大事なカップリングコンデンサに、英国製オイルコン、これ素晴らしい。

真空管だって、この頃どんどん評価の上がっているMullardやBrimarの英国製真空管、これまた素晴らしい。

当然、音に大きな影響を与えるボリュームにも、良い音の部品をそろえている。

オイルコンが大事なのは音の基礎を形作るからである。

ボリュームは、最後に音を総仕上げするといってもよい。

こんな大事なことさえわかっていない人が多い。

マランツ7に使われているボリュームはクラロスタットでなければならないというではないですか。

だから、たかがボリュームなのに数万円するなどということが起こるのですよ。

まあ良い音だよな、だけどちょっと納得できないと感じた時、ボリュームを変える。

それでどれだけ救われたことか。

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Leakの初期に採用されたボリュームは、上の画像にあるMorganiteの製品だった。

音は素晴らしいが、最初期に使われただけで、以降使い続けられるAllen Bradleyのボリュームに代わる。

下の画像である。

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音は、Morganiteと変わらない。

私の耳がわからないだけで、Morganiteの方がいいといって探しておられる人もいる。

私にわからないだけかもしれない。

まあ、いい。

Allen Bradleyはご存じのように米国の会社である。

Morganiteとは形がちょっと変わっただけだから、たぶん、Morganiteを買収してAllen Bradley製としたのだ。

米国製Allen Bradley製ボリュームとは形状が全く違う。

音も全く異なる。

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昨日気づいたのですが、AB(Allen Bradley)以外にも左側に何か書いてある。

よく見ると、CLAROSTATだ。

アレンブラッドレイとクラロスタットが共同で買収したのだろうか。

アレンブラッドレイとクラロスタットは同族会社だったのかもしれない。

Morganite製は音が良いボリュームだから、その技術が欲しかったのだろう。

まあ、どうでもいいことだけど。

Morganiteを引き継いだと思われるこのボリュームも音はいいのだ。

ただし、このタイプのボリュームでも、CLAROSTATと書いてあるものは少ない。

下の画像のように、ABだけのものがほとんどだ。

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英国製Allen Bradleyのボリュームは、米国Allen Bradleyと異なり、この形のものが多い。

同じAllen Bradleyでも、英国と米国では音が異なる。

知らない人が多いが、英国の部品は、音がいい。



あと、コンデンサの会社のDubilierが、似たようなボリュームを作っていた。

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これも形が似ているから、Dubilierがこの会社を買い取った時代もあったのかもしれない。

これだって音がいい。



このような音の良い部品は、芸能芸術的に音を解する人が、音を聴きながら作り上げたに違いないのだ。

Leakが生きた時代の英国は、多くの部品メーカが音の良い部品を作ることに邁進し、音の良い部品の中から最高と思えるものを選ぶことのできた幸せな時代だったのだろう。

Leakに使われている部品をみていると、性能よりも音の良さを求めてすべての部品が作られていたと感じられるのです。


以上紹介したボリュームもそのうちの一つです。

アンプづくりや修理において、ボリュームも音に影響を与える大事な部品です。

性能ではありません。それぞれの部品が持つ固有の音を見極め、良い音のボリュームを選ぶべきです。

ボリューム1個でアンプがつまらない音になってしまいますから。


以上のことはわかっている人が多いと思いますが、そうでもないのかと感じられることがありましたので、あえて書きました。

いろいろなボリュームを入れ替えて比較しても、どれも同じに聞こえるなら、ボリュームに注目する必要は全くありませんが。





gtkaudio at 01:44|PermalinkComments(0)