2020年10月

2020年10月08日

Decca XMSについて

追加です。

Helen Merrillをもう2曲。

Helen Merrill Falling In Love With Love Decca XMS + adapter + Ortofon AS212
Helen Merrill The Nearness of You Decca XMS + adapter + Ortofon AS212

追加終わり。

Decca XMSの使い方については前のブログに書きましたが、今回はその仕様について書いておきます。

IMG_0957

上の画像のように、大きく分けると2種類の色を持ったXMSが存在します。

基本的には、赤はLP用、黒はSP用(78回転)に作られたものです。

他に、あずき色をしたものもありますが、赤と同様でないかと思っています。

茶色をしたものは、形は似ていますが、薄くできていて針の長さが短く、XMSではありません。


IMG_0960

上の画像は、底部についている2本のボルトを緩め、上部の頭を取り外した状態を示します。

赤でも黒でも、構造は全く同じですが、頭の部分の材質が異なり、赤は本体と同じプラスチックですが、黒は頭の部分だけ鉛でできています。当然黒のXMSは重くなります。

これは何のためかと言いますと、同じアームを使った際、針圧調整する必要なく、自動的に針圧が適正になるよう、カートリッジの自重を変えているのです。

構造は全く同じですので、黒のXMSにLP用の針をつけ、針圧を8g近辺に調整できればLPを鳴らすことは可能です。ただLP用の針はなかなか見つかりません。


IMG_0959


次は、本体の赤黒は無視して、底面についている金属のプレートを見てください。

左が緑、右が銀色をしています。

この色は、カートリッジ内のコイルの持つインピーダンスを表しています。

インピーダンスの高いものは、細い線材でコイルの巻き数が多く、低いものは太い線材でコイルの巻き数が少ないことを表します。

巻き数が多くなれば、発電量が大きくなりますから、大きな音で鳴ります。つまり、インピーダンスの高いものほど大きな音が出ることになります。

プレートの色とインピーダンスの関係は次のようになります。

金 30Ω
赤 170Ω
銀 1300Ω
緑 4000Ω

金色は聴いたことがありませんが、赤はあります。音量としては充分です。

インピーダンスの高いものほど人気がありますが、システムによっては、音の調整が大変になり、時に歪んでしまうこともあるようです。さらに、インピーダンスが高いものは、細い線材を使っておりますから、断線しやすい傾向があります。


ちなみに、GTKオーディオ特製の補修用コイルは、DCRが300Ωですので、インピーダンスはおよそ400Ωぐらいかと思われます。カートリッジの頭に緑のテープを貼ってオリジナルと区別しています。

Youtubeで鳴らしているのは、補修用のコイルのものが多いはずです。ご参照ください。



GTKaudio




 

gtkaudio at 03:29|PermalinkComments(0)オーディオ