2011年09月

2011年09月29日

Leak VSチュナー

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LeakのVSチュナーです。
 
AM受信用のチュナーですが、大変高価なものでした。
 
TL/12(出力段KT66)が、25ポンドの時代に、このチュナーは38ポンドでした。
 
AMチュナーの最高峰でしょうか。
 
取引先の英国人は、コリャ珍しいとびっくりしていました。
 
この値段で売れるはずがありません。

売れなかったため、レアーになったのだと思います。
 
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購入後、テストもせずに放ってありました。
 
懇意のお客様が、欲しいとのことで、テストしてみました。
 
電源がありません。
 
VarislopeⅡには、このチュナーを接続する8ピンソケットがついています。
 
まずは接続してみました。
 
ランプはつきました。まるで反応なし。
 
 
 
ここから追求が始まります。
 
電圧を測ってみました。
 
写真茶色のケーブルが300V程度の電圧が出ているはずですが、0Vです。
 
なぜだろう。
 
回路図を調べてみてわかりました。
 
 
 
このチュナーは、TL/12用に作られたもので、私が接続していたTL/12plusではB電源は供給されません。
 
その代わりにTL/12plusには、背面にチュナー用ソケットがついています。
 
音声信号は伝えませんが、電源の供給はできます。
 
電源用8ピンケーブルと信号用RCAピンケーブルを分けて作りました。
 
TL/12plusから8ピンケーブルで電源を供給し、RCAピンケーブルはプリアンプにつなぎます。
 
これで通常の接続が可能になりました。
 
 
さて再テストです。
 
うーん、鳴りません。
 
セレクターをまわすと、長波の時のみ音は出ないながらも反応があります。
 
少しわかってきました。
 
セレクターの接触不良があります。
 
中波の状態で、少しずらしてみました。
 
反応がありました。
 
周波数ダイアルで受けてみます。
 
4局受信できました。
 
NHK第一、第二、FEN、ニッポン放送です。
 
 
古いラジオにありがちな、キューンというような雑音とともに、音が出ています。
 
音自体は良い音です。
 
まあ、この状態で、お客様にテストしていただくことにしました。
 
私自身、これ以上のことをする能力がありません。
 
再半田をするぐらいしかできないのです。
 
 
お客様のところでどのようになるかテストしてもらいます。
 
今日いらしてお持ち帰りになりました。
 
吉報になればよいのですが。


結果報告です。

TL/12plusに付いていたチュナー用のソケットが、TL/25plusにはありませんでした。

TL/10でテストしていただきました。

TL/10はTL/12と同世代ですので、B電源が供給されます。

無事鳴ったそうですが、TL/25でも鳴るようにしなければなりません。

考えていたのは、300V程度の電圧の出ているところから、取り出すことでした。


TL/12plusでは、この電圧は、π回路の終わりの段階で出ていました。

TL/25plusでは、π回路からさらに27KΩの抵抗の後に出ています。

そこから取ることにしました。

この時点で、チュナーがそんなに電流を必要とするとは考えていませんでした。


かなりの電流が流れているようです。

やってみると、電圧降下がはなはだしい。

160Vまで降下してしまいます。

TL/25plusの電圧をこんなに変えてしまっては、アンプ自体の性能にかかわります。

さてどうするか。



π回路の終わりのところから、チュナー電源用の抵抗と電解コンデンサーを入れ、300Vを取り出すことにしました。

加工自体は大変ではありません。

やりました。

うまくいったようです。



電波の状態でしょうか、昨日よりもよい状態で受信できました。

キューンというような雑音も、今日はひどくありません。

お客様のところでは、電波状況が、より良いそうですので、店でこれだけ鳴れば安心です。

高価なAMチュナーだけあって、音はなかなかのものです。










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2011年09月14日

Rogers CadetⅢ その2

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お客様が、Rogers CadetⅢを持っていかれたその日の夜、床についた後で失敗したと思いました。

イコライザー用アダプターに触ると、バリバリと雑音がしていたのです。

9ピンのソケットが使われていて、それの接触不良です。

9ピンのソケットを換える以外しょうがないと思っていましたが、もしかして半田の劣化ではと、突然ひらめいたのです。

主要箇所は再半田していましたが、そこまでは気が回りませんでした。

もっと早く気づけばと後悔しました。



お客様に電話し、時間があるときにご来店いただければ、その場で再半田するとお伝えしました。

ちゃんと聴けてはいたそうですが、バリバリいうのは気にかかるそうで、週明けにご来店なさることとなりました。



さて月曜日です。

古い半田をとり、再半田が完了しました。

接続してテストです。

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駄目です。

まだバリバリいいます。

バリバリだぜ、っていうのは元気を表す言葉だったけど、雑音のバリバリは、人の気を滅入らせます。

自信はあったのに、残念。

駄目だったので、お帰りくださいでは、あまりにお客様に失礼です。

努力しましょう。

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駄目もとで、アダプターの足を磨いてみることにしました。

磨き方は、カッターの刃を軽く当てて、黒ずみを取ってゆきます。

足に切込みができるほど力を入れてはいけません。

まあ、やってみるとコツはすぐにつかめます。



お客さんにも、もう1個のアダプターを磨いてもらいました。

お客さん、うまいもんです。

できました。



さて再テストです。

自信はありません。

しかし正解でした。

まったく雑音が消えました。


考えてみれば、最初にやらなければいけないことですね。

真空管の足は、磨いて驚くほどよくなることはあまりありませんが、このアダプターは初段あたりの微妙な信号が流れるところですから、薄い皮膜でも大きく影響するのでしょう。
















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2011年09月09日

お客様

先日、お客様が来店されました。

2日前に事前の連絡をいただいておりました。

お二人で見えるそうです。

当然、お二人とも男の方だろうと思っておりました。



近くまでいらしたとの電話がありました。

わかりにくいのではと思い、下の玄関まで降りてゆきました。

連れの方が、奥様でした。

私の店は、女性がおいでになることを想定しておりません。

汚いのです。

男性のお客様さえ、汚さに辟易するほどなのです。

仕方ありません。我慢していただきます。



話をお聞きすると、小池レコードのレコードコンサートで、若いころにLeakを知られたとのことでした。

どんなにすばらしい音であったかを、熱を込めてお話されました。

このような方は少なくありません。

一様に、あの音を聴いたときの感動をお話されます。

時として出入り禁止等のひどい扱いを受けた人でさえ、その音に関しては絶賛されるのです。



結局、オーディオにかかわる者は、良い音を出すことが必須なのです。

自分の音で、あのような感動を人々に与えなければ、オーディオにかかわる意味がないと思っております。

人々を感動させることができずにきたことが、現在のオーディオの低迷をもたらしたのです。

感動さえあれば、どうにかして購入しようとするものです。

アンプの心臓ともいえる、オイルコンデンサーを、安物のフィルムコンでおきかえたLeakのアンプを見て、これで人々を感動させることなどできるはずがないと思ってしまいます。



さてお客様のことです。

音に満足されていらっしゃいました。

ただし、全的に小池の音がよみがえったと感じられてはいらっしゃらないご様子でした。

これはお客様を見ていればわかります。

まあ、それは無理というものです。

音の提示において、小池さんはボリュームとトーンコントロールを操作して、最良となる微妙な一点を探し出す天才的な能力をお持ちだったそうです。

その一点に来ると、「オー」と驚きのどよめきが聴衆からあがったといいます。

ほかの人にはまねのできない芸当だったとお聞きしております。

私などは、トーンコントロールに触ることさえほとんどないのです。無理というものです。

最後の鳴らし方は、お客様の能力にお任せします。



何軒かオーディオショップを回られた中では一番よかったとのことで、プリとメインのセットをご購入くださいました。

その際、奥様の音を聴き分ける能力の高さには、驚きました。

何台かのプリアンプを聴き比べていただきましたが、一つ一つのプリアンプに対して、的確な評価を述べておられました。

オーディオは機器相手ですので、女性は敬遠される方が多いのですが、音はまさに文科系のものですから、このような能力を女性がお持ちなのは当然のことです。

最後にこれが一番よいといわれたのが、ゴールドのPoint Oneプリアンプでした。

以前このブログで紹介した、3極管接続から5極管接続に変更したプリアンプでしたので、ちょっとうれしくなりました。






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2011年09月04日

Rogers CadetⅢ

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久しぶりにRogers CadetⅢを整備しました。
 
整備といっても、ただ真空管ソケットを磨いただけなのですが。
 
コンデンサの交換とかは、以前に済んでいました。
 
5,6年前ですか、Yahooで何台か売りましたが、どんなに整備しても高く売れるわけではないとわかって馬鹿らしくなり、整備して売ることはやめてしまうきっかけになったアンプです。
 
これ、整備しないとひどい音のアンプです。
 
 
 
私の経験からわかった整備方法を書いて見ます。
 
 
まず、半田が駄目になっています。一度半田を取って、再び半田をする必要があります。
 
その際私は、棒状のラグをヤスリで磨いていました。半田ののりがひどく悪いのです。
 
ラグは線がからげてありますので、大変面倒です。
 
半田がのるようでしたら、この面倒な作業はしないで、再半田だけでもいいのかもしれません。
 
 
 
Rogersのアンプは、丁寧なからげ配線をして、半田してあります。
 
Leakはラグの穴に通しただけの半田です。からげてありません。
 
不思議なことに、劣化はRogersのほうが激しいのです。
 
使っている半田のせいかもしれません。

配線はからげることよりも、質のよい半田を選ぶことのほうが大事なのかもしれません。
 
 
 
今回わかったことですが、真空管ソケットの接触不良がひどいです。
 
片チャンネルの音が出たり出なかったりの状態でした。
 
真空管に触るとバリバリと大きな音がします。
 
真空管を挿すときのあの抵抗感のなさは、ピンのばねがなくなっている証拠です。
 
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外してみました。
 
なかなかしっかりしたつくりです。
 
外して締め付ければ、復活するかもしれません。
 
今回は、別のピンを無理やり入れました。
 
どうにか入りました。
 
調子良くなりました。
 
以前整備したときは、真空管ソケットのことまで頭が回らず、調子悪いのでそのままにしていたのです。

できれば、ソケットを全部取り替えたほうがいいのかもしれません。
 
 
 
今回は、CadetⅢの購入を考えておられるお客様のために整備したのです。
 
お客様にお売りしたCadetⅢは、セパレートタイプではなく、プリメイン一体型でした。
 
CadetⅢに使われているMullad Mustardコンデンサーの新品をつけていました。

以前は、Mullard Mustardの新品(NOS)を英国から購入して、交換していたのです。

今となっては、Mullard Mustardは馬鹿馬鹿しいくらい高価になってしまっているので、そんなことはできませんが。
 
本来のCadetⅢはMullard Mustardを使わなければ意味がありません。

再半田すれば、オリジナルのままのMullard Mustardでも、充分のはずです。

フィルムコンはオイルコンほどには劣化しないはずです。
 
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このセパレートに使われているのは、リークに使われているオイルコンと同じものです。
 
1970年代に作られた新品です。このコンデンサに換えればどうなるかと遊んでみたのです。
 
ただ、TCCではなく、TCCを買収したPlesseyのプリントで、0.05ufをパラレルにして0.1ufにしています。
 
0.022ufの代わりに0.05ufを使っています。

 
 
まさしくLeakの音です。これはこれで立派な音です。
 
音はコンデンサで決まることが良くわかります。
 
真空管オーディオフェアでも時間があればお聴かせします。

CadetⅢは、まさしく名機です。

整備してないCadetⅢを聴いて、音が良くないなんて言わないでください。
 
 
 
P.S.
すみません、真空管オーディオフェアでお聴かせできなくなりました。
 
一体型をお買い上げになられたお客様から電話があり、左右の音が異なるとのことで、このセパレートを持っていかれました。
 
セパレートのアンプも、接触不良があり、完璧ではありませんが、だましだまし使ってもらうということで、納得していただきました。
 
どうしようもなくなったら、ソケットを全とっかえするつもりです。
 
できるなら、そうならないことを願いますが、いつかはしなければならないと覚悟しています。

 
 


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2011年09月02日

プラズマテレビ 液晶嫌い

アナログ放送が終わるというので、液晶テレビを買いました。

液晶は、目に悪そうで、ブラウン管方式を最後まで使っていたのです。

以前液晶のパソコン用モニタを使って、30分もすると目の奥が痛くなり、すぐに使うのをやめたことがあったので、液晶テレビは極力避けたかったのです。

ただ、バックライトが蛍光灯ではなく、LEDのものが発売されていました。

目に悪いのはバックライトのインバーター蛍光灯だと思っていました。

インバーター蛍光灯は苦手です。

インバーター蛍光灯が出立ちのころ、家の蛍光灯を、目に優しいというインバーター蛍光灯に換えて、えらい目にあいました。

目に優しいなんて真っ赤なうそです。

あの下にいると目はしょぼしょぼするし、気分もいらいらします。



私だけかと思ったら、店に来るお客さんにもそのような人がいらして、液晶モニタを嫌いな人が結構いることがわかりました。



地デジ化のために、液晶テレビを買う羽目になったのです。

LEDバックライトに、一縷ののぞみを託しました。

使ってみると、目の奥が痛くなることはありませんでした。

これはいいかなと思ったのです。



結局、駄目でした。

私は乱視の気味があります。メガネで矯正しています。

液晶テレビを見始めて数日すると、メガネをかけても物が2重に見え始めました。

どんどんひどくなります。

長く見ていると目がしょぼしょぼして、あけていられなくなります。


我慢して一ヶ月は見ましたが、耐えられなくなりました。

お客さんから、プラズマテレビなら、少しはいいかもしれないという情報をいただきました。

その方も液晶モニタが苦手な人でした。プラズマテレビを使っているそうです。



一ヶ月で買い替えはショックでしたが、もう耐えられません。

中古で結構です、どうにかしよう。

5年ほど前に製造された37インチが送料込みで約3万円でした。



プラズマテレビ、いいですね。ブラウン管方式と似た画像です。

だいぶ熱が出るので、電気は食いますが、目を開けていられなくなるあのつらさを考えると、仕方がないと思ってしまいます。


私の狭い範囲の付き合いで、数人の液晶嫌いがいるのですから、全国的には結構多いと思うのに、話題にもならないのはどうしてでしょうか。







gtkaudio at 04:32|PermalinkComments(0)友人列伝