2016年01月
2016年01月28日
Leak Stereo50

先ほど、お客様ご依頼のDecca MK1 Stereoカートリッジが、英国で針交換とオーバーホールをされて返ってきた。
以下で鳴らしていたDecca MK1 Monoも去年英国で直したものである。
修理したものが音がよくなって帰ってくる。素晴らしい。
新品の状態になるとのことです。
納得。
追加です。
盤に一か所傷がありますが、気にしなければ大丈夫です。
懇意のお客様から、Stereo50のオーバーホールを依頼された。
Stereo50を直すと、最初に音出ししたとき、ああいい音だなと感じる。
いつもである。今回も感じた。
よくできたアンプである。

トランスさえ生きていれば、あとの部品はほとんど変えてしまうので、どうにかなる。
今回のアンプの状態は、ほとんどがオリジナルの部品で、改造もなく良い状態だった。
GZ34の手前にある煙突のように立っている3本の白い抵抗は、生きていたのでそのままオリジナルを使った。
3本の電解コンデンサは使用していない。
飾りとして残してある。電源部分もオイルコン化している。
ゆっくりと作業したので時間はかかったが、オーバーホールとしては楽であった。
取り出された部品です。3本のMT管のピン27本すべて、新品に交換してあります。

さてテストである。
届いたばかりのプラターズのモノラルLPでの試聴だ。
小学生の時初めて聴いたプラターズなので楽しみであった。
YouTubeです。
Deccaのアームは、内部配線を変更してあります。
ちょっと高音よりかもしれません。
店で聴くとリアルな感じでよいのですが。
聴くときは、音量の調節が大事です。

2016年01月16日
USB DACでYouTubeの音を自分のアンプで聴く

YouTube等の音声デジタル信号を、USBを介してUSB DACに接続し、アナログ変換された信号を、RCAピンコードを使ってプリアンプのチュナーやAUXの端子につなぐことにより、自分のシステムで音を楽しむことができます。
若い人たちは、当然のようにやっていることなのでしょうが、ご存じない方も意外に多いと思いますので、紹介します。
結局やることは、
(1)パソコンとUSB DACを付属のUSBケーブルでつなぐ。
(2)USBDACとプリアンプを、RCAピンケーブルでつなぐ。
この二つだけです。
今回使ったUSB DACは、FOSTEXのPC100USB-HRです。
私が購入したときは、6千円台でした。
ボリュームが付いているのが決め手でした。
Leakのプリアンプは、入力過剰になると音が悪くなります。
CDの場合、プリアンプの背面にある入力ボリュームでかなり絞って最適な位置を探します。
LeakでCDを聴くとき、この作業は大変重要です。通常のCDプレイヤーはLeakのプリアンプにとって、出力が大きすぎるのです。Leakプリアンプ背面にある入力ボリュームを最大にすると、プリアンプ内部で過大入力に堪えられず、音が歪みます。かなり絞らなければなりません。
ただ、プリアンプの背面まで行くのが面倒です。
USB DACのボリュームなら、手元で操作できますので大変便利です。
ボリュームのないものも自宅用に購入しました。
3千円台でした。ミューズとかいうものです。
音は同じように良いものでした。

さて、テストしてみましょう。
まずは、この前のブログで紹介したGarrard TPA12トーンアームとPickering NP/ATカートリッジの組み合わせで、再生した音をYouTubeにアップしました。
その際、プリアンプに手を加え、メインアンプから供給されるB電源を受けるコンデンサ8uFがオリジナルの電解コンデンサでしたので、容量は小さくなりますが、オイルコンデンサに換えました。
迫力では劣るかもしれませんが、一つ一つの音は良くなりました。
この前のブログで載せたYouTubeの音と比較すると違うはずです。
聴いてください。
次に、この映像をパソコンで再生し、USB DACでシステムを鳴らし、さらにそれを録画。
それをYouTubeにアップしました。
聴き比べてください。
ちなみにこのUSB DACはハイレゾにも対応しており、聴いてみましたが、私の耳では、CDとどこが違うのという感じでした。
私の耳は、音が大きな変化をきたさない限り、聴き分ける能力がないのです。
残念ながらハイレゾは私の場合パスです。
あ、そうそう、私FOSTEXの回し者ではありません。
私は、評論家のように、悪い音まで良い良いと言ってはやし立てる必要はないのです。
音をネットで公開していれば、そんなこともできるはずがありません。

2016年01月12日
Pickering + Garrard TPA12 + 砂入り台座

この前のブログからの続きである。
年末、怒涛の二日間で、砂入り台座上のTPA12と安物のPickeringカートリッジが素晴らしい音を出した。
私、TPA12もピカリングも、全く評価していなかった。
ピカリングはどんしゃりの音、TPA12はボケた音、どちらも嫌いであった。
実は、砂入り台座を3台買っていただいた当のお客様が、その最初に注文されたのは、TPA12をガラード301に装着するというものであった。
私からすると、オルトフォンSMG212をお持ちなのに、なんでそんなアームを付けるのかと感じていた。
それで翻意してもらったのである。
さすがオルトフォン、SPUとの音は素晴らしいものであった。
2台目のGarrard401とSME309improved, ShureV15TypeⅢもよい音だと思った。
YouTubeで聴かれた時、ちょっと音が薄いと感じられたお客様も、実際に自宅で聴かれたら、その魅力がお分かりになった。
砂入り台座のすごさは、実際に聴いたものしかわからないのである。
さて今回である。
TPA12をGarrard301に装着することは、私としては乗り気でなかった。
お客様もそれを感じていらしたらしく、古いカートリッジには意外と合うのですよと、半分は強制的に押し切られた。
もちろん、お客様のご要望には、従うけれど、多分、お客様、がっかりするだろうことがつらいと思っていた。
それが、年末怒涛の二日間に続く。
天の指図かの如く、内部ケーブルまで含めてのケーブルの全とっかえである。
まさに化けたのである。
YouTubeで聴かれたお客様は、かなり興奮しておられた。
今まで聴いたことのない音だと言われる。品さえも感じるとのことであった。
当然私も、手持ちのTPA12を使いたくなる。
Thorens TD124との組み合わせなら、小さなボードを交換するだけで、事足りる。
私のボードは、家具職人さんの工夫で、木工食器などにも使われている薬剤を使い、単板を締め固めてある。
砂入り台座にしてから、TD124も301と勝るとも劣らない音がする。
インナーケーブルも含めて、お客さんに使ったと同じもので取り換えた。

カートリッジは、以前当のお客様に頂いたPickering NP/ATが数個ある。
お客様のお話では、安物だそうである。
以前安物のドンシャリ感に堪えられなかったカートリッジである。
聴いてみた。
圧倒された。まさに組み合わせの妙である。
ジュリーロンドンが、そこにいる。
品を感じるというお客様の言葉が、よみがえる。
YouTubeにアップしました。
音を言葉で伝えられるとは、私は思っておりません。
修飾語の多い、含みを感じさせる言葉には、うんざりです。
劣化はあっても、音で勝負する覚悟はできております。
レコードに傷があります。無視してお聴きください。
次のブログで紹介しますが、Fostexのいちばん安い7千円程度のUSB DACを使って、YouTubeの音声を私のシステムで鳴らしております。
私のアンプを2度通った音ですが、まあ聴けます。
ただ、レコードを直接聴いた時、そこにいたジュリーロンドンは、YouTubeで聴くと、いなくなります。
一万円程度のデジカメのマイクは、5㎝弱しか離れていませんので、ステレオ感が犠牲になるのは仕方ありません。
音色はいいと思います。

2016年01月01日
Garrard TPA12アーム

懇意のお客様から、9月に注文いただいた砂入り台座が、12月27日に出来上がってきた。
このお客様、砂入り台座は3台目になる。
正月に間に合うように、28日にアームを装着して、29日に発送するつもりだった。
残念ながら、予定通りには行かなかった。
お客様から送っていただいた、Garrard TPA12アームと接続ケーブルを使って装着した。
テンプレートも送っていただいていたので、加工は楽であった。
さて、テストである。
何だ?左チャンネルから音が出たり出なかったりする。
さあ、大変である。原因を探らなくてはならない。
RCAピンと、Leakの受けとの接触不良はよくあることである。
それではなさそうだ。
いろいろいじくっていると、ケーブルの不良のようである。
Lチャンネルのケーブルをプリアンプに押し付けると、音が出る。
お客様にこの症状がなかったかと、電話で確認すると、ケーブルに触ると音が出たので、そのまま使っていらしたとのことである。
オリジナルではないし、良いケーブルでもないので、換えることにした。
私の常用のケーブルとRCAピンにする。
ここまでやったら、朝の9時ごろになっていた。
徹夜になってしまったのである。
29日にテストをして、送れば、年内に届く。
29日、テストをした。
何だ?今度は右チャンネルが出ない。
ケーブルを取り換える際のはんだ付けの不良か?
調べてみると、トーンアームのインナーケーブルに導通がない。
確かに半田付けの時、かなり線の腐食が進んでいると思った。
困ったことになった。
手持ちのTPA12に置き換えて、使ってもらうか、インナーケーブルを交換するか、迷うところである。
Deccaのスーパーアームのインナーケーブルの交換は何度かやったことがある。
TPA12はない。
どうするか。数時間ボーと過ごしてしまった。
しょうがない、駄目もとだ、トライしようと決めた。
最初に試みたケーブルは太すぎて、2本目が入らなかった。
細いケーブルを探す。
新品はなかった。
以前Deccaのスーパーアームを修理していたインナーケーブルを分解して取り出す。
移植した。
インナーケーブルを交換しようと決めてからは、集中していたせいか、意外とうまくいった。
終わったのは朝5時。
結局2日連続の徹夜になってしまった。
テストである。
素晴らしい。
このアーム、音がぼやっとしていて、私は好きでなかったのである。
インナーケーブルを換えてからの音は、なかなかのものである。
お客様が送ってくださったカートリッジは、安物のピカリングだそうだ。
これなら私も聴いて楽しめる。
さて聴いてもらわないと。
良い、良い、と言って、音は聴かせない雑誌の評論家とは違うのだ。
1万円ほどのデジカメで撮った音です。
それでも違いは分かるはずです。
Garrard301は、お客様のではなく、私のぼろぼろです。

プリアンプは、Leak Varislope2 Stereo。
LeakのStereo30トランジスタアンプに似ていますが、最後の真空管プリアンプです。
音?悪くはありませんよ。
