2021年10月
2021年10月30日
Leak TL/12 Plusイミテーションの製作
以前このブログで、トランス類のないTL/12 Plusに、国産の電源トランスと手持ちの英国製RSアウトプットトランスを使い、改造TL/12 Plusを製作した記事を載せた。
なかなかの音がしたので、もう1台ほしくなった。
RSのアウトプットトランスは、たやすく手に入るものでもなく、あったとしてもかなり高価である。
そこで、オリジナルの巻き方等を踏襲した現行品で作ってみることにした。
ベークライトの色が濃い以外、見た目はそっくり。

巻き方を同じにしても、使ってある部材が当時のものとは異なるので、同じ音が出るとは限らないことはわかっているが、トライしてみる。
Leak TL/12 Plusのイミテーションの製作です。
まずは基板作り。


シャーシの穴をあけ、すべての部材を取り付けた。



電源トランスは国産、チョークは英国のホームメイドアンプから拝借した。
アウトプットのカバーは、高電圧の端子がむき出しになっているので、必須である。真鍮板で自作した。
オーディオアンプの肝は、部品の選択にあると思っている。
特に、音を決める部品は経験上わかっているので、私好みの部品で仕上げる。
私はだれかの真似をすることは大嫌いなので、トライアンドエラーで私好みの部品を選択してきた。
部品によって音が全く変わってくるので、そのこと自体が楽しい作業でもある。
色塗りなんてしなくてもいいと思いながらも、作り始めるときれいに仕上げたくなるのだから困ったものである。
音には全く関係ないのに。
綺麗さを競うなんて馬鹿げていると思いつつ、色塗りをした。

木製の台は、電源用オイルコンを収納するためのスペースである。隙間からオイルコンが見える。

前回のブログで紹介したグッドマン12”レッドアルニコ蝶ダンパーユニットは、布袋に包まれた状態で鳴らされていました。
モノラルのデッカデコラのためだけだったのかもしれません。
布袋に包んで、サンドフィルドキャビネットに装着し、鳴らしてみました。
音が柔らかくなったようにも思われます。
このアンプで鳴らしてみました。左がオリジナルトランス、右が復刻のトランスです。
Miles Davis Flamenco Sketches Goodmans Red Alnico 12" Imitated Leak TL/12 Plus
Ronnie Aldrich Nola Goodmans Red Alnico 12" Imitated Leak TL/12 Plus
復刻トランス単独で鳴らしてみる。アウトプットトランスのカバーを載せた。
Susanne Lautenbacher J.S.Bach BWV1006 Gavotte en Rondeau Goodmans 12" Imitated Leak TL/12 Plus
なかなかの音がしたので、もう1台ほしくなった。
RSのアウトプットトランスは、たやすく手に入るものでもなく、あったとしてもかなり高価である。
そこで、オリジナルの巻き方等を踏襲した現行品で作ってみることにした。
ベークライトの色が濃い以外、見た目はそっくり。

巻き方を同じにしても、使ってある部材が当時のものとは異なるので、同じ音が出るとは限らないことはわかっているが、トライしてみる。
Leak TL/12 Plusのイミテーションの製作です。
まずは基板作り。


シャーシの穴をあけ、すべての部材を取り付けた。



電源トランスは国産、チョークは英国のホームメイドアンプから拝借した。
アウトプットのカバーは、高電圧の端子がむき出しになっているので、必須である。真鍮板で自作した。
オーディオアンプの肝は、部品の選択にあると思っている。
特に、音を決める部品は経験上わかっているので、私好みの部品で仕上げる。
私はだれかの真似をすることは大嫌いなので、トライアンドエラーで私好みの部品を選択してきた。
部品によって音が全く変わってくるので、そのこと自体が楽しい作業でもある。
色塗りなんてしなくてもいいと思いながらも、作り始めるときれいに仕上げたくなるのだから困ったものである。
音には全く関係ないのに。
綺麗さを競うなんて馬鹿げていると思いつつ、色塗りをした。

木製の台は、電源用オイルコンを収納するためのスペースである。隙間からオイルコンが見える。

前回のブログで紹介したグッドマン12”レッドアルニコ蝶ダンパーユニットは、布袋に包まれた状態で鳴らされていました。
モノラルのデッカデコラのためだけだったのかもしれません。
布袋に包んで、サンドフィルドキャビネットに装着し、鳴らしてみました。
音が柔らかくなったようにも思われます。
このアンプで鳴らしてみました。左がオリジナルトランス、右が復刻のトランスです。
Miles Davis Flamenco Sketches Goodmans Red Alnico 12" Imitated Leak TL/12 Plus
Ronnie Aldrich Nola Goodmans Red Alnico 12" Imitated Leak TL/12 Plus
復刻トランス単独で鳴らしてみる。アウトプットトランスのカバーを載せた。
Susanne Lautenbacher J.S.Bach BWV1006 Gavotte en Rondeau Goodmans 12" Imitated Leak TL/12 Plus
2021年10月20日
グッドマンのスピーカー 2題
私がYouTubeにアップした動画を見て、懇意のお客様が「今回の目玉は何なの」とおっしゃった。
そう、いつもなら 目玉は一つであるのに、今回は三つもある。
懇意のお客様、何に注目して聴いたらよいのかわからなかったのでしょう。
目玉は次の三つである。
(1) 英国で針交換とオーバーホールしてもらい、とどいたばかりのDeccaのMK1ステレオカートリッジの試聴。
(2) 音の良い英国製アウトプットトランスが手に入ったので、好みのパーツを使い、Leak TL/12 Plusのイミテーションを自作したパワーアンプの試聴。
(3) 私の最も好きなグッドマンスピーカーの試聴。
(2)の自作アンプについては次回にして、今回は(3)のグッドマンスピーカーについて書きます。
私が店を始めて、英国から取り寄せたスピーカーで、その音の良さに驚いたのは、ワーフデールの12インチCS/ALだった。
大きなレッドアルニコマグネット、蝶ダンパー、アルミニウムボイスコイルを持つ素晴らしいスピーカーである。
ただ、ワーフデールの創始者ブリックスが開発したサンドフィルドキャビネット用に作られたからでしょうか、通常の箱に入れて鳴らすと、高音がきつく感じてしまいます。つまり鳴らすのが難しいのです。
ワーフデールが適正なキャビネットに入れた状態で販売されたのに対して、グッドマンは主にドライバーユニットのまま部品として販売されていた。
それゆえだと思うのですが、グッドマンのユニットは、適当に作られたキャビネットであっても、良い音で鳴ってくれます。つまり、鳴らしやすいのです。
さて本題へ。
紹介するのは、アルニコマグネット、蝶ダンパーの12インチユニットです。

レッドアルニコマグネット

蝶ダンパー

外観が全く同じで、布ダンパーのものもありました。
トランジスタアンプには布ダンパーが良いのかもしれませんが、私が使っているリークの真空管アンプでは、蝶ダンパーのほうが良い音がします。
情報量が多く、しっとりとした音で鳴ってくれます。
モノラルのデッカデコラには、同じ外観の2本のスピーカーが使われ、1本がダブルコーン、1本がこのシングルコーンが使われていたとどこかに書いてありました。
蝶ダンパーでダブルコーンのユニットとシングルコーンユニットの違いは、私の耳では聴き分けることが出来ません。
おそらく広帯域まで聴き分ける人にとっては、違いが判るのでしょう。
とにかく、ともに私の最も好きなスピーカーです。
さて、私の好みがどんなものか聴いていただきましょう。
まずは、Decca XMSと、このスピーカーによるモノラル再生です。
Heifetz Mozart Violin Concerto K.219 "Turkish" Imitated Leak TL/12 Plus Goodmans Red alnico 12"
次は、針交換したばかりのDecca MK1カートリッジと2本のこのスピーカーによるステレオ再生です。
That's All The Ray Brown Trio Goodmans Red Alnico 12" Imitated Leak TL/12 Plus
裸で鳴らしていますが、十分良い音であると分かっていただけるはずです。
最後に、おまけのようになってしまいましたが、2種類目グッドマン10インチ アキシエットの紹介です。


布ダンパー

8インチのAxietteは長いレッドアルニコマグネットの特徴ある外観とその音の良さで大変人気がありますが、Axietteに10インチがあることを私は知りませんでした。
私は知らずに購入したのですが、たまたま見たEbayに、同じユニットが出品されていて、最初期のAxiette10インチと書かれていました。
最初期は、長いアルニコではなかったそうです。
真偽はともかく、音を聴いてみましょう。
1本だけですのでモノラル再生です。
Patti Pages Mockin Bird Hill Goodmans 10" Axiette アルニコ
アルニコ時代のグッドマンは、良い音でかつ使いやすいです。
2021年10月05日
英国ドッグボーン抵抗のカラーコード
10年ほど前、店を始めて間もないころ、リークのフラグシップともいうべきTL/12.1 の修理を依頼された。
TL/12.1は1948年から1057年までの9年間製造販売されていたロングセラーの名器である。
その間、使用部品はどんどん新しいものに変えられていったようです。
先日修理したTL12.1は、その魅力のかなめともいうべき電源部分のオイルコンも他のコンデンサが使われて、音が気に食わず、以前のブログに書いたように無理やりオイルコンを押し込んで修理しました。
さて、10年前に修理したTL12.1ですが、最初期に作られたものだったらしく、すべての抵抗に通称ドッグボーンと呼ばれる古い抵抗が使われていました。

上の画像が、そのドッグボーンと呼ばれる抵抗です。
正式な製造方法は知りませんが、抵抗値に合わせて焼成された棒の両端に電極となる金属線を固定した長さ4.5センチほどの抵抗で、こんな大きなものでも1Wの仕様です。
お分かりだと思いますが、ドッグボーンは、犬が噛んで持ち歩く両端の膨らんだ骨のイメージと一致することからつけられた通称です。
どう見てもほとんどが手作りで、これ以降に作られた大量生産の抵抗と比べると高価だったと思われます。
私がLeakのアンプをオーバーホールする際には、抵抗も同時代のNOSですべて交換しているのですが、TL12.1では、このドッグボーン抵抗すべてを交換することはできず、一部だけにとどめた記憶があります。
ドッグボーン抵抗は、見るからに魅力的な抵抗なのです。
1954年に発売されたTL/10には、位相分割段の2か所(57KΩ、68KΩ)にだけ、このドッグボーンが使われています。
おそらく、音にとって、ほかの抵抗では満足できなかったと推測されます。
前置きが長くなりました。ドッグボーンのコードの読み方に移ります。
カラーと数値との対応は現在と変わらないようです。
黒(0)、茶(1)、赤(2)、橙(3)、黄(4)、緑(5)、青(6)、紫(7)、灰(8)、白(9) 銀(10%)、金(5%)
今となっては、誤差の銀か金かなど関係ありません。

上の抵抗は、全体に塗ってある橙(3)、右の白(9)、真ん中の黄(4)の順序で読みます。
39はそのまま、4は0の数です。ですから、390000Ω(390kΩ)です。

茶(1)、緑(5)、橙(3)
15000Ω(15KΩ)

これはすべて赤ですから、赤(2)、赤(2)、赤(2)です。
2200Ω(2.2kΩ)

黄(4)、紫(7)、黒(0)
47と来て、0は0個ですから、47Ωです。
読みの順番さえ分かれば、現在のカラーコードと変わりありません。
ただし、以下のようなのもあります。

2番目の黒が、横にちょこっとついていて見落としがちです。
これは橙黒茶ですから、300Ωです。
最後にドッグボーン抵抗は1940年代以前のものです。ひどく抵抗値が変化しているものがあります。
実測が必須です。
次のリンクでGTKオーディオの音を聴くことが出来ます。
GTKaudio