2018年12月
2018年12月30日
Goodmans Axiom 22 MK2
追加の追加です。
Goodmans Axiom 22 MK2を送ってしまいましたので、もっと古いスピーカで鳴らしました。
Goodmansはまともな会社ですから、枯れた音を目指してスピーカを作っていたわけではありません。
鳴らしているアンプの出力管は、オーディオの球としては最下位に属する6BQ5です。
レコードは国産盤。スピーカには修理の跡がある。スピーカの箱は小さい。
日本のオーディオマニアなら顔をしかめる。
日本のオーディオマニアの常識は間違っていることが多い。
ああ、こういうのもありました。
アンプはオリジナルが良い。
ばかばかしい。
古い機器は、手をかけなければ、良い音では鳴りません。
私の音を聴いて、Leakのアンプを買われた方ならわかるはずです。
私のような音は出なかったでしょう。
追加です。
私が機器を紹介し、YouTubeで鳴らすと、今まで安く買えていたものが、どんどん高い価格になってしまう。
その機器を買えば、私が鳴らしている音で鳴ると思うらしい。
どうせGoodmans 22 MK2も値が上がるのだろう。
同じ機器を買ったって、私が出しているような音にはなりませんよ。
私のシステムはすべて、個々の機器について、私好みの音になるように、手が入れられているのです。
私のシステムでGoodmansスピーカーの音を聴いたお宅訪問の雑誌評論家が、他の家で鳴っているGoodmansの音と全然違うと言ったそうです。
その時の言葉です。
「グッドマンはもっと枯れた音で鳴らす人が多い、こんなにバリバリ鳴るのは初めて聴いた」
Goodmans Axiom 22 MK2を買っても、私が出しているような音では鳴りませんよ。
枯れた音が好きな人は別ですけど。
料理人は味見をするでしょう。舌が命ですよね。
私の店も音の味見をするのです。耳が命です。
耳と言っても、耳の機能の話ではないのですよ。
小さな音やモスキート音が聴き分けられるから、オーディオに向いているというのは間違いです。
絶対音階を持っているからといって、音楽家になれるわけではないのと同じです。
芸能芸術的な感覚で、音を聴き分けられるかという問題です。
耳の機能ではありません。
耳の機能が落ちていても、芸能芸術的な耳を持っている人はいるのです。
味わいですから。
電気知識を誇って、音の味見の出来ないオーディオ従事者が多すぎます。
というより、自分の耳に自信のない買い手が、電気理論でもって論理的に語る言葉にすがりつくのですから、どうしようもありません。
あるいは、名器なら良い音が出ているはずだと安心しているのでしょう。名器にすがっているのです。
Goodmansスピーカの独り言です。
「俺、こんな音出したくないんだよ」
Goodmansスピーカに失礼ってもんです。
追加終わり。
家具職人さんに頼んでいたサンドフィルド後面解放箱が出来上がってきた。
お客様にお送りする前のテストをした。
今年の真空管オーディオフェアで主に鳴らしたGoodmans Axiom 22 MK2の12インチペア。
GTKaudio常用の12インチWarfedale CS/ALに比べると、音は少し低音寄りになっている。
3枚のレコードを鳴らした。すべて再発盤である。
左のスピーカに傷があるが、これはイギリスから輸送の際着いた傷である。
残念にも思ったが、スピーカの破れなどは、直せば音に影響がないことはわかっていたので、修理した。
スピーカは意外とこのようなことには鈍感である。
私の耳が鈍感なのかもしれませんが。
2018年12月26日
温泉旅行 3日目
旅行最後の日である。
さすがに眠れた。
朝ぶろに入り、食事をとり、帰り支度。
帰る前に、おかみさんと立ち話。
原発事故以来客は減ったけれど、夏などは、常磐ハワイアンセンタに来た泊り客で満室になるそうで、経営は成り立っているらしい。
それよりも、客がいいお湯だと言ってくれたり、食事がおいしかったと喜んでくれることが、うれしいとおっしゃっていた。
そうか、それで、食事があんなに豪華だったのだ。
まあ、金もうけだけでなく、仕事の喜びってのはそんなところだよな。
車で、以前3人で泊まった宿に向かう。
今回もこの宿に泊まるつもりだったが、旅館はやめてしまったのか、ネットで探しても、見つからなかったと萩原。
心配である。
簡単に行けると思っていたが、迷ってしまった。
いつものように、私は全く記憶にない。
2人とナビが頼りだが、どうもうまく行かない。
ナビも機密の施設でもあるのか、場所によって道を示さなくなる。
結局2人の記憶で、どうにか行き着いた。
お世話になった老夫婦と対面する。
あの時も、原発事故以降、客が減って大変だとおっしゃっていたけれど、結局旅館はやめてしまったとのことであった。
原発事故は、長期間にわたって影響を残すから、通常の災害とは異なる。
今回の原発事故は、人々の生活をめちゃめちゃにした。
「くさのね食堂」で昼食を食べる。
この前、安くておいしいカニに感動し、また食いたいと思っていたが、季節ではないとのことで、残念。
有名な店らしく、お客でいっぱいだった。
土産に『薄皮まんじゅう』を買おうと意見が一致。
さて向かう。
またわからなくなる。
通りがかった消防署の前で、署員が2人機材を整備していた。
道を、教えてもらった。
「橋を渡ってすぐを右に曲がっていけばわかりますよ」とのことであった。
「薄皮まんじゅうおいしいですよね」「ママドールもおいしいですよ、ぜひ食べてください」と教えてもらう。
教えられたとおりに走らせていたが、2人がどうも違うと言い出した。
私は全く分からないので、途中で左に曲がる。
これがいけなかった。あとでわかったが、そのまま行っていれば着いたのである。
苦しんだがどうにか着いた。
土産を買って、店員さんに、ママドールの話をすると、うちの店ではなく、隣の店で売っているとのことであった。
このような時の対応は、すべて水野がやる。話が旨いし、そつがない。
若いころ、トップセールスマンであったのがよくわかる。
才能だね。
私?全然ダメ。
萩原もあまり得意ではない。まあ、彼はいい職人である。
ママドールも買って、高速で帰途に就く。
晴れて明るい。ドブネズミには、つらい運転である。
しばらく走った時である。
「おい、そっちに行くんじゃないよ」と萩原の声。
左に入る方向に寄って行ったらしい。
元に戻して、「居眠りしてた、次のとこで代わってくれ」と私。
次のサービスエリアで、萩原に交替してもらった。
明るいし、突然襲ってきた睡魔に勝てなかった。
後部座席で少し眠ったらしい。
萩原が1時間ほど運転してくれた。
夕暮れになっていた。
ドブネズミが生き生きする時間である。
あとは私が運転する。
水野も運転はうまいが、半病人だから、今回運転は頼まなかった。
帰り道だったと思うが、萩原が、「わかった、下村、ナビを全然見てないよ」と言った。
私は驚いた。
当然じゃねーか。ナビなんか見てない。今頃気が付いたのかよ。
おれ運転する人、お前たち方向を指示する人。
うまく行ってんじゃないの?
2018年12月19日
温泉旅行 2日目
2日目、一睡もしていないと思っていた。
朝、水野が、「お前すぐに寝たな、話しかけても返事がなかった」という。
ん、、、なんだ?
先に眠ったのは、水野じゃないのか。
昨晩、布団を敷いたあと、萩原はすぐに眠った。
水野と私は話をしていた。
二人とも不眠症である。
私の不眠症は、小学生からだ。
家族が寝静まったあと、暗闇に一人、30分ごとに鳴る柱時計のボンを聞きながら、眠れない夜をすごすのは、つらいことだった。
7,8時間は寝なければ、次の一日、ボーとして、何も手につかない。
だから、早く寝なくてはとあせるのである。
特に高校時代がひどく、昼間から、今日は寝られるだろうかと心配になるほどであった。
水野は違う。もっとアグレッシブな理由からだ。
若いころ、活動している昼の生活が大好きで、寝ている時間は無駄だと思っていたそうである。
寝ることは嫌いだったと言う。
眠たくなければ、なるたけ起きていて、何かをしていた。
3,4時間も寝れば、次の日の活動には支障がない、そういう体だったのだろう。
人によって違うものだ。
そうだ、私が先に眠ったという水野の話だ。
私に眠った自覚はない。
水野が話していないから、先に眠ったのだと思っていた。
彼が話しかけたとき、私は気絶状態であったのかもしれない。
眠りを意識できなかった。
そういえば、こんなことがあった。
明け方まで眠れずにいた。まだ暗かった。
朝7時ごろ、気がつくとほかの2人は目覚めていた。
暗いから明るいに急に変わったにもかかわらず、私には、眠ったという自覚がないのである。
ずっと起きていたように思っていた。
しかし、おかしい。
暗いのが一瞬にして明るくなるはずがない。
論理的に考えると、眠っていた(気絶していた)と考えるしかない。
こういうこともあるのか。初めての経験である。
いや、今までもあったのかもしれない。
3人で朝ぶろ。
朝食後、車で出かける。
ただ、寝不足で、気分が悪い。
最初は運転をしていたが、明るい中での運転はどうもいやである。
コンビニに寄った際、萩原に運転をかわってもらった。
私は後部座席だ。横になる。
富岡の駅に行った。


綺麗にはなっていたが、閑散としている。人がいない。
一日当たりの乗車客が、2010年の474人から、2017年の86人に減少しているのだから当然だ。
原発事故は地域を破壊する。
帰り道、寝不足のせいで、気持ちが悪くなっていた。
このような時は、口に指を突っ込み、のどちんこの辺りをかき混ぜて、吐く。
立ち寄った店のトイレで実行した。
うん、回復。いつものことだ。
回復したし、薄暗くなってドブネズミの時間になった。
私が運転する。
宿に帰ると、新しい泊り客があった。
若夫婦と子供二人である。
旅館内が、急に華やぐ。
風呂に入り、食事をする。
食事、きのうと同様豪華だった。
きのうが特別かと思ったが、これが普通らしい。
福島、食べ物がうまい。
つづく
2018年12月17日
温泉旅行
11月初め、温泉旅行に旅立った。
旅といっても、2泊3日の小旅行である。
3人旅である。高校時代の同級生。
その一人の萩原がすべての計画を立ててくれた。
真空管オーディオフェアのチラシは彼が全部作ってくれている。
もう一人の水野も、損保会館から締め出され、ホテルマイステイズ御茶ノ水で単独開催することになった私を気遣い、萩原と二人ビラまきをしてくれた友人である。
前回ブログに書いた水野の睡眠薬依存症の治療の一助になるならと今回の温泉旅行を計画した。
まあ、それは建前というもので、ちょっと骨抜きをしようってことである。
ホテルは嫌いである。
密閉感がねえ、どうにも好きになれねえ。
旅館がいい。屋根が付いていれば十分である。
萩原が捜してくれた。
福島の旅館で、一泊2食付一万円以下ってのを見つけてくれた。
萩原が予約した。
さて出発である。
萩原の会社に集まり、金曜午後3時に出発。
車は萩原の会社の車クラウン。
運転は私、下村の役目。
後部座席に水野、助手席に萩原、私に意志はない、二人の指図に従い運転に集中する。
三人の中で、方向感覚の当てにならないのは、断トツで私だ。
二人は、大変良い。任せるのが当たり前である。
ドブネズミ的性格の私は、明るい昼間の運転が苦手である。
夕方や夜の運転が好きだ。
曇っているし、午後3時からの運転、いいねえ。
一度の休憩をはさんで、常磐道をまっしぐら。
半病人の水野も、後ろの席で大丈夫そうである。
6時の到着予定がちょっと遅れる。
萩原が、旅館に電話して、遅れる旨伝える。
高速を降りて、どのくらい走ったろうか。
私はみぎ、ひだりの指図通りに走っているだけだから、とんと記憶にない。
旅館の近くに来ている。
細い道だ。ナビで旅館の位置はわかるが、道はナビに載っていない。
どうやら、通り過ぎたようだ。
萩原が旅館に電話する。
旅館の人が、懐中電灯を振ってくれているようだ。
私には見えなかった。
二人が相談しながら、みぎひだりと指図する。
ひどく狭い道を通って、旅館の前に出た。
なかなか大きな旅館だった。石屋旅館。
屋根もついている。



遅れたことを謝し、おかみさんに案内され、2階の部屋に入る。
12畳ほどの角部屋である。さらに、窓と障子で仕切られた板の間に、イスとテーブルが置いてある。タバコ部屋にちょうどいい。
あとでわかったが、この日の客は私たちだけであった。
食事である。
1階の広間での食事
何だこりゃ、やけに豪華じゃん。
いいのかね、こんな安い料金で。
旨かった。
続いて風呂、鉱泉だそうである。
薬効成分のある湧水を沸かした温泉とのことだ。
サラサラのお湯なのに、風呂に入り、肌に触れると、表面に油を垂らしたかのようにつるつるする。
風呂からでるとつるつるは消える。
なかなか気持ちいい。
主役の水野も気分よさそうである。
12時ごろ床に就く。
朝7時ごろ寝て、午後2時ごろ起きる生活をしている私にとって、これが最大の試練である。
もちろん、睡眠導入剤[睡眠薬]を飲んだが、効いたようには思えなかった。
つづく
2018年12月09日
睡眠導入剤、眠剤、催眠薬、すべて睡眠薬
友人と電話で話していた。
その友人は、胃がんの手術をして以来、体の調子が悪くなっている。
胃がんの手術後、リンパに転移が見つかり、抗がん剤治療を始めたものの、すぐにやめてしまった。
もう5年も前のことである。
余命1年もないと言われた友人は今も生きている。
癌の再発はない。
リンパへの転移は何だったのだろうか。
いまだわからない。
ただし、この2,3年体調が悪い。
起きているときも、体が固まってしまったようで、動くのもつらいという。
様々な医療機関で検査したが、原因を特定することができなかった。
やらなくてはならない仕事や用事以外は、外出せず、ベットで寝ている。
さて、電話で話しているときである、何気なく友人が言った。
「仕事で動くときには、眠剤を飲まなきゃならないんだ。飲んだら、2,3時間どうにかなる」
「なんだそりゃ、逆じゃないか」
「それが原因だよ、睡眠薬中毒になっているんだ。眠剤は飲まないほうがいい」
以前もう一人の友人が、あいつの症状は、睡眠導入剤のせいじゃないかと言っていたのを思い出した。
その時は聞き流していたけれど、当たっていたのだ。
私の推測である。
彼の体は、日常緊張状態になっている。その緊張状態のために、体が凝り固まっているのだ。
眠剤が、緊張をほぐすための弛緩剤の働きをしている。
睡眠導入剤を飲むことで、緊張がほぐれ、平衡を保つことになり、体を動かすことができるのである。
睡眠薬と言ったら、私たちは飲むのをためらう。
睡眠導入剤なら、ソフトな感じがする。しかし睡眠薬に変わりはない。
眠剤、睡眠導入剤、催眠薬、すべて睡眠薬である。
ソフトな感じを出すために、新しい言葉を導入したのだろうか。
私も睡眠導入剤を毎日飲んでいたが、今はなるべく飲まないようにしている。
電話で友人が話すには、風呂に入っているときが極楽だという。
真空管オーディオフェアのひと月ほど前の電話である。
「そうか、真空管オーディオフェアが終わったら、3人で温泉に行こう」と誘ってみた。
行くという。
私は旅行の計画など立てられる人間ではない。
もう一人の友人に頼んだ。
すべてそつなく処理できる友人である。
11月、温泉旅行に行くことになった。