2019年10月
2019年10月19日
2019 真空管オーディオフェアを終えて その2
なんといっても、今年注目されたのは、HMV130だった。
私としては、真空管アンプが主力なのだが、HMVは、魅力的な音を出すのだからしょうがない。
珍しさのせいばかりではなかったと思う。
私でさえHMVを聴き始めて数か月、どんどん引き付けられるのだから、初めて聴いた人たちがびっくりするのも当然である。
大体、テレビのドラマなどで蓄音機を鳴らす設定があったとき、ざらざらと大きな針音の中、遠くで鳴るかのごとく小さく音楽が聞こえてくる、みたいなのが多いように思う。
一般の人たちが持っているイメージに合わせているのか、それともうまく鳴らす能力がないのか、今までひどい音でしか聴いたことがなかった。
違う。そんなものではない。
針音など、気にならない。音が前に出てくる。
ほとんどの人が蓄音機の周りによって来て、まさにニッパー君状態になってしまうのだ。
人を引き付ける力は、現代のオーディオ以上である。
何十年もオーディオをやってきた懇意のお客様、蓄音機否定派だったそうである。
何度か大きな蓄音機は聴いたことはあったが、良い印象を持ったことがなかったとのことである。
今回聴かれて、音の良さのエッセンスを聴いたように感じたと、驚いておられた。
そうだよな、それが通常の感じ方だよな。
私もそうだった。
時に荒々しいと感じるほどの力強さ、それでいてたっぷりと情趣を感じさせる。
なんだろね、これは。
言葉ではこれぐらい。表せるはずがない。
音を聴かなきゃ。
ただね、つまらない音を出している蓄音機も多いみたいだから、そんなので判断されては、蓄音機に失礼です。
あ、そうそう、ここ数年、昼はすいているのに、終わり近くになって多くの人が押し掛け、終了時刻になり、これで最後ですと告げると、名残惜しげにしている人たちがいます。
昼のほうがすいていますから、来年からはもっと早めに来てください。
私が、なんで最後になってみんな集まってくるんだと文句を言ったら、ある人が答えてくれた。
いろんなところで実験的な音を聴いて疲れちゃうんですよ。だから最後にここでゆっくりしに来るんです。
へー、音を聴いて疲れるのか?
オーディオは感動するものなのに。
感動することで癒されるのに。
なんだろね。
GTKaudio
2019年10月17日
2019 真空管オーディオフェアを終えて その1
まあ大変なオーディオフェアだった。
10月12日土曜日、搬入の日に台風の直撃。
搬入前日、搬入の量を減らし、搬入すべきものの梱包を済ませ、台風の動向を注視する。
ホテルへの搬入開始時刻午後3時、最高潮に達する雰囲気、どうするかを迷う。
運送を依頼した人からは、搬入時刻を早めたほうが良いとの電話。
ホテルに午前中に搬入してよいかと電話する。検討するとの返事をいただく。
なぜ即答してくれないのだろう、午前中の搬入、問題があるのだろうか。他のオーディオフェア関連業者の搬入とぶつかることになるのだろうか。
他の業者からの連絡はないとのこと、私の午前中の搬入の問題点がわからない。
後からわかった。私にホテル運営の知識がなかったのである。
ホテルでは、ベッドのシーツや風呂場の備品等を収める業者に毎日搬入してもらっているのだ。
アメニティー関連用品というらしい。
アメニティー関連用品の搬入を、午前中に充てている。だから私たちが入ると邪魔になるわけである。
今回は、店からの搬出、輸送、ホテルへの搬入を風雨が強くなってから行うと人命にかかわる。
かつてなかったほどの大きく強い台風の中で行うのである。
ホテルもわかってくれていた。特別な計らいで、10時30分からの搬入の許可がおりたのである。
運転手、運転助手、懇意のお客様5人、私の合計8人で、恙なく完了した。
最も心配していた店から降りる狭く急こう配の外階段も、多人数の手渡し人力パワーで大変スムーズに終わったとのことであった。
私は店から戸口まで出す係だったのでわからなかったが、お客さん同士が「人力パワーはすごい」と話していたし、あっという間に終わったので、予想した大変さは全く感じなかった。
今回は。雨台風だったようだ。被害も甚大であった。温暖化による台風やハリケーンの大型化は以前から予測されていたが、現実のものになってしまった。
さらに大型化するという。どうなるというのか。手詰まりである。
台風の話に終始した。
電車の運休もあり、開場を待つ人の数も、ひどく少なかった。
当日の搬入で、開場に間に合わなかったブースもあったそうである。
残念ながら今年は盛況とはならなかったが、まあやるだけはやったということで良しとする。
10月12日土曜日、搬入の日に台風の直撃。
搬入前日、搬入の量を減らし、搬入すべきものの梱包を済ませ、台風の動向を注視する。
ホテルへの搬入開始時刻午後3時、最高潮に達する雰囲気、どうするかを迷う。
運送を依頼した人からは、搬入時刻を早めたほうが良いとの電話。
ホテルに午前中に搬入してよいかと電話する。検討するとの返事をいただく。
なぜ即答してくれないのだろう、午前中の搬入、問題があるのだろうか。他のオーディオフェア関連業者の搬入とぶつかることになるのだろうか。
他の業者からの連絡はないとのこと、私の午前中の搬入の問題点がわからない。
後からわかった。私にホテル運営の知識がなかったのである。
ホテルでは、ベッドのシーツや風呂場の備品等を収める業者に毎日搬入してもらっているのだ。
アメニティー関連用品というらしい。
アメニティー関連用品の搬入を、午前中に充てている。だから私たちが入ると邪魔になるわけである。
今回は、店からの搬出、輸送、ホテルへの搬入を風雨が強くなってから行うと人命にかかわる。
かつてなかったほどの大きく強い台風の中で行うのである。
ホテルもわかってくれていた。特別な計らいで、10時30分からの搬入の許可がおりたのである。
運転手、運転助手、懇意のお客様5人、私の合計8人で、恙なく完了した。
最も心配していた店から降りる狭く急こう配の外階段も、多人数の手渡し人力パワーで大変スムーズに終わったとのことであった。
私は店から戸口まで出す係だったのでわからなかったが、お客さん同士が「人力パワーはすごい」と話していたし、あっという間に終わったので、予想した大変さは全く感じなかった。
今回は。雨台風だったようだ。被害も甚大であった。温暖化による台風やハリケーンの大型化は以前から予測されていたが、現実のものになってしまった。
さらに大型化するという。どうなるというのか。手詰まりである。
台風の話に終始した。
電車の運休もあり、開場を待つ人の数も、ひどく少なかった。
当日の搬入で、開場に間に合わなかったブースもあったそうである。
残念ながら今年は盛況とはならなかったが、まあやるだけはやったということで良しとする。
2019年10月10日
最初はLeak Stereo30 2019 真空管オーディオフェア その2
Leakのトランジスタアンプは、音はよかったのですが、不安定でした。
トランジスタアンプに関する知識がなかったものですから、修理ができませんでした。
トランジスタアンプはやめて、Leakの真空管アンプを扱うようになりました。
修理するようになって、大いに気づいたことがありました。
気づきの歴史は、その都度このブログに書いてきたことですから省きます。
ただ特筆すべきことがあります。繰り返しになりますが書いておきます。
音に最も影響を与えるコンデンサについて あまり語られていないことが不思議でした。
そのことも10年以上前にこのブログに書きました。
バンド関係のギターアンプ等を扱う人たちが、古いコンデンサの音の良さを認識していたようです。
然しながら、オーディオの関係者からはその話は出ませんでした。
修理したアンプを見れば、新しいフィルムコンデンサで直しているのがほとんどでしたから、オーディオの関係者で分かっている人は少なかったのだと思います。
ただ、私がブログに書いてから、その伝播のスピードは速かったですから、わかっていた人もいたのでしょう。
わかっていても他人には教えない、自分だけいい音を出したい。
そんなオーディオマニアも多いですよ。
なんともせこい話です。
今は、コンデンサが大事であることはほとんどの人が知っていますから、喜ばしいことです。
さて、真空管アンプで様々なことを試し、さらにWharfedaleのBriggsが開発したSandfilledスピーカに魅せられ、イミテーションを作り、それを応用したターンテーブル用Sandfilled台座を試作しました。
我ながらようやってきた。
すべて、良い音を追及してのことです。
Decca XMSもありますね。
モノラルの素晴らしさを教えてくれました。
SPもいい音がするものだと知りました。
これで終わりかと思ったら、まだあったのです。
今年のほやほやですが、HMVの蓄音機を聴いて、目を覚まされました。
蓄音機を好む人は、特殊な人たちと思っておりました。
実際に聴いてみると、そうではないと分かりました。
店に見えた懇意のお客様たちのすべてが、HMVの音を聴いて驚くのです。
考えてみれば当然ですね。
昔の人たちは、蓄音機の音を聴いて感動していたのです。
現代人が感動できないはずがない。
技術の進歩?
それならなぜ真空管アンプなんかを聴いているのですか?
ハイレゾではなく、レコードですか?
感覚の世界、すなわち芸能芸術の世界においては、進歩などというものはない。
その代わりに、退歩はある。
先人、HMVを聴いて往生をとぐ、いわんや現代人をや。
いかん、興奮してしまった。親鸞聖人ごめんなさい。
鎮まろう。
さてと。
今回の真空管オーディオフェアでは、以上私の体験を追ってみたいと思います。
Stereo30トランジスタアンプに始まり、真空管アンプでLP.SPを聴き、最後にHMVを聴いてもらいます。
Stereo30は、電気知識豊富な懇意のお客様に直してもらいました。
部品がそろっていないので、少し雑音が出ますが、音はいいです。
ゲルマニウムトランジスタですぜ。
真空管アンプは、Leakのプリ専用のPX4シングル 3ワット。
乞うご期待。
失敗したら、すんません。
2019年10月09日
最初はLeak Stereo30 2019 真空管オーディオフェア その1

オーディオは一人楽しむものだと思っている。
HMVから出てくる主人の声に、心を奪われているニッパー君の状態がオーディオである。
かつてオーディオが趣味であったころ、他人に私の音を聴いてもらうことはほとんどなかった。
私の音の欠点をあげつらわれると、気分が悪いだけであった。
自分さえ気に入っていればそれでよいと思っていた。
今はオーディオショップを営んでいる。
なるべく多くの人に私の音を聴いてもらい、私の音を気に入ってもらえる人たちに出会わなければならない。
万人を満足させる絶対的な音など存在しない。
人には好みというものがある。私は自分の好みを押し通す。
私の音の好みに合う、少ないかもしれないが 大切な人たちを探しだせばよいことである。
そのような人たちが、私のお客様になってくださっている。
私の音が気に食わない人たちは、その人の音を探せばよいだけのことである。
真空管オーディオフェアでも、この方針は変わらない。
差し出すのは、私好みの音である。情趣のある太い音である。
さて、今回のオーディオフェアは、私のオーディオの歴史をたどってみることにしている。
東京郊外の町田にいたころの私の主要オーディオシステムは、Garrard301、Ortofon SPU、Marantz7、Macintosh MC75 2台、Altec A7であった。
実家の母が転倒から下半身不随になり、介護が必要になった。
町田の塾をたたみ、実家に帰らなければならない。
実家は長屋である。狭い。
上記システムはすべて処分した。
とはいえ、音がなくなるのはつらい。
海外のオークションを見ていたら、Leak Stereo30というトランジスタアンプが目に留まった。
小さいのに、プリメインアンプである。
さらに安い。
30ポンド程度だった。1ポンド二百数十円の時代である。
購入をして驚いた。送料が70ポンドだったのである。
今から思えば適正な送料とわかるが、当時は騙されたかと思った。
とにかく、Stereo30を聴いてみた。
驚いた。これがトランジスタの音か。
真空管アンプのような音がする。
実家に帰り、母の介護をしながら、オークションでオーディオ製品を売り始めた。
Leakのトランジスタアンプが主要製品であった。
ある時、購入した人からメールをいただき、会いたいとのお話があった。
お会いすると、雑誌に評論を書いておられる方で、Leakのトランジスタアンプの記事を書く際、私のことも取材して紹介したいとおっしゃる。
お断りした。表舞台は私の最も不得手のことである。
そのかた、Leakの記事を書いたとき、わたしのYahoo ID gakuyujpも載せてくださった。
ご記憶の方もおいでと思いますが、Leakのトランジスタアンプはちょっとしたブームになったのです。
当時、Leakはほとんど忘れられた存在で、Leak? なにそれ?という反応が多かった。
現在は、Leakを知らないオーディオマニアはほとんどいませんから、隔世の感があります。
私のオーディオの歴史を書くつもりでしたが、入り口あたりでちょっと疲れてしまいました。
真空管オーディオフェアの荷物づくりをしなければなりません。
明日にでもまた書きます。
続く。
GTKaudio