2016年05月
2016年05月30日
比叡おろし
追記、
中島みゆきのファイトが、一般社団法人日本レコード協会からの著作権侵害の申し立てで、削除されました。
オーディオがなかなかのものだと一般の人々に知ってもらおうと思ったのですが無理のようです。
中島みゆきの残り2曲はこちらで削除しました。
レコードの良さを知らしめたいと思っていますが、レコード協会が駄目というのですね。
2016年6月1日
さらに追記です。
チェリッシュの「比叡おろし」も一般社団法人日本レコード協会からの著作権侵害の申し立てで、削除されました。
なるほど、日本物はすべて駄目だとの警告であると思います。
日本のものはすべて削除しました。
忘れられた古い曲にもいいものはたくさんあるのですが、それも許さんという態度のようです。
これでもさらにやってくるかもしれませんが、まあいいでしょう。
様子を見ます。
2016年6月2日
YouTubeの私のサイトにチェリッシュの「比叡おろし」を載せている。
オーディオマニアを対象とする曲としてはそぐわないかもしれない。
まあ、個人的な理由がある。
私、20代の後半、ソフトウェアの会社で3年ほどプログラマーとして働いていた。
この仕事を一生続けるつもりはなかった。
私に合う仕事ではなかったのである。
論理的に考えるのは、何で大の大人がこんな易しいことをやっているのかと思えるほど、まったく問題はなかった。
私はもともと理系なのです。
ただ、コンピュータの仕事にたずさわった人は分かると思いますが、目まぐるしく仕様が変わっていくのです。
そうではなく、私だけがそのように感じていたのかもしれません。
私にはついていけなかった。
新たなことに柔軟に対処する能力において、私は欠陥があったのだと思います。
さらに、会社という組織は、上を目指す人々がいなければ成り立ちません。
私は最初から、降りていました。
ただ、地位の上がって行く同僚たちを横目に見ながら、自分はペーペーのままで年をとって行く、それに耐えられるかと考えると、無理だろうと感じていました。
まかり間違って、自分の地位が上がったとしても、それに喜びを感じるなどとは想像できません。
たぶん、コンピュータの仕事自体に私自身として、あまり意味を見いだせなかったのです。
さて、「比叡おろし」です。
そんなデラシネ的状況でも、人との付き合いは下手なほうでもなく、日々楽しくやっていました。
私たちは、つらくてもつらい顔をしない世代です。男は他人(ひと)に涙を見せるなと教えられてきたのです。
仲の良い仲間と数人で、伊豆の海に行きました。
民宿です。
泳いだ後の暇な時間がありました。
民宿の娯楽室に、一体型ステレオがあり、そこから当時人気のあったチェリッシュの曲が聞こえてきました。
何の気なしに聴いていました。
「比叡おろし」の3番の歌詞に、
風は今夜も吹いている
死んでは駄目よと言いながら
があります。
これが引っ掛かったのです。
女気には無縁の私でしたし、自分の辛い状況を女性にいやしてもらうなどという甘い考えは、恥だと思っていました。
それでも、「死んでは駄目よ」と好きな女に言ってもらいたかったのでしょう。
こっちは好きでも、女のほうが好きになってはくれませんから、仕方ありませんが。
まあ、甘い人間ですね。
会社を辞めようと決意しました。
私が20代の、40年ほど前の話です。
そんな記憶に残っている曲です。
亡き父は、3日で会社勤めを辞めてきて、母を驚かせた。
私は3年で辞めた。
良く言えば、父よりも我慢強く、悪く言えば、優柔不断ということです。
どっちにしても、家系ですね。
2016年05月17日
酔うということ
どうも人は、心を酔わせる必要があるらしい。
その手段は、人によって異なる。
代表的なものは酒である。
運動をすることによって、えもいわれぬ恍惚を感じる人もいる。
他にもある。
芸能、芸術である。
本を読むことの喜びは、知識を得ることだけではない。
作者の魂に触れることからくる陶酔に喜びを感じることでもある。
芸能、芸術の本分は、それを作り上げた人々の心を、感じることからもたらされる陶酔にある。
解釈ではない。解釈は、その本分を感じる能力を育てるための手段である。
芸能、芸術に自らの人生を賭ける人はいくらでもいる。
本物の芸能芸術には、人を陶酔に導く力があるからである。
さて、オーディオである。
様々な人がいる。
名機を集めることに喜びを覚えるコレクターもいる。
珍しい機器をそろえて、どんなもんだと悦に入っている人もいる。
ハイエンドと呼ばれる総額数千万のオーディオセットをそろえて、自分の財力を示したがる人もいる。
それで喜びを感じる人はそれでいいだろう。人それぞれである。
私が対象としているのは、1日の数時間、良い音を聴いて、心を陶酔させる人たちである。
スピーカーの向こうには、歌い手や演奏家が、聴き手だけのために歌い演奏してくれる。
感じるのである。
音は人を酔わせる。
オーディオも、芸能芸術の1分野である。
2016年05月12日
Decca XMS (げんこつ) カートリッジ専用ロングアーム 修理完了
追加です。
懇意のお客様から、SP用のイコライザがあることをご指摘いただきました。
オッといけねえ、大失態。
RIAAでもいいと思ったんですが。
まあ、私こんなもんです。軽忽なんです。
やってみました。
あらら、もっといいじゃん。
当然か。
Varislope StereoはSP用に二つ選べます。780Eと78NEです。

前回のブログの追加で書いたものですが、見過ごされる可能性があるので、写真を追加し、新しいブログにしました。
Decca ロングアームの修理が完了しました。
Thorens TD124用のボードを作り、テストしました。
オーバーハングはおよそ15㎜、まあ適当です。
出来上がったアームにカートリッジを装着し、音を出したら、なかなかいい音がします。
レコードの片面を聴いた後、針圧を測ったら、LP8グラム以上、SP20グラム以上あった。
LP3グラム、SP14グラムのはずですが。まあ、こんなものかもしれない。
これぐらいの針圧をかけたほうが、良かったのかも。
私が使うには、重すぎる。カウンターウェイトに鉛の板を巻き付けて、軽くした。
放送局の意向を考慮して、LP4グラム強の針圧にした。
聴いてみた。十分な音である。
聴いてみてください。今度はLPです。
忘れていましたが、今回とこの前のブログで鳴らしたスピーカーは、すべてTannoy 12”レッドです。
英国製ベルハウエルの箱に入れて、裏蓋は外してあります。
英国製と米国製の箱、同じベルハウエルでも、音が違います。
私の好みは、何といっても英国製です。
前回との比較のために、SPも載せましょう。
針圧は16グラム強かかっているはずです。
2016年05月09日
Decca XMS (げんこつ) カートリッジ専用ロングアーム

珍しいものが手に入った。
DeccaのXMSげんこつカートリッジの専用ロングアームである。
海外の地方放送局で使われていたものだそうである。
内部配線も切られていて、まともな状態ではないが、ゆっくりと修理するつもりである。
できたら、このブログに書きます。
幸いなことに、2個付属していたLPとSPのカートリッジが針は折れているものの、両方とも導通があった。

ただし、以前紹介したXMSとは、直流抵抗が異なっている。
以前のは1KΩ程度だったが、今回のものはLP,SP両方とも100Ωほどである。
針を交換して聴いてみた。
針交換は慣れてきたので、一発で決まるようになった。
10分もかからない。
コツは、カンチレバーが丸い穴の壁に当たらないよう、なるべく穴の中心に装着するだけである。
固定ねじを徐々に締めながら中心に来るように頑張る。
素人が交換する前提で作られているのだ。
そんなに難しいはずがない。
まずはLPから聴いた。
抵抗が以前の1KΩから100Ωになっていただけに、音が小さい。
巻き数が小さくなっているのだろう。
それでも通常のMM型カートリッジに比べて、大きな音である。
放送局だから、要望を出して作ってもらったのかもしれない。
こちらのほうが実用的である。
放送局で使われていたせいか、使いやすいように手がかけられている。
ベロのようなころは取り去られている。針の周りのレジンのシートも取り払われている。
両方とも、私が使っていて邪魔だと思ったものである。
レジンのシートは、針を穴の中心ににする際、見づらい。
聴いた限りでは、なくても音に影響はない。
私も取っ払うことにした。

さて、次はSPである。
剥げている部分を見ればわかるように、SP用は茶色の部品に鉛らしい金属が使われている。
LP用はプラスチックである。
針交換の際、ねじを緩めれば、ここは外れる。
プラスチックと鉛の重さの違いが、針圧の違いになる。
さて、今回はSPの音を聴いてもらおう。
YouTubeにアップした。
古ぼけた盤である。針音と時々起こる破たんに耐え、音を拾い上げるようにして、聴くことに集中してください。
針音なんて聞こえないと、自らに暗示をかければよい。
だめならパスしてください。嫌いなものを聴く必要はない。
まずは以前紹介したLPと比較できる曲。
続いて、70歳前後の人にはおなじみの曲。
最後に、美空ひばり。若い声だなあ。
2016年05月03日
Lee Wiley

お客様からいただいたレコードである。
経緯はこうである。
別のお客様が、私のブログにコメントをくださった。
その中に、このレコードで試聴されたもようが書かれてあった。
10インチのオリジナルらしいレコードであった。
そのコメントは
の9番目のコメントです。
レコードをくださったお客様が、そのコメントを読まれて、自分の好きなレコードだと思われた。
私と電話をしていた時、その話になり、持っているレコードは再発盤の12インチだけれども、より古い時代の音の良いレコードが手に入ったので、今まで聴いていたほうを私に下さるとおっしゃる。
私はこのような知識がほとんどない。たぶんジャズの好きなお客様にとっては常識なのだろう。
様々なお客様から、このような事情でいただいたレコードにハズレはなかった。
喜んでいただいた。
モノラルのレコードである。古い時代らしい。
モノラルはDecca XMSが私の好みである。

さらにこれにPX4を使ったアンプなら、デッカデコラのモノラル版、ビューデッカということになる。
ただし、ビューデッカはPX4のプッシュプル、こちらは半分ヒーターの切れたPX4シングル。

まあいい。雰囲気が出てくれればそれでいいのだ。
頑張ってもらいましょう。
YouTubeに2曲アップしました。聴いてください。
針音が気になる人は、意思の力で無視してください。