2023年05月

2023年05月21日

測定結果が良ければ、音はよくなるのか


測定結果の良さが、結果としての音の良さに結びつかないと私は思っています。

どのような部品を使うかによって音は大きく変わります。

私が主に使う部品は、英国製の1960年代ごろに作られたものです。

NOSであっても、当然劣化しています。

そんな部品を使ってオーバーホールしているのですから、現代の部品を使ったものより測定結果はよくはありません。

しかしながら、出てくる音は現代の部品に比べて、断然良いのです。


私は修理し始めて1年もしないうちにそのことに気づきました。

10年以上前のことです。

その当時、安くて音が良いと思っていたLeakのアンプの修理をしていました。

50年以上前の真空管アンプですから、修理済みのものが多かったです。

その修理をみると、コンデンサにフィルムコンが使ってあるものがほとんどで、これではいい音が出るはずがないと思ったものです。

それにしても、私が修理し始めて1年足らずで部品の大事さに気づいたのに、長年修理している専門家がどうして気づかないのか不思議に思っておりました。

フィルムコンなら安いから使っているのかとも思いましたが、音を聴けば誰だって古いペーパーインオイルコンデンサを選ぶだろうにと、不思議でした。



この前のコメント欄でのやり取りで、その疑問の回答が得られた気がします。

修理して、測定結果の良い部品を選んでいたのですね。

音を聴く前に測定機にかければ、新しいフィルムコンのほうが測定結果はよくなるに違いありません。

古い部品は、測定結果が良くないのではじかれます。

この態度が修理するものの良心なのでしょう。

測定器を使えば、客観的な評価ができると信じているのです。


人の感覚は多種多様です。ある部分は鈍感で、ある部分は敏感です。

歪率などは、測定器よりは鈍感なのでは。

0.1%の歪率などはオーバースペックで、1960年代のほとんどのアンプで、歪が気になるものなどなかったのでしょう。

だから、0.1%の歪率を測れる測定器がなかったのです。歪率などだれも問題にしていなかった。

Leakが0.1%の歪率にこだわったのは、宣伝のためだったのでしょう。


太い音、情趣を感じさせる音、濡れたような音、こういうのには人の感覚は敏感なのでは。

測定器では測れない。大体、客観的なものでも全くない、抽象的なものである。

人にとって大事なものは測定器では測れません。



何度も言いますが、音は芸能芸術分野に属します。

芸能芸術分野では、客観などは邪魔です。個性的で多くの人を引き付けるものが評価されるのです。

私は理系出身ですから、測定してぴたりと合う感覚の喜びはわかりますが、好みの音が出た時の感覚は、それに勝るものなのです。

ですから測定器などは使いません。結果として出てくる音を聴いてすべて判断します。



私が初めて真空管オーディオフェアに出品した時のことをお話しします。

アンプは、LeakのStereo20を英国部品でオーバーホールしたものでした。

私の好みの音にしたものですから、さて皆さんが良いと思ってくださるか不安でした。

ただこれでだめだったらしょうがないと腹をくくっていました。

さて、音出ししました。

驚いたことに、皆さん寄ってきたのです。

好評でした。自分の好みで突き進んでいいのだと納得しました。

芸能芸術分野では、自分の好みを押し出すことが個性的であり、それを評価してくださる方もいるということなのです。


こんな音を出せば一般受けするのじゃないかと自分を押し殺して音を出したって、つまらないじゃないですか。

文は人なり、といいます。

音は人なりです。

電気的性能を求めるのでしたら、測定器で追及してください。

好みの音を出したいのでしたら、自分の耳を頼りにしてください。



今までにYouTubeにあげた中から、いくつか紹介します。

たまには、女性ボーカルも、Tannoy 12”Redです。英国製ベルハウエルの箱に入れました。自作PX4シングルアンプです。
Sentimental Journey Eve Boswell Decca XMS LP Long Tonearm

LeakのフラグシップTL/12.1のオーバーホールで、電源部分のコンデンサがオリジナルなのにオイルコンではなかったので、オイルコンに変えました。詳細は以前のブログを見てください。
Coleman Hawkins Shadows Leak TL/12 Point One (TL/12.1) Decca MK1

Miles Davisは人気ありますね。
Miles Davis So What from Kind Of Blue Leak Stereo20 Point One Stereo プリアンプ直流点火

蓄音機もいいですよ。
銀座カンカン娘 高嶺秀子 HMV Model 130 蓄音機

 

gtkaudio at 07:51|PermalinkComments(0)オーディオ 

2023年05月04日

こんなことでPVが伸びるの?

前回、前々回のブログで、PVがやけに伸びた。

おそらく、コメント欄での応酬に興味を持たれ、私の古い記事まで読まれたのであろう。

初めてのことなので、へー、こんなことでPVが増えるのだと、ちょっと驚いている。



PVだけではない。YouTubeの再生回数も増えた。

過去にアップした古い映像まで、いつになく増加したのである。

古い映像は、通常2日間で視聴回数は0回であるか、多くて1,2回である。

それが、2日間で25回とかになったので、これにも驚いた。

コメント欄での応酬の効果なのであろう。

コメント、大事にしなければならないと分かった。


さて、YouTubeで視聴回数の伸びた3個の過去の映像を紹介しておく。

Miles Davisはやはり人気がある。

Cannonball Adderley Autumn Leaves Garrard 301 Ortofon AS212

Miles Davis Lift to the scaffold 死刑台のエレベーター Side A全曲 Garrard Model T XMS チップ交換針 0.7mil

次のは古い、8年前だ。かなり古い記事まで読んでくれたのだろう。

Thorens TD124 Jazz Blue Serge played by Serge Chaloff





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