2015年05月

2015年05月23日

CDプレイヤー



今から30年ほど前、レコードよりも音がよいと言われていたCDを聴いてみたくなり、CDプレーヤーを買った。

CDが発売されて数年は経っていたと思う。

デジタルだから、安物でもよいと思った。

5万円以下のものを買った。

もちろんCDも持っていなかった。1枚買ってきた。



当時聴いていたのは、

プレイヤーは、

オルトフォンSPU、オルトフォンRMG212、Garrard301

アンプは、

マランツ7、マッキントッシュMC75 2台

スピーカーは、

アルテック A7

まあ、いまだに通用する。ヴィンテージの構成だった。

ただし、アンプはオリジナルの部品だったので、特にコンデンサがへたっていた。

今から思えば、そんなに良い音とは言えなかった。




さて、CDの初めての試聴である。

店で聴かせてもらうなど、できないたちである。

CDの音は、これが最初である。

聴いた。



嘘だろう。

まったくよい音に思えない。

買ってきたCDが悪かったんだと思いなおす。

新たに、2,3枚買ってきた。

さあ、どうだ。



同じことだった。


うーん。

そうか、安物のCDプレイヤーに問題があるのだ。

もっと高いものを買おう。


15万円ほど出して、これならというプレーヤーを買ってきた。

重たい。

確かに前よりも良い音である。

これがいい音なんだと思い込もうとした。

高い品物を買ったときには、いつでもそうである。


一週間ほど聴いていたと思う。

あるとき思った。

馬鹿にすんなよ。

どう聴いたって、レコードのほうが良い音じゃないか。

CDの音は、私にとって苦痛だ。このいやな高音、聴いていられない。

もうCDは聴くまい。

ああ、新譜が聴けなくなるな。


トランジスタアンプの時と同じである。

トランジスタアンプのほうが、真空管アンプより、音がよいと思い込もうとした。

それでも1年以上トランジスタアンプは聴いていた。

我慢強いのである。

結局真空管アンプに戻りましたけど。

CDは、一週間程しかもたなかった。



それから、二十数年、CDは全く聴いていなかった。

危惧した通り、新譜は聴けなくなっていた。



ただ、オーディオショップを始めてしまったのである。

8年ほど前である。

CDが聴けないオーディオショップではな、と考えた。

そこで、取引先の英国人に、音の良いCDプレーヤーを持っていたら売ってくれるように頼んだ。

メリディアンとマランツがある。ともに音がいいという。

マランツは日本のメーカだからやめておこう。

中古のメリディアンの207を買った。

マランツのCDプレヤーが、フィリップス製であることさえ知らなかったのである。


さて聴いてみた。

良いじゃん。

聴けるじゃん。

十分楽しめる。


マランツがメリディアンと同じフィリップスのユニットであることを知り、しばらくしてその英国人から買ってみた。

メリディアンに比べたら、ずっと安かった。ベルギー製の中古だった。

昔、デジタルは安くてもあまり変わらないだろうと予測した通り、安物のマランツもいい音であった。

耳の良い人なら違いを指摘できるかもしれないが、私には同じである。

今は、店でも安物のフィリップスCDプレーヤーを使っている。


聴くのはほとんどレコードですが。


結局、音に関する感覚のない者が、どんなに性能の良いものを作ったって、ダメだということです。

Philipsには、良い音に感じる能力のある人がいたということです。




このように書いたなら、当然Philipsの高価ではないCD Playerで鳴らした音を聴かせるべきですね。

雑誌じゃないんだから。

アップしました。








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2015年05月18日

Decca Phase 4 Stereo


私、Decca Phase 4 Stereoは4チャンネルのために開発されたレコードの仕様と思い込んでいました。

遠くから来店された懇意のお客様に、誤解を解いていただきました。


Wikipediaで調べたら、お客様の仰るとおりでした。

 Phase 4 Stereo supposedly created better sound by being recorded on a 10-channel, and later 20-channel, recording console.
The concept of Phase 4 Stereo has nothing to do with four channel stereo. But because there often are sounds out of phase the records give good results when played on Hafler circuits or other simulated four channel systems.

フェーズフォーステレオのコンセプトは、フォーチャンネルステレオと何ら関係がない。と確かに書いてあります。

多チャンネル録音の先駆けだったのですね。

特殊回路を使えば、疑似4チャンネルになったというだけだったようです。

4に引っ張られて、まったく誤解をしていました。



Decca Phase 4 Stereoの音です。

このレコードは、私の誤解を解いてくださったそのお客様からいただいたものです。






gtkaudio at 18:47|PermalinkComments(0)オーディオ