2016年11月
2016年11月30日
Leak Stereo60

お客様からLeak Stereo60とPoint Oneプリアンプのオーバーホールを依頼していただいた。
米国仕様のプリアンプは、だいぶ前にオーバーホールして、先に送ってある。
Stereo60は電源用オイルコンを載せるための台座を作らなければならなかったので、だいぶ遅くなった。
ようやく出来上がったので、載せておきます。

送られてきた真空管を見ると、オリジナルとは異なっていた。
Mullard GZ34はRCA 5R4に、Mullard ECC83はシルバニア1本とどこのメーカーかわからない球2本に代わっている。
この2本、本当にECC83なのか分からなかったけれど、この構成の球でもテストしたところ、ちゃんと鳴ったので、間違いではないらしい。
この頃のオークションでは、オリジナルの真空管が変えられているのが目につく。
ただ、驚いたことに、EL34が素晴らしい。Mullard XF2のペアーと、Philipsのメタルベースのペアが入っていた。
Mullardはもともと付いていたものと同じであるが、Philipsのメタルベースは私も初めてである。
音はMullardと遜色ない。
さて鳴らしてみましたが、Mullard GZ34とMullard ECC83 2本、トップにTelefunken ECC83の構成の音が私の好みです。
手持ちの真空管を使って私好みの音にしてYouTubeにアップしました。
この頃どっぷりとつかっているDecca XMSでモノラルを鳴らしています。
1950~1960年代はオーディオのゴールデンエイジと呼ばれていますが、まさにその通りだと思います。
時代を経るにしたがって、手軽になり、誰でもがそこそこの音で聴くことはできるようになりましたが、この時代の熱気には到底及ばないと思います。
測定器で測って、良い波形が出ているから、良いアンプだなどというのはオーディオではありません。
音は芸能芸術の世界です。
人間を感じなければ、芸能芸術は成り立ちません。
たとえば、本を読む。筋だけを追っているのではありません。
著者を常に感じながら、読み進めていくのです。
そこに喜びがあります。
オーディオも同じです。
歌い手、演奏家、さらには作詞家、作曲家の心を感じて、陶然とするのです。
そんな微妙なことを、電気知識だけで解析できるはずがありません。
結果として出てくる音にすべてが隠されているのです。
それを感じられなければ、綺麗な製品、人がうらやむような珍しい製品を求めて、悦に入るしかありません。
そういうのは、オーディオとは関係ないと私は思うのですが。
人それぞれです。コレクションも趣味のうちです。他人が容喙することではありません。
まあ、聴いてください。
