2013年11月
2013年11月13日
CDプレイヤー
先週の月曜日、心筋梗塞になってしまった日、お客様にCDプレイヤーを送ろうとしていました。
CDプレイヤーについて書こうと思います。
私、CDプレーヤーが発売されてまもなく、廉価版のプレイヤーを買いました。
デジタルだから、安くてもそれなりの音がするだろうと思ったからです。
始めてCDなるものを聴いたとき、音の悪さにびっくりしました。
CDが悪いのかと思い、ほかのCDを買ってきて聴いてもちっともよくなりません。
次の行動は、高級機なら良い音がするだろうと、当時としては高価な15万円のプレイヤーを買いました。
駄目なのです。
聴いていて、馬鹿にするなと思いました。こんな音が良いというのかという感じです。
雑誌を見ても、CDの音が悪いとは書いてありません。
自分だけかと思いましたが、覚悟しました。LPしか聴かない。
20年ほどCDは聴いていませんでした。
店を始めるようになって、CDは聴きませんでは、CDを聴かれるお客さんに対応できません。
取引先の英国人に、CDプレイヤーを言い値で買うから、いいやつを売ってくれと頼みました。
メリディアンかマランツが良いと言う。
当時知識が無かったので、マランツは日本製だから駄目だと思ってしまいました。
それで、マランツよりも高かったけれど、メリディアンを売ってもらいました。
聴いて驚きました。充分に聴けるのです。
メリディアンは、PhilipsのスウィングアームCDM1で読み取っています。
これが良いのだろうと思っていました。
CDM1を内蔵しているCDプレイヤーしか興味がありませんでした。
ただ、CDM1内蔵のCDプレイヤーは値段が高い。
お客さまに気楽に買ってもらえるものがほしいと思いました。
英国人が良いと思っていたMarantzを購入する気持ちになりました。
その英国人に頼んで買いました。
少しわかってきていました。マランツはPhilips製でした。さらに、音が良いと定評のあるベルギーで製造されたものでした。
その上、送料を入れても3-4万円で売ることができるほど安い。
音を聴いて驚いた。CDM1でなくても充分良い音がするのである。
CDM1よりも、強化プラスチックでできた廉価版のCDM4の音のほうが、私の好みである。
初めからこの音を聴いていれば、20年間CDを聴かないなどと言うことは無かったのに。
そのことをLPしか聴かないお客様に話したら、聴いてみたいとのことであった。
そのお客様、かつて80万円もするCDプレイヤーを買ったにもかかわらず、満足できずに私と同様20年間仕舞いっぱなしになっているとのことでした。
3-4万円のCDプレイヤーで満足できるかどうか、送ってみることにしました。
それが、あの病気になったとき送ったMarantzでした。やはり廉価版のCDM2です。
結果は?
驚いておられました。
80万円で満足できなかった方が、3-4万円で満足されたのです。
何のことは無い、PhilipsのCDプレイヤーが、私やそのお客様には、ぴったりだったのです。
私がYouTubeで鳴らすときに使っているCDプレイヤーのPhilips CD618も、廉価版のCDM4が使われています。
Philips CD618は以前お客さまに3万5千円でお売りしました。
私の使うデジタル機器はそんなもんです。

付け足しになりましたが、今週土曜日にお客さまにお引渡しするLeak TL/50 Plusの整備が出来上がりました。
良いKT88が無いため、Svetlanaの6550を使っています。Cロゴのほうですが、音がすこぶる良いです。
Sロゴは、ある時期から駄目になりますね。
YouTubeで鳴らしているのはSロゴですが、1998年製で、箱にCロゴが印刷されています。
中を見ると、現行のCロゴと同じつくりです。
昔、マッキントッシュMC75でSvetlana KT88を鳴らして、オリジナルのGold LionやGold Monarchとそん色ないと思いました。
その音のよさは、現行のCロゴに受け継がれているのだと思います。

今は、SロゴのSvetlanaにCロゴは印刷されておりません。
現行のSvetlana KT88 Sロゴを購入したこともありますが、好みではありませんでした。
Cロゴの6550もテストしました。
少なくとも私の持っているGECのオリジナルKT88よりも良い音がします。
馬鹿高いGECのKT88など買う必要はありません。
SvetlanaのCロゴ6550で充分以上です。
YouTubeにアップしました。
曲は、2,013 MJ1月号付録のCDからのものです。
カインラボラトリージャパンのアルバムからの抜粋だそうです。
CDプレイヤーは、Marantz CD52MKⅡSE 廉価版のCDM4です。
それではお聴きください。

2013年11月08日
貴重な体験 (カテーテル手術)
貴重な体験をした。
休日の今週月曜日のことである。
お客様に送るMarantzのCDplayerの梱包を済ませ、宅配業者に集荷を頼んでいた。
集荷には2時間ほどはかかる。待っていたのである。
なんだか気分が悪くなってきた。
風邪かと思った。
いつもの風邪だとしたら、吐き気がして、2度ほど吐けば、少し気分が楽になるはずだった。
今回は、吐いてもまったく改善しない。
冷や汗が出る。
左の胸が、軽く圧迫されているように感じる。
冷や汗と圧迫感は、初めての症状だ。
ついに来たか。心臓かもしれない。
家系的に、心臓で急に死ぬ確率が高いのである。
なじみのお客さんが来店された。
すぐに調子が悪いと分かったらしい。
どうするかを決めなければならない。
集荷してもらったら、救急車を呼ぶことにする。
その日はいつもより早く来てくれたので助かった。
お客さんに電話番号を教えてもらい、救急車を呼ぶ。
救急車の対応は早かった。15分ほどで来てくれた。
店でだったか、救急車に乗ってからかははっきりとしないが、心電図をとってくれた。
雰囲気からすると、ひどくはなさそうである。
「大丈夫みたいですか」
「ええ、心電図では問題ないようです」「ただ、精密に見ないと分かりませんから、救急病院にいきましょう」
私などが行くには高すぎる病院の名前が上がった。
「そこは避けたいのですが」
他に無いという。
私などは、大部屋のある病院に行きたいのだが、仕方が無い。
入院は極力避けよう。
店から15分ほどである。
着いた。
まずは心電図である。
救急車でと同様に、スタッフに緊張は感じられない。
大丈夫かなと思っていたときである。
モニターを見ていた看護婦さんの、「先生」といった言葉が、状況を一変させた。
先生は呼びかけに応えはしなかった。
ただ、先生はじめすべてのスタッフが、機敏に動き始めた。
対応のすばらしさに感心する。
移動した場所で、心筋梗塞と病名を知らされた。
即、手術をしたいとのことである。
造影剤の投与に承諾。
手術により、時として脳梗塞の危険もあるとのこと。
その危険率はどれくらいかとたずねた。300人に一人とのことである。
なぜこんなことをたずねているのか。自分が馬鹿だと思った。
30人に一人だったら手術を止めるのか。止めるはずが無い。
もちろん手術も承諾。
ニトロ、モルヒネ、の言葉が聞こえてくる。
いつ投与されたかは分からない。
舌下錠と噛み潰す錠剤を与えられた。
噛み潰す錠剤は、苦かった。
手術室に入った。
多くのスタッフがいたようだ。
私の意識ははっきりしている。
苦しさは消えていた。
CTスキャンをしながら、カテーテルの手術である。
左手首の動脈から管を挿入し、心臓の冠動脈にまで伸ばしてゆく。
入りにくいらしい。ちょっと時間がかかっている。
足からという声も聞こえてくる。
しばらくすると、何も聞こえなかったが、全体に安堵の雰囲気を感じる。
「入ったのですか」と、私。
「ええ、腕から入りました」
処置は早かった。
血流を邪魔していたものを取り除き、バルーンで血管を拡張させ、金属のステントで、血流を確保した。
終わったときは、病院に来て1時間も経ってはいなかった。
すばらしい技術である。
命を救ってもらった。
さて入院についてである。
2日間は、集中治療室で、それ以降は入院ということになるとのことである。
私には差額ベッド代を払う能力が無い。
この病院は、上流の人用である。
私のような下層のものは、いるべきではないのである。
そのことは断っておいた。
幸い、心筋の壊死は少なかったそうである。
一週間は入院が必要とのことではあったが、あとは通院ということで勘弁してもらった。
すばらしい手術だった。生活にほとんど支障は無い。
今思えば、父も36年前、同じ症状で入院し、治療もできないまま、3日後に死んだ。
カテーテルの手術に救ってもらった。