2016年06月
2016年06月27日
Decca XMS SP LP
Decca XMSげんこつカートリッジに凝っている。
私は今までモノラル派では決してなかった。
主に聴くのはステレオ盤であった。
Deecca XMSが手に入ってから、モノラル盤ばかりを聴いている。
常に連絡を取り合っている懇意のお客様お二人も同様である。
お二人ともLeak、砂入り台座等、私の工夫したシステムをお使いである。
Decca XMSを私が聴いたとき、その素晴らしさをまずお二人にお伝えした。
お一人には、放送局用Decca XMSげんこつカートリッジ専用アーム2本が手に入った時、良いほう1本をお譲りした。LPとSPのげんこつカートリッジもお付けした。
これでお一人は解決したと思った。お客様、Decca XMSにのめり込んでおられる。
あとのお一人を解決するために、そのお客様にげんこつの購入をお勧めして、前回ブログのシェルの改造ということになったのである。
同様のことが起こった。そのお客様も、シェル改造げんこつで、モノラルばかりを聴くようになられたとのことである。
私も含め、もともとはステレオ派の3人が3人ともXMSの魅力に取りつかれてしまったのである。
私は、以前からDecca MK1モノラルの音は良いと思っていた。それでもモノラルの音ばかりを聴くというほどではなかった。
ところがXMSは違う。聴こうと思うと、XMSを選んでしまうのである。
シェルの改造をした時、私が使っていたLPの針を、針交換しなければならないお客様のげんこつに着けてしまったので、一時期私はXMSでLPを聴くことができなくなっていた。
仕方がないので、SPの針を着けて、SP盤を聴いていた。
イコライザを換えて、同じ曲を聴いています。
LPを聴きたいので、英国の取引先に留め置きしていたLP交換針やげんこつカートリッジを急きょ送ってもらった。
評価されていないから、安かったのである。
その間に、げんこつ専用アームを購入されたお客様から連絡が入った。
改造シェルのげんこつカートリッジのことである。
放送局アームは安定感抜群でよい。しかし、改造シェルの危険とも思える危なっかしさにも魅力がある。お客様のげんこつも改造してほしいとの内容であった。YouTubeで聴かれての話である。
仰ることはよくわかる。改造シェルのげんこつは、はかなさを感じさせる魅力がある。
ユーチューブで聴いたってわかる人にはわかるんだ。わからない人間には、実際に聴いたってわからない。そんなもんである。
お二人とも私にとってかけがえのないお客様だし、私が工夫したものを評価してくださったのだ。喜んでお受けした。
まだお客様のげんこつは届いていない。
英国からの便が先に着いた。私も、LPが聴けるようになったのである。
私の持っているシェルを改造して、自分用のシェル改造げんこつを作ってみたくなった。
放送局アームで聴いて、一番調子の悪いげんこつを改造した。
私が使うのですから、カンチレバーが穴の壁について、音がひずむごとに針の位置を直して聴けばよい。
一度作った経験があるから、コツを覚えている。シェル改造げんこつは案外簡単にできた。
YouTubeに載せている。古くて安物のプレーヤです。モーターごろが出ていますが、そんなことを気にしていたら、良い音など聴けませんよ。
オリジナル盤のはずです。
歌の題名のaffairは、ほとんどの場合、love affairのことです。
次は国産の再販ものです。XMSで聴けばこんなふうに鳴ります。
げんこつにしてから、盤は国産で十分とお客様が仰る。
このモノラルLPも、放送局アームをお持ちのお客様が、わざわざ購入して私に贈ってくださったものである。
3千円ぐらいですかとお聞きしたら、そんなにしませんよとのお話でした。
まあ、オーディオを芸能芸術の分野ととらえ、結果としての音にこだわらない限り、このような音は出せません。
オーディオを技術のレベルでとらえている限り、オーディオは先細りです。
技術のレベルが現代とは比較にならない段階にあった60年ほど前の先人達は、その制約の中で、結果としての音にこだわり、どうにかして他人(ひと)の心を揺さぶれる音を出そうと努力していたのです。
先進の技術を使ったから、こうこうこういう回路だから、良い音のはずだ、ではだめなのです。
結果として出てくる音がどうかを判断する文系の能力、芸能芸術の能力が必要です。
技術におんぶにだっこでは、つまらない音しか出てきません。
私がいつも書いているように、結果としての音がすべてなのです。
オーディオは、芸能芸術の世界です。
音を出す人の人間性がかかわる問題なのです。
2016年06月11日
TPA12用シェルを改造、XMSカートリッジを聴く

Decca XMSカートリッジは、モノラル再生に最高であると私は思っています。
ただし、通常のアームでは再生は不可能である。
Garrard TPA12ならピンは嵌まる。
しかし、最適なオーバーハングはとれない。
短すぎる。
懇意のお客様から、TPA12に着くシェルを改造して、げんこつカートリッジを鳴らしてほしいとのリクエストをいただいた。
確かに、一つシェルをつぶすつもりになれば、TPA12で鳴らすことは簡単である。
そう簡単、私は軽忽であるから、すぐ簡単だと思ってしまう。
あとから重くのしかかることになる。
そのお客様、私にとって大切な方である。
私が店を始めて間もないころ、Leakのアンプのオーバーホールを頼んでくださった。
当時は、ブログは書いていたけれど、YouTubeで音出しはしていなかった。
私の文章だけで信用してくださったのである。
以来お持ちの多くのLeakアンプのオーバーホールを任せてくださった。
だからそのお客様は大切な方なのである。
文章から、人となりを判断する、本を読む人にとっては当然のことである。
文がうまい下手ではないのである。
私など、もともと理系である、うまい文章が書けるはずがない。
うまい下手とは全く関係のないことである。
YouTubeで音を聴いたって、わからない人にはわからない。
それなのに、文章からだけで判断のつく人もいるのである。
これが文学の本質である。
論理ではない。感覚の問題である。
そのうちアダプターを作るつもりだから、安いうちに買っておいたらとお勧めした。お客様、Ebayで購入された。手に入ったらすぐに聴きたいというのが人の常である。
アダプターはいつになるかわからない。
お客様を裏切りたくはない。
だから改造ということになった。

シェルの改造である。
切って削って、XMSげんこつカートリッジの形に合わせる。
途中で気が付いた。針交換を可能にしなければならない。
頭部が脱着できるように、さらに削る。
接着剤で固定する。
出来たのが、写真である。
うーん、本当はもう少し角度を付けなければならなかった。
外周あたりで、ちょっとそっぽを向いている。
YouTubeで音出しして、お客様に聴いてもらう。
映像のターンテーブルは安物ですが、砂入り台座にしています。
音は良いのでこれで勘弁してもらえた。
お客様、優しい。
針が駄目だった。
交換した。
まあ、2度とやりたくはない。
作って分かったのですが、シェルは新しいタイプの白いものを使ったほうが良い。
このシェルは全体が湾曲していますが、白いシェルは根元でかくんと曲がっていて、あとは直線である。
その直線が目安になる。直線上にXMSが来ればよい。湾曲していると、その湾曲よりももっと曲げなければならない。
白いシェルなら、針の位置に注意して、カートリッジをまっすぐになるよう着ければよい。
カートリッジの向き、オーバーハングの両方ともがうまくいくはずです。


私はやりませんが、工夫すれば、ユニバーサルタイプのシェルにだって、XMSカートリッジは着けられるはずです。

追記、
私がYouTubeに載せ紹介したものは、Ebayでの価格が上昇してしまいます。
Leakアンプ、ワーフデール、グッドマンスピーカー、私が購入できないほど高価になってしまいました。
Leakだって、買っただけでは私が出している音などでないのですよ。
お願いですから、Decca XMSを金に飽かせて、買いあさることのないようにしてください。
私は、金持ちには到底かなわない貧乏人です。
みんなで楽しみたいとは思いませんか。
Decca XMSだってつまらない装置で聴けば、つまらない音でしか鳴らないでしょう。
ワーフデール、グッドマンも同様です。
だから今まで評価されては来なかったのですから。
お金持ちは、今まで通り、私のようなしがないオーディオ屋風情が推薦するものではなく、有名な評論家の推薦する定評のある高価な米国製品を購入されたら良いのではと思います。
さらに追記です。
Decca XMSカートリッジを購入する場合、コイルに導通があるものを買ってください。。
導通がない場合、簡単には直せません。
針の交換は容易ですが、現在手に入れにくくなっています。
2016年06月08日
中島みゆき、YouTubeのチャンネル削除
それからは変化がない。
3曲目が強制削除されると、GTKaudio1 Shimomuraのチャンネルは、すべて消滅することになっている。
外国の曲については、一部の国でブロックやすべての国でブロックというのはあるけれど、今のところ削除されたことはない。
3回強制削除されると、チャンネルすべてがなくなるのは、日本独特の制度かも知れない。
だいたい、音楽の映像を強制削除すること自体、海外では行われていないのかも。
それにしても中島みゆきの3曲は残念であった。
1日のアクセス数が、どの曲も500を超え、1000以上行くこともあった。
そればかりではなく、「ホームにて」の平均視聴時間の長かったのには驚いた。
国内の平均視聴時間が70パーセント程あり、この値が、世界のほかの国々に比べて低いほうなのである。
アクセス数は少ないものの、平均視聴時間100%の国がずらっと並んでいた。
何を意味するかと考えた。
海外の人たちからのコメントもいただいたので、在留邦人だけが聴いているとは限らないと思う。
中島みゆきの楽曲には、世界に通用する力があるのである。
私などは、歌詞の素晴らしさに目が行きがちである。
違うらしい。
曲だけでも人を魅了する力を持っている。
外国の人たちも、日本人と同様に感動するのだ。
中島みゆきの曲は、まさに芸能芸術の力を持っているのである。
小津安二郎の「東京物語」を、日本的としかとらえられなかった私は、世界が絶賛するのを知り、驚いてしまった。
その時と同様の驚きを中島みゆきの「ホームにて」で感じた。
素晴らしい歌詞から、中島みゆきは、日本人だけにしかわからないと限定してしまっていたようだ。
そうではないと今は分かる。
一般社団法人日本レコード協会は、監視業務のほかに、日本の楽曲を世界に紹介する大事な役割も担っているのだと思う。
彼らには、自分たちだけで中島みゆきを世界に紹介できる自信があるらしい。
まあ、良い音で発信してほしい。
つまらない音の発信では、失礼というものだろう。
お手並みを拝見しよう。
「美空ひばりを世界の歌姫にできなかったことは、日本の音楽業界の恥である」
世界で活躍していたジャズマンが言っていたのを読んだ記憶がある。
まさにその通りである。
同じ過ちを繰り返さないでほしい。
真の芸能芸術には、世界を魅了する力があるのだから。