2022年01月
2022年01月23日
Leak Varislope Stereoの修理 その4 直流点火
引き続き、直流点火を試している。
直流点火といえば、ハムの減少を目的とするものと思っていたので、興味がなかった。
前のブログにも書いたように、音自体にも影響することを確認し、がぜん興味がわいたのである。
今は、ダイオードによる違いを調べている。
熱を発生させるためのものだから、違いはなさそうなものだけれど、実際違って聴こえるのだから不思議だ。
ダイオードによっては、トランジスタアンプのような高音寄りの音になったりするので、そんなものは外す。

ショットキーダイオードを使えば、確かに電圧降下は少なく、直流6.3ボルトにすることはできるが、確認したところでは、直流5.5ボルトぐらい出ていれば音の違いはないので、通常のダイオードではだめということはない。
通常、ショットキーにかかわらず、自分好みの音の出るダイオードにした。
あくまで音を目的としたけれど、副次的に変化したことがある。
ハムが消えたことは、多くの人はこれを主眼として直流点火をするのだから、当然である。
あと一つ、音の出が大きくなって、以前よりもボリュームを絞ることになった。
懇意のお客様が、直流点火後のユーチューブをみて、ボリュームの位置が下がったと指摘されたのには驚いた。
機器を操作している私ならまだしも、ユーチューブを見ただけでそんな事なかなか気づかないと思うのですが。
一応今のところの音です。聴いてみてください。
Miles Davis 死刑台のエレベーター テーマ Generique Leak Varislope3 TL/10
Miles Davis 死刑台のエレベーター プティ・バックの酒場にて Au bar du petit bac Leak Varislope3 TL/10
次の曲は、ベースの音ですが、店で聴く音に比べてちょっと落ちます。
ユーチューブに限らず、デジタルの音は、高音よりの音は遜色なく出せるのですが、低音寄りの音を魅力的に再生することは難しいように感じます。トランジスタではなく真空管アンプ、デジタルではなくアナログプレイヤーを選ぶのは、この辺に原因があるのではないでしょうか。
高音よりの音では、軽い音しか出ませんから。
Miles Davis 死刑台のエレベーター ジュリアンの脱出 Evasion De Julien Leak Varislope3 TL/10
直流点火といえば、ハムの減少を目的とするものと思っていたので、興味がなかった。
前のブログにも書いたように、音自体にも影響することを確認し、がぜん興味がわいたのである。
今は、ダイオードによる違いを調べている。
熱を発生させるためのものだから、違いはなさそうなものだけれど、実際違って聴こえるのだから不思議だ。
ダイオードによっては、トランジスタアンプのような高音寄りの音になったりするので、そんなものは外す。

ショットキーダイオードを使えば、確かに電圧降下は少なく、直流6.3ボルトにすることはできるが、確認したところでは、直流5.5ボルトぐらい出ていれば音の違いはないので、通常のダイオードではだめということはない。
通常、ショットキーにかかわらず、自分好みの音の出るダイオードにした。
あくまで音を目的としたけれど、副次的に変化したことがある。
ハムが消えたことは、多くの人はこれを主眼として直流点火をするのだから、当然である。
あと一つ、音の出が大きくなって、以前よりもボリュームを絞ることになった。
懇意のお客様が、直流点火後のユーチューブをみて、ボリュームの位置が下がったと指摘されたのには驚いた。
機器を操作している私ならまだしも、ユーチューブを見ただけでそんな事なかなか気づかないと思うのですが。
一応今のところの音です。聴いてみてください。
Miles Davis 死刑台のエレベーター テーマ Generique Leak Varislope3 TL/10
Miles Davis 死刑台のエレベーター プティ・バックの酒場にて Au bar du petit bac Leak Varislope3 TL/10
次の曲は、ベースの音ですが、店で聴く音に比べてちょっと落ちます。
ユーチューブに限らず、デジタルの音は、高音よりの音は遜色なく出せるのですが、低音寄りの音を魅力的に再生することは難しいように感じます。トランジスタではなく真空管アンプ、デジタルではなくアナログプレイヤーを選ぶのは、この辺に原因があるのではないでしょうか。
高音よりの音では、軽い音しか出ませんから。
Miles Davis 死刑台のエレベーター ジュリアンの脱出 Evasion De Julien Leak Varislope3 TL/10
2022年01月17日
Leak Varislope Stereoの修理 その3
今回、お客様の修理をして感じたことは、修理したプリアンプの音が非常に良かったことだ。
その原因がどこにあるかを、調べてみた。
考えられる違いは、別電源の直流点火しかない。
お客様のバリスロープステレオはB電源とヒーター電源を8ピンコネクターで供給するだけで、信号はRCAピンプラグで受けるように改造されていた。
修理は、なるべくオリジナルの状態に戻した。
今回修理したことで、RCAピンプラグで受けることもできるが、オリジナルのLeakメインアンプならば、インターコネクトケーブルを使って接続すれば、RCAピンプラグなしにそのまま音が出るようになった。
そこで、別電源を使った方式と、別電源は使わずにオリジナルの接続方式と、その違いを確認してみた。
私の耳では、別電源のほうが音が良いと感じた。
オリジナルで感じるざらつきが、別電源を使うとなくなっていた。
音がスムースに出ているようなのである。
修理を終えたお客様のプリアンプを発送した後、自分のプリアンプでも実験してみたくなった。
新たな別電源を作るのは大変なので、インターコネクトケーブルのヒーターに交流6.3Vを供給する2線を途中でカットし、その間にダイオードと電解コンデンサで整流してみた。
残念ながら、ダイオードの内部抵抗のせいで、5.5ボルト程度しか供給されなかった。
それでも以前よりはよくなったように思うのですが、どうでしょう。
たまたま来店された懇意のお客様は、店で聴くのに比べてYouTubeの音は高音よりになって音質が落ちるとおっしゃいましたが、その辺は仕方ありません。
まあ、聴いてみてください。
Ann Burton The Shadow Of Your Smile Leak Point One Plus overhauled by GTKaudio
John Coltrane I Want To Talk About You from Soultrane Leak Point One Plus overhauled by GTKaudio
Eva エバ Dis Quand Reviendras いつ帰ってくるの? Leak Varislope3 overhauled by GTKaudio
John Coltrane It's Easy To Remember Leak Varislope3 overhauled by GTKaudio
2022年01月02日
Leak Varislope Stereoの修理 その2
さて修理である。
この修理、お客様へのアドバイスから始まった。
修理はできないけれど、お客様の話からすると、接点をきれいにすれば直るはずですとアドバイスした。
LeakのRCAピンソケットは特殊で、現行のプラグが合わないことがある。
オリジナルのプラグは、現行のものより+のピンが長い。

右端がオリジナル、右から2番目がスイッチクラフトの+ピンの先端ではんだ付けするタイプ。これがオリジナルに最も近い。左2個は現行品に近い。現行品では+ピンが太いものがある。高級品のピンケーブルはLeakに合わないこともある。
ロータリースイッチやスライドスイッチの接触不良もよくあることである。
私は、接点復活材としてケイグの100%液を使っている。
スプレータイプは塗料を犯す可能性があるので使わない。
とにかくLeakは接触不良を起こすことが多い。
清掃してもダメだったそうで、乗り掛かった舟で修理を請け負った。
ただ私のテスト中に、RCAピンを指で押したら音が出たので、結局は接触不良だった。
そこを直せば終わりであるが、一度請け負うと良い状態にしたくなる。
お客様、2回路使ってレコード再生をしたいとおっしゃる。
最初は、テープヘッドのソケットを流用し配線してみた。
2回路を切り替えるスライドスイッチがダメになっている可能性もあったが、大丈夫だ。
RCAソケットを分解した部品も送られてきていた。できればオリジナルの状態に直してほしいということなのだろう。
ベークライトは現行のソケットを入れるための大きな穴が空いていて使えない。
ベークライトを加工して作った。
3個の部品、シールド、絶縁材、+ピンのバラバラになった3個の部品をベークライトに組み込むことで出来上がる。

下がオリジナルのベークライト。上が今回作成した4個のソケット。
次は8ピンのメスソケットをオスソケットに換える。
配線をオリジナルの状態に戻す。
これでLeakのパワーアンプを使ってもそのまま使える。
もちろん、別電源のオスプラグもメスプラグに換え配線もオリジナルに合わせる。
出来上がったのが次の画像。

修理後。

修理前。
ここで終わりだが、私に頼むということは、音に期待されてのことであろう。
見直してみる。
信号系コンデンサ10個のうち、7個がフィルムコンになっている。
2個の0.25μFが0.1μFで代用されている。
0.25でも0.1でも、聴いた感じはそんなに違うものではない。
測定すれば違うのだろうけど、その違いが分かるほどの耳を私は持っていない。
音が大きく変わるのはどのコンデンサを使うかだ。
私が使うのはLeakと同時代の英国製のペーパーインオイルコンデンサ(pio)のオイルコンだ。
英国製のフィルムコンが使われているが、音を聴いた感じでは、そんなに悪くない。普通に聴ける。
私の好みは濃厚な音である。
現代のアンプやデジタル機器のようなスースーするような小綺麗な音では満足できない。
少なくとも真空管アンプを聴く人は、濃厚な音を求めているのだろう。
高電圧のかかるところ4か所以外は、ゴムエンドのオイルコンを使う。
高電圧のかかる2か所の0.25μFは、Leakのプリから取り外した小ぶりのオリジナルコンデンサにした。小ぶりだし絶縁抵抗は2,000mΩを超えるからフィルムコンかもしれない。
高電圧のかかる2か所の0.1μFは使われていたフィルムコンのままにした。
その時の音が次である。
Ann Burton I can't give you anything but love Leak Varislope Stereo restored by GTKaudio
ここまで来ると高電圧のところにもオイルコンを使いたくなる。
2か所の0.25μFに、オリジナルと同じ大ぶりのPlesseyゴムエンドのオイルコンを使ってみた。NOSであるが絶縁抵抗はよくない。できるだけよいものを選んだ。
2か所の0.1μFに、オリジナルと同じTCCゴムエンドオイルコンにしてみる。NOSの絶縁抵抗の良いものを選んだ。
0.1μF交換時、映画を観ていたら、声が明確でないことが気にかかった。これならフィルムコンのほうが良い。

今回使ったオイルコン。
Plesseyの0.05μFを使おう。ゴムエンドだけれども、音がいいのだ。
値は無視してもよいと思いつつ他人のものだ、2個並列にして0.1μFにする。絶縁抵抗の良いものを選んだが、並列にすれば悪くなるに決まっている。まあここは絶縁抵抗は無視して音を聴いてみよう。
うん、良い。声も明確になった。
まずはここまで。少なくとも私の好きな音だ。
ただねえ、人によって音の好みは違うのです。
音に絶対はない。人それぞれ好みというものがある。
だからこのお客様には、元の音が好みなら、フィルムコンに戻すと約束してある。
その時はオイルコンが私の手元に残るのだから、それはそれでいい。
この段階の音が次です。
John Coltrane Theme For Ennie from Soultrane Leak Varislope Stereo restored by GTKaudio
終わり。
2022年01月01日
Leak Varislope Stereoの修理 その1
ひょんなことから、Leak Varislope Stereoの修理をすることになった。
レコードの再生の際、音が出ないとのことであった。
私が常用しているセラミックエンドのコンデンサは、手持ちがあまりなく、懇意のお客様の修理用に取っておかなくてはならないので、初見のお客様のオーバーホールはお断りしている。
ゴムエンドのコンデンサでよろしければということで、お引き受けした。
モノが届いて驚いた。
かなり改造されている。


2系統あるレコードのソケットが1系統になって、4個並ぶはずのRCAピンソケットが、現行品に換えられている。
パワーアンプから供給される電源と、プリアンプから出力される信号の両方を受け渡しするケーブルをつなぐための8ピンソケットがメスになっている。
ここがメスであると、ケーブル側がオスのプラグになり、外した時、ピンがむき出しになるから感電の恐れがある。
オスのソケットは、部品としては、まあ手に入らない。
仕方がないので、部品取り用に買っておいたジャンクから取ることにする。
8ピンソケットの上に見えるテープデッキ用出力のRCAピンソケットも現行品に換えられている。
ここは、プリアンプの信号出力用に変更されている。
お客様、Leakはプリアンプだけで、パワーアンプは日本製なので、通常のピンケーブルで接続できるようにこの変更が行われている。
まあ、これはいい、そのままにしておく。
ただし、8ピンのソケットは、電源供給のみに使われ、Leakの配置とは異なる配線になっている。
簡単に直せると思ったが、ちょっと大変になってしまった。
まあ、請け負ってしまったので、最後までやる。
パワーはLeakでないから、別電源が用意されている。

別電源のオスのプラグ。ヒーター用はいいにしても、200V程度のB電源がむき出しだから危険である。
この別電源もちょっと特殊だった。
テスターで測定すると、ヒーターの電圧が表示されない。
うん?もしかして直流点火?
テスターのレンジを直流にして測定。
出た。だけど20数ボルト。
抵抗で落として、6.3Vぐらいにしているらしい。それにしても電圧差がありすぎる。
1回で書くつもりで始めたが、状況説明で疲れた。
続きはまた明日。