2014年11月
2014年11月27日
2014 真空管オーディオフェア以降
今年の真空管オーディオフェア以降のお客様の反応が、いつもの年と異なる。
店に来て試聴されるお客様が多いのである。
フェアでのお客の入りは、一昨年のほうが多かった。
それでも、終了後間をおかずに店に聴きに来られる方はほとんどなかったように思える。
数か月たって来店されたお客様が、オーディオフェアで聴いたとおっしゃる方もいらしたので、出店することに意味はあるのだなと感じていた。
すぐに反応があるなんて、今年はちょっと異常である。
友人にこのことを話したら、積み重ねだよと言われた。
そうかもしれない。
それもあるかもしれないが、砂入り台座にしたプレーヤーではないかとも思う。
去年や一昨年と違うところは、これだけなのである。
確かに砂入りのレコードプレイヤーは良いものである。
言葉でいうことはできないが、魅力的な音がする。
私がよい音というとき、決して綺麗な音を指してはいない。
そんな音はどこにでもある。
綺麗は表層をなでるものである。心に迫るものではない。
日本の文化はいつの時代でも、その力をなくしたとき、綺麗さに収束し自己満足をして行く傾向がある。
今もそのような時代ではないか。
私のブース以外の音が、どこもかしこも似たような音に聞こえるのはそのせいである。
さて音の魅力を言葉でいくら語っても、意味はない。
オーディオフェアで、私のブースでは、説明などほとんどしていない。
ただ音を出していただけである。
音がすべてを語ってくれる。
どんなに考え方がよくても、音がだめなら意味がないのだ。
なぜそんなに説明する必要があるのか。
オーディオは最後に出てくる音がすべてである。
こんな音ではだめだと捨て切れる能力、それこそがオーディオにおける才能なのだ。
音をお聴かせする。もちろんすべて砂入りのレコードプレーヤーである。
砂入りプレーヤーの作り方は以前ブログに書いた。ご参考に。
ステレオのレコードをご所望の方がいらした。その人のリクエストにおこたえする。
パティーページとシェリーマン。
私が追及している音が綺麗さでないことが分かっていただけると思う。
オルトフォンのモノラル用の昇圧トランスST-M25を購入してみた。珍しく現行品である。
中古ではない現行品を買うのも、仕事ではなく自分用に買うのも、本当に久しぶりである。
私は貧乏性、いやもとい、貧乏だから、高いものは買わない。これぐらいが適当である。
高出力のモノラルカートリッジに使用する低倍率の昇圧トランスである。
まあ、色付けということだけれど、音がよくなるなら、それに越したことはない。
試聴しましょう。最初はトランスなしで、次にトランスをつけて同じ曲を聴いてみます。
判断は皆様に任せます。
ここで鳴らしているVarislope Stereoの上に載っているのがST-M25.
ケーブルが繋がっているのと、繋がっていないのを確認してください。
2014年11月19日
Leak TL/50 Mono 2台
懇意のお客様から、Leak TL/50 2台のオーバーホールを頼まれていた。
実は真空管オーディオフェア以前に頼まれていたけれど、無理を言ってフェアが終わってからにしてもらった。
ようやく出来上がった。
今回はなかなか大変な作業であった。

TL/50は他のLeakアンプに比べてゲインも大きいため、入力ボリュームが装着されている。画像の前面左の8ピンプラグとEF86の間にある小さなつまみがそれである。
プリセットのボリュームに変えられていた。ちゃちである。
直すからには良いものを使いたい。
探しても、1個ならあったが、2個そろえることができなかった。
最終的には、動作しているプリアンプからオリジナルと同じものを移植した。
ボリュームは音にかなり影響する。換えの良品はなかなかない。
辛いところである。

電源部分をオイルコン化するための台座が1個しか作り置きがなかったため、2台新調した。
真空管の放熱からトランスを守る鉄製の遮蔽板が1個無かったので、アルミ板で作り、色を塗った。
上の画像のKT88とGZ34の後ろに見える板が作ったものである。
手持ちの部品をそのまま使おうかと思っていたが、次の修理の時困るので、これも新調した。

TL/50は、高級機だけあってスピーカー端子も2ピンのプラグが使われている。他のLeakアンプにはない仕様である。
電源のプラグは、他のLeakと同様3ピンのプラグである。
修理中は、Stereo20で使っていたプラグでテストしていた。
修理も終わり、さて送られてきていたプラグで最後のテストをしようとしていた時である。
電源用のケーブルが2本送られてきていた。
2本のケーブルには、英国のコンセントにさす大きなプラグがついていた。
このプラグは使わない。昇圧トランスに直付けすることになる。
アンプ側のプラグを見た時である。衝撃が走った。
1本は正常な3ピンのプラグがついていた。
他の1本に、2ピンのプラグがついていたのである。
電源をスピーカーにつなげば、即座にアウトプットトランスの2次側は焼き切れる。
軽忽な私が無意識にやっていれば、大変なことになった。
自分のアンプなら良い。よそ様のアンプの場合、保証をしなければならない。
簡単に手に入るアンプではないのである。
多分Ebayで買われたアンプをテストなしに送って下さったものである。
動作品として購入したアンプが、動作しないこともある。
トランスが切れていたらどうしようもない。私の責任になってしまう。
結論として、他の人が購入したアンプのオーバーホールは、止めようと思う。
直し始めれば、最高の状態にしたいと思う性格である。
貴重な部品でも使ってしまうのである。馬鹿馬鹿しい。
自分が直し、動作を確認したアンプのみを売ることにする。
今回オーバーホールしたTL/50の映像を、YouTubeにアップしました。
モノラルの古いレコードを、ステレオで聴きます。
ターンテーブルは、以前ブログで作り方を紹介した砂入り台座のThorens TD150です。
砂入り台座は、良い音がすると思っていますが、いかがでしょう。
2014年11月02日
読書スピード
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キンドルで吉川英治の新平家物語を読んでいる。
タダでも読めるけれど、面倒なので、全巻を一括して購入した。
200円である。
面白い。
面白いのはいいけれど、自分の本を読むスピードが、どれだけ遅いかを思い知らされる。
読み始めたころ、読了までの予定時間は、100時間に満たない9十何時間と出ていた。
それが標準なのであろう。
ところが、読めばよむほど、読了までの時間が伸びて行く。
今は、150時間を超えている。
自分がいかにのろまであるかを、思い知らされた。
本は好きで、夜寝る前、絶えず何かの本は読んできたのに、この体たらくである。
きっと、脳のスピードがゆっくりとできているに違いない。
まあ、このスピードで生きていくしかありませんな。
それにしても、読了はいつになるのだろう。
というか、読了までの時間がどこまで増えてゆくのだろう。
予定時間が減り始めたら、その時が転換点である。
いつのことやら。