2020年11月
2020年11月29日
英国LeakのフラグシップTL/12 Point One(TL12.1)のオーバーホール その3
追加です。
久しぶりに、Decca MK1カートリッジで鳴らしてみました。
珍しいモノラル楕円針カートリッジです。
Miles Davis Stella by Starlight Leak TL/12 Point One (TL/12.1)

マークも、楕円にLPです。

楕円針LPのコードは、EXです。
追加終わり。

2台のTL/12 Point Oneは、正常に鳴り始めた。
このアンプは、電源部に通常ではありえないほど小さな容量のコンデンサを使っている。
上の画像が電源用コンデンサが入った箱である。一つの箱が1台のアンプ用である。
この中に4μf、8μf、4μfのコンデンサを収納している。
π回路に4μf、8μfを使用し、前段及びプリアンプに供給する電源部に4μfを使用している。
すなわち、B電源関連はすべてこれだけの小容量でまかなっているのである。
電解コンデンサなら、こんな小さな容量を使うはずがない。オイルコンを使っているのである。
TL/12 Point Oneの魅力は、何といっても電源部にこのオイルコンが使われていることにある。
こんな小容量で、よくハム音を抑えていると思う。
スピーカに耳を近づければ、そりゃー小さなハム音はするだろう。
それが何だというのだろう。1m離れて気にならなければ問題はない。
そんなことが気になる人は、ビンテージの真空管アンプなど使わないほうがいい。
当時製造されたオイルコンデンサの魅力は、そんな些末なことではなく、電解コンでは聴くことのできない音色にあるのだ。
私が音に求めるものは、単純であるが抽象的である。
音は人間の感覚に訴えるもの、すなわち芸能芸術の分野に含まれる。
抽象的にならざるを得ない。言葉ではなく感じるしかないのだ。
それでは音に私が求めるものは何か。
太い音であること、情趣を感じさせる音であること。さらに言えば、濡れた感じの音であること。
これらを体現してくれるのがオイルコンなのだ。
そうだ。試聴だ。
試聴と言っても、日常出す音、例えばYouTubeの音。レコード再生の音、全てをTL/12 Point Oneで鳴らしているだけである。
修理が完了した当初、達成感のなせる業か、良い音だと思っていた。
2日目、3日目と時間がたつに従い、不満を感じるようになったのである。

私が通常オーバーホールしているTL/12 Point One以降のLeakアンプはすべて、上の画像のように木製の台座をつけて電源部をオイルコン化している。
この台座の中に、4μf,8μf,4μfの2倍以上のオイルコンを収納して、電源をオイルコン化しているのである。
つまり、TL/12 Point Oneと同等あるいはそれ以上の条件を以降のアンプにも与えているのである。
整備を完了したTL/12 Point Oneの音が気に入らなくなったのは、通常聴いている上記の電源部をオイルコン化したTL/10の音に劣ると思い始めたからである。
何かもやつきを感じる。きりりとしたところがない。
音とふんどしはきりっとしてなきゃ。
ほら、爪楊枝みたいなのが、はみ出してるぜ。
このふんどしのゆるみは、オイルコンの箱(パック)に原因があるのではないか。

これがオイルコンのパックの下側である。
端子がオイルコンの端子と異なる。開けてみたいと思った。
考えてみたら、あける必要はない。耳を信じればよい。
オイルコンが使われているかどうかが問題ではない。
音が気に食わないことが問題である。
4μf,8μf,4μfのオイルコンを用意し、パックの配線を取り除きオイルコンにつなげてテストしてみよう。
2台とも処置して、ステレオで聴いてみた。
これだよ、全く違う。この音じゃなきゃ。
きりりとしまったふんどしに、力強い盛り上がり。
こう来なくっちゃ。
ここで、塾をやっていた時、女子高生が教えてくれた言葉遊びを思い出す。
スポーツ大会の宣誓で、
「スポーツマンシップにのっとり」ではなく、
「スポーツマンヒップにもっこり」というのだそうだ。
感動した。
パックに入っているのはオイルコンでは絶対ない。
修理の際に入れ替えられたのか、もともとのオリジナルがそうなのかは知らない。
しかしこのパックのままではTL/12 Point Oneの魅力は引き出せない。
よし、放送局で使われていたアンプのように、むき出しのオイルコンを建てよう。
建築条件は、シャーシに傷をつけない、いつでも容易にオリジナルのパックに載せ替えることが出来るだ。

真鍮を台にして、オリジナルの4本のネジで留められるように作った。
必要ならば真鍮の台のまま取り外し、オリジナルのパックに入れ替えることが出来る。
前が4μf 600V、後ろが8μf 600V、残りの4μfは2μf 600V 2個を並列にしてシャーシの裏側に貼り付けた。
これで完了だが、あとはオリジナルのチョークのまき直しを頼むつもりだ。
YouTubeに、整備したTL/12 Point Oneの音を載せました。
今まで使っていたCanon Powershot G12が不調になり、Zoom Q2 HDで撮りました。私はデジタル臭さが強いように感じて、使っていなかったのですが、どうでしょう。
Locatelli "L' Arte del Violino" Op.3 Concerto No. 1 In D Leak TL/12 Point One
次の曲は少々音量を上げて聴いたほうが良い。
Embraceable You Bill Evans Eddie Gomez Leak TL/12 Point One
久しぶりに、Decca MK1カートリッジで鳴らしてみました。
珍しいモノラル楕円針カートリッジです。
Miles Davis Stella by Starlight Leak TL/12 Point One (TL/12.1)

マークも、楕円にLPです。

楕円針LPのコードは、EXです。
追加終わり。

2台のTL/12 Point Oneは、正常に鳴り始めた。
このアンプは、電源部に通常ではありえないほど小さな容量のコンデンサを使っている。
上の画像が電源用コンデンサが入った箱である。一つの箱が1台のアンプ用である。
この中に4μf、8μf、4μfのコンデンサを収納している。
π回路に4μf、8μfを使用し、前段及びプリアンプに供給する電源部に4μfを使用している。
すなわち、B電源関連はすべてこれだけの小容量でまかなっているのである。
電解コンデンサなら、こんな小さな容量を使うはずがない。オイルコンを使っているのである。
TL/12 Point Oneの魅力は、何といっても電源部にこのオイルコンが使われていることにある。
こんな小容量で、よくハム音を抑えていると思う。
スピーカに耳を近づければ、そりゃー小さなハム音はするだろう。
それが何だというのだろう。1m離れて気にならなければ問題はない。
そんなことが気になる人は、ビンテージの真空管アンプなど使わないほうがいい。
当時製造されたオイルコンデンサの魅力は、そんな些末なことではなく、電解コンでは聴くことのできない音色にあるのだ。
私が音に求めるものは、単純であるが抽象的である。
音は人間の感覚に訴えるもの、すなわち芸能芸術の分野に含まれる。
抽象的にならざるを得ない。言葉ではなく感じるしかないのだ。
それでは音に私が求めるものは何か。
太い音であること、情趣を感じさせる音であること。さらに言えば、濡れた感じの音であること。
これらを体現してくれるのがオイルコンなのだ。
そうだ。試聴だ。
試聴と言っても、日常出す音、例えばYouTubeの音。レコード再生の音、全てをTL/12 Point Oneで鳴らしているだけである。
修理が完了した当初、達成感のなせる業か、良い音だと思っていた。
2日目、3日目と時間がたつに従い、不満を感じるようになったのである。

私が通常オーバーホールしているTL/12 Point One以降のLeakアンプはすべて、上の画像のように木製の台座をつけて電源部をオイルコン化している。
この台座の中に、4μf,8μf,4μfの2倍以上のオイルコンを収納して、電源をオイルコン化しているのである。
つまり、TL/12 Point Oneと同等あるいはそれ以上の条件を以降のアンプにも与えているのである。
整備を完了したTL/12 Point Oneの音が気に入らなくなったのは、通常聴いている上記の電源部をオイルコン化したTL/10の音に劣ると思い始めたからである。
何かもやつきを感じる。きりりとしたところがない。
音とふんどしはきりっとしてなきゃ。
ほら、爪楊枝みたいなのが、はみ出してるぜ。
このふんどしのゆるみは、オイルコンの箱(パック)に原因があるのではないか。

これがオイルコンのパックの下側である。
端子がオイルコンの端子と異なる。開けてみたいと思った。
考えてみたら、あける必要はない。耳を信じればよい。
オイルコンが使われているかどうかが問題ではない。
音が気に食わないことが問題である。
4μf,8μf,4μfのオイルコンを用意し、パックの配線を取り除きオイルコンにつなげてテストしてみよう。
2台とも処置して、ステレオで聴いてみた。
これだよ、全く違う。この音じゃなきゃ。
きりりとしまったふんどしに、力強い盛り上がり。
こう来なくっちゃ。
ここで、塾をやっていた時、女子高生が教えてくれた言葉遊びを思い出す。
スポーツ大会の宣誓で、
「スポーツマンシップにのっとり」ではなく、
「スポーツマンヒップにもっこり」というのだそうだ。
感動した。
パックに入っているのはオイルコンでは絶対ない。
修理の際に入れ替えられたのか、もともとのオリジナルがそうなのかは知らない。
しかしこのパックのままではTL/12 Point Oneの魅力は引き出せない。
よし、放送局で使われていたアンプのように、むき出しのオイルコンを建てよう。
建築条件は、シャーシに傷をつけない、いつでも容易にオリジナルのパックに載せ替えることが出来るだ。

真鍮を台にして、オリジナルの4本のネジで留められるように作った。
必要ならば真鍮の台のまま取り外し、オリジナルのパックに入れ替えることが出来る。
前が4μf 600V、後ろが8μf 600V、残りの4μfは2μf 600V 2個を並列にしてシャーシの裏側に貼り付けた。
これで完了だが、あとはオリジナルのチョークのまき直しを頼むつもりだ。
YouTubeに、整備したTL/12 Point Oneの音を載せました。
今まで使っていたCanon Powershot G12が不調になり、Zoom Q2 HDで撮りました。私はデジタル臭さが強いように感じて、使っていなかったのですが、どうでしょう。
Locatelli "L' Arte del Violino" Op.3 Concerto No. 1 In D Leak TL/12 Point One
次の曲は少々音量を上げて聴いたほうが良い。
Embraceable You Bill Evans Eddie Gomez Leak TL/12 Point One
2020年11月28日
英国LeakのフラグシップTL/12 Point One(TL/12.1)のオーバーホール その2

さてと、2台目の修理に移る。
その前に、書き忘れたことがある。
上の回路図の下中央に、表のようなものがある。
Leak TL/12 Point Oneには2種類のアウトプットトランスがあり、使用するスピーカのインピーダンスによって、NFB用の抵抗、コンデンサの値を変更し、さらにアウトプット2次側の配線も変える必要があることを表している。
今回の2台はともに、TL12/T2/2のトランスである。表の右側を参照することになる。
送られてきた時点では、8Ωに設定されていた。
TL12/T2/1なら16Ωがあるのだが、TL12/T2/2だから15Ωに一番近い18Ωを選んだ。
配線及び6kΩの抵抗を10kΩに変更した。
100ピコファラッドは変更の必要がないので、そのままにした。オリジナルでも、板マイカのついているここを取り換えることはしない。マイカは強いので、古くても問題になることはない。
2台目でちょっと心配なことがあった。
フューズに接続している配線が外されていたことである。取れたのではなく明らかにはんだをとかして取り外してあるのだ。
つまり電源が入らないようにしてある。
電源が入るとやばいことが起こったと推測できる。
1台目のオーバーホールと同様の変更を行った。1台目が参考になるから、作業は簡単である。
できた。
さてと、インターコネクトケーブルも送られてきていたことを思い出し、それを使ってプリアンプを接続した。
テストした。
全くダメ。手元スイッチをすぐ切った。
症状は、1台目で最初にテストした時と同様である。
うん?もしかして、インターコネクトケーブルまで配線を変えてるっていうのか。
半信半疑ながらも、オリジナルの配線と同じ自作のケーブルでテストしてみる。
あらー、鳴ったじゃない。
しばらくすると、ボコボコボコとはじまり、スピーカが前後に揺れ始める。
ここで俺の心は折れる。
やってられるか。
自慢じゃないが、俺のハートはチキンなんだ。
テストだってこわごわやってる。
それなのにこの仕打ち。
冗談じゃねえ。アンプだって、傷つきやすい人の気持ちを考えろってんだ。
ふて寝する。
これ以降、テストとふて寝を繰り返すことになる。
翌日、知り合いの春日無線に行って、 KAC-10-200という型番のチョークを買ってくる。
10H 200mA 157Ωだから、十分なスペックである。オリジナルより、少々大きい。
スペースがあるから、工夫すれば載せられる。
抵抗よりも平滑化効率がいいはずである。
歩いて2,3分の赤札堂にしか行かないのに、秋葉原まで行ったのだから自分をほめる。
テストする。
ボコボコまでの時間が伸びたけれど、やはり始まった。
まあ、ふて寝だ。
インターコネクトケーブルの刺さるGT管ソケットのピンを入れ替えたり、様々なことを試したが、そのたびごとにふて寝をする結果になった。
そういえば、NFB回路の100pfだけは取り換えていない。
こんなとこ間違えるはずもないところである。
半田を溶かして取り出してみた。
うん?取り外す前は見えなかったが、小さく1kと書いてある。1,000ってことだ。
測ってみる。やはり1,000pfだ。
なんてことだ、100pfが1,000pfになっている。
ここをそのままにしていたのには理由がある。
これ以降の私が直しているLeakのアンプで、100pfを使うことは全くない。
だから100pfは持ち合わせがないのである。
ただ遠い記憶に、100pfと100pfを並列につないで、よく使われる200pfを作った画像が頭の中に残っているのである。
中古ではあるが、音の良い板マイカだし、あれが見つかれば、言うことはない。
しかし、荒野のごときGTKaudioの店内のどこにそれは存在するのであろうか。
整理?最も苦手。俺は男だ。チキンのハートだけど、分類上は男だ。ハッキリ言おう。男にせいりはない。
いや、威張ってはいられない。探さなきゃ。
おお。最初にあけた箱の中に、あっけなく見つかる。
違った値で200pfを作った記憶もあるから、半田を溶かして測定する。
これも一発で決まる。100pf 2個だ。
こんな事ほんとに珍しい。いつもは2,3時間探してあきらめるのが常なのに。すげえ。
直した。さてテストだ。
OK.鳴ったぜ。安定している。
そうか最初の1台はどうだろう。
200pfがついていた。めちゃくちゃだな。取り換える。
以上で安定して鳴るようになった。ひと段落である。
ここまで来るのに、ひと月かかった。
何しろ老人の上に、ふて寝の回数がかさんだので、時間がかかった。
それにしても、前の所有者、まともな音が聴けたのだろうか。こんな状態のTL/12 Point Oneを聴いていたとしたら不幸である。
さあ、次は音だ。
続く。
GTKaudio
2020年11月27日
英国LeakのフラグシップTL/12 Point One(TL/12.1)のオーバーホール その1


Leak TL/12 Point Oneは、リークの数ある真空管メインアンプの中でも別格の人気を誇っている。
まず驚くのは、その価格である。Ebayでさえ、モノラル1台最低3,000ポンドの価格になっている。
送料も含めると1台50万円弱の負担になる。私にはそんな財力はないから一度も購入したことはない。
人気の秘密はどこにあるのだろうか。
推測できるのは、KT66の三極管接続であること、電源部にも電解コンデンサではなく、オイルコンデンサが使われていることである。
それにもまして、このような名機と呼ばれるものは、素晴らしい音で鳴っているものがいまだにあるということなのだろう。
もちろんすべてのTL/12が素晴らしい音で鳴っているなどということはあり得ない。
ほんの少しの人が、素晴らしい音で鳴らしていれば、それは名機になるのである。
あとはうわさに任せれば、人気が出て名機になるのだ。
ほとんどの人は名機と呼ばれるものを欲しがるのであって、良い音が出るかどうかは2の次である。
製造当時の部品のままのオリジナルが欲しいという。
へたりの来た部品から出る音が、その名機のオリジナルの音だと思っているのだろうか。
ばかばかしい。
さて今回のオーバーホールである。懇意のお客様が購入されて、修理を依頼された。
現在はオーバーホールの飛び込み修理は受け付けていない。部品が残り少ないのである。
2,3年前までは、私がオーバーホールに使っているセラミックエンドのオイルコンデンサも、必要な時に必要なだけ、安い価格で購入できた。
かつては英国のオイルコンデンサなんてほとんど注目する人はいなかったので、売れなかったのである。
今はほとんど出てこないし、出てきたとしても価格がかつての10倍くらいになっていて、私には手が出なくなってしまった。
だから、こちら所有のオーバーホール済みアンプの販売だけをしている。
今回は懇意のお客様からの依頼だから特別である。
送られてきたTL/12 Point One 2台は両方とも音が出ないという。
音が出ないから、馬鹿みたいに安い値段だったらしい。
最悪、2台から正常な状態の1台が出来上がればよいのだが。お客さんにもそのように伝えてある。
トランス、特にアウトプットトランスの導通があるかが心配である。
アウトプットトランスの導通がなければ、そこでおしまいである。半分賭けだね。
巻きなおしてもらっても望みの音は出ないという。アウトプットトランスだけは、オリジナルでなくてはならない。
調べてみる。
電源トランス、チョーク、アウトプットトランス、全部で6個を調べてみる。
大丈夫だ。抵抗で代用しているチョーク1個がダメになっている以外、あとの5個は正常である。
チョークは国産で代用しても、音に影響はほとんどないことがわかっている。
トランス類さえ正常なら、あとの部品はどうにかなる。2台とも直すことが出来る。安心した。
2台ともほとんどの部品が交換してあり、オーバーホールしてある。
交換部品は現行のものが使われ、ビンテージ真空管アンプの心臓ともいうべきカップリングコンデンサはドイツ製のフィルムコンが使われている。
販売当時に作られていたオイルコンでなけりゃ、良い音なんて望むべくもない。
10年ほど前、このブログ上でビンテージの真空管アンプにはオイルコンを使うことが良い音を出すための必須条件であると私が書くまでは、ほとんどの修理に性能の良いフィルムコンが使われていた。
さらに、TL/12 Point Oneの最大の魅力である電源部分にオイルコンが使われていることにも関わらず、国産の電解コン22μFを増量している。
整流管から出たすぐのところは、オリジナルの4μFオイルコンは通さずに2,2μFフィルムコン2個を並列にして追加してある。
まあ、残念な修理である。性能はよくなるかも知れないが、ビンテージの真空管アンプの魅力は全くそがれる。
TL/12 Point Oneのアンプだといっても、こんなのが多いのだろう。
特に、音を聴いて仕上げるのではなく、計器に頼り切った性能を追求する人たちの修理はこんなものである。
基板上の部品のほとんどを私の好みの部品に交換した。
特にカップリングコンデンサは、英国製セラミックエンドオイルコンを使う。
1台に0.25μFが5本使われているので、全部で10本必要である。
0,25μFは4本しかないので、パワー管に接続するところに使い、前段部分の6個所は0.1μF 2個を並列にして、0.2μFで代用した。
結局、セラミックエンドオイルコンデンサを全部で16個使ったことになる。
まあ、贅沢である。大事なところには贅沢しなけりゃ。
見た目に贅沢をするのが日本のオーディオの主流ですが。まあ、人それぞれだ。頑張ってください。
抵抗やコンデンサの値を勝手に変えて、オリジナルの値と異なることがあるから、配線図通りになるように、交換していった。
このような時、オリジナルではなく手が加えられているアンプの修理は面倒くさい。配線図と首っ引きになる。オリジナルの状態なら、取り出した部品と同じ値の部品で交換するだけでよいから楽なのだが。
1台が仕上がった。プリアンプを用意し、自作のインターコネクトケーブルで接続し、テストしてみる。
酷い、プリアンプのボリュームを上げると発振してしまう。かすかな音さえも出ない。
考えられるのは、インターコネクトケーブルのプラグが刺さるGT管ソケットの不調である。
わざわざ配線を変えているはずはないはずだし、接触不良が起きているのか。
ありえないと思いながら、ソケットの配線を調べてみる。
なんだ、めちゃめちゃじゃないか。ホットの信号がアースに落ちている。音が出るはずがない。
調べてみると、プリアンプの配線番号に合わせてある。メインアンプの配線番号ではない。わざわざこんなことするか?修理した人の意図がわからん。
オリジナルの配線に戻す。
音が出た。まずは一安心。
次は2台目である。
また問題が起こるが、続きはまた書く。
GTKaudio