2016年12月
2016年12月17日
古いGarrard

Garrard RC75A
1950年代の古いガラードのオートマチックターンテーブルである。
だいぶ前にお客様に頼まれていた。
Decca XMSを使えるターンテーブルはほとんどない。
だからカートリッジ自体は割安である。
このターンテーブルは、アダプターを付けて、Decca XMSカートリッジがそのまま使える。
アダプター欲しさに、このターンテーブルを数台購入していた。
それを直したら、お客様にお譲りすると約束していたのである。
来たものをテストすると、すべてが駄目であった。
オートがきかないのである。
残念ながら、手動に切り替えることはできない。
延び延びになっていたほかの仕事を片づけてと考えていたら、数か月経過してしまった。
ようやく時間ができた。
ただ、オートのターンテーブルは、そのほとんどがうまく動作しない。
手をかけても、直ったためしがなかった。
当然このターンテーブルも直る見込みは立たなかった。
だから手を付ける気にならなかったともいえる。
ところが、うまくいったのである。
プーリーとアイドラーの接触する位置が大事であることが分かった。
修理していて感じたことがある。
オートのプレイヤーも、古いものほどしっかりと作られている。
おそらく、古いものは高価であったのだ。
これより新しいType Aと比べると、部品点数も多く、がっちり作ってある。
まあ、Type Aは、オーディオが大衆化した時代だから、価格競争が始まっていたのだろう。
安く作らなければ、競争に勝てなかったのである。
まずは、RC75Aで、Decca XMSを鳴らした音を聴いてください。
最後まで見れば、ギアで連動したさまざまな動作を確認できます。
RC75Aがうまくいったので、もっと古いオートプレイヤーを確認してみた。
ちょっと面白いものが見つかった。
ターンオーバー型のカートリッジである。
ターンオーバー型は通常クリスタルカートリッジである。
これもそうだろうと思っていた。
それにしては、大きい。
導通を確かめた。クリスタルカートリッジは導通がないはずである。
DCRが9KΩと出てきた。何?コイルなのか。
XMSと同じじゃないか。XMSよりも、さらにハイインピーダンス。
俄然興味がわく。
このプレイヤー直して聴いてみたい。
うん?
そうか。
同じようなアームだから、RC75Aで聴けるんじゃないか?
やってみた。
おお、音が出た。
何だ、この迫力は。
XMS以上である。
さあ、聴いてみてください。
GTKオーディオは、言葉巧みではありません。
音を聴いてもらって、判断はお客様に任せます。
この映像を撮っているとき、部屋に置いてあるガラクタが共振してビリつきました。
YouTubeの再生では無理です。
レコードは国産です。
長いので、途中から。
英国オーディオ、奥が深い。
2016年12月06日
PX4プッシュプルアンプ
追加です。
楽しみにしていたレコードが届いた。
以前驚いたStarker Kodalyのレコードと同じ英国Nixa製である。
送料込みで5千円以下のレコードしか買わない私が、9千円も出して買ったものである。盤はよい。
聴いてみると、盤面によって音が違って聴こえる。
オリジナルでないことはわかっている。
音を採った人も場所も違うのだろう。
スリーブに録音の情報は書いていない。
低音の強い音の入った盤面の音に、もやつきがある。残念である。
響きの強い部屋で録音されたのかもしれない。
あのStarker Kodalyのレコードは、録音した場所人ともに最高だったのだろう。
追加終わり。

以前、自分用に作ったPX4シングルアンプを、懇意のお客様がご覧になり、PX4のプッシュプルアンプをぜひ作ってほしいとのご依頼があった。
お客様、PX4を何本もお持ちなのである。
PX4のプッシュプルアンプをお持ちだったこともあるそうだ。
それが大した音がしなかったそうで、GTKオーディオならとのお話であった。
私はあまり乗り気ではなかった。
シングルであれだけの音が出たからと言って、プッシュプルにしたらもっと良い音が出るという保証はない。
作ってはみたけれど、つまらない音になってしまうことだってある。
そういう経験は何度もしてきた。
結果はどうなってもよいとおっしゃる。
しかし、私が納得できない音のアンプを売りたくはない。
Leakのアンプなら、結果として出てくる音はわかっている。
聴いてもらってこれと同じ音になりますといって、購入してもらったり、オーバーホールのご依頼をいただいている。
それでも一度だけ、購入された私のLeakの音に満足されていないご様子のお客様がいた。
返品していただき、全額返金した。
私の音に納得できない人はしょうがないのです。
そのひととは、2度とお付き合いしなければいいのです。
さてお客様、強硬である。
お客さんのがっかりした顔は見たくない。
仕方がないので次のように折り合いを付けた。
ダメだったら、シングルアンプのほうを購入していただく。
これで納得していただいた。
シングルの時と同様に、回路を熟知しておられる方にそれなりの音が出るように製作していただいた。
後は、私好みの音が出るように部品を取り換えて行く。
主要部品を交換した。
シングルアンプの時ほどの感激がない。
もう少しじっくり取り組まなければと考えているうちに、ほかの仕事で時間を取られ、数か月ほったらかしの状態になってしまった。
時間ができたので、電源のオイルコン化をした。
今一つである。
一昨日、直し始めた。
はじめた矢先に、製作者から電話があり、来店されるとのことであった。
一か所、新しめの部品を発見し、古いものに換えてみた。
NFBは弱めにした。
相談しながら製作者の前で行った。
これならいいだろうという音になった。
次の日、低音にしまりがほしいと感じ、NFBの量を元に戻した。
部品はかなり換えたけれど、結局製作者の回路のままである。
まあ、この音なら私が聴いて楽しめる。
さて、どんな音か興味あるでしょう。
言葉で書いたって伝わりません。
YouTubeに載せました。
まずは前にも載せたことのあるEve BoswellのBesame Mucho。
ねっとりとした感じが出てくれればいい。
アンプが1台ですから、右のスピーカーだけにつなぎました。
StarkerとKodalyの組み合わせのレコードに驚いて以来、海外から数枚のレコードを買った。
高価なレコードは買えないから、送料も含め5千円以下の安物である。
送料のほうが高いから、ほとんどが2千円以下である。
馬鹿高いレコードは、オーディオとは関係のないコレクターとの競合になるから買わない。
今回聴くのは、Starker Bachの組み合わせである。
無伴奏なので、楽しみであった。
残念ながら、モノラルではあるが、比較的新しいレコードだった。
レコードの外周に溝が付いている。古いレコードは、溝はなく、フラットである。
最初にLeakで聴いたとき、リアル感がないように感じた。ちょっともやっとしている。
PX4アンプで聴いたら、それなりに楽しめるおとになった。
これを載せてみる。
お客様は、モノラルアンプで、2台のスピーカーを同時に鳴らしたいとのことでした。
2台を並列に接続し、7.5オームの出力インピーダンスで聴いてみました。
ステレオに慣れている人はこのほうが良いのかも。
