2011年01月

2011年01月30日

Wharfedale Briggsバッフル

 
sand filledのバッフルの磨きが終わり、というか、まだ不満はあっても、これぐらいにしておこうと思い、スピーカーを取り付けようとしていたときである。

お客さんが、またまた現れた。

このお客さん、こんなことがよくある。

勘が鋭いのか、私が作っているものが出来上がる時、決まって現れる。

仕事帰りなのだ。

まあ、一緒に聴いてもらうことにする。

イメージ 1


接続して、音を出したと同時に、こりゃ駄目だと思った。

高音がきつい。

これでは、簡単に一度塗りをしたときのほうがまだましである。

重ね塗りをしたほうが、音が良くなるはずだと期待していたのが、おお外れである。



ユニットの違いではないかとお客さん。

そうではない。音に魅力がないのだ。

オリジナルと交互に鳴らしてみる。

始めは、作ったほうの音を好む人もいますよといっていたお客さんも、こっちのほうが良いとオリジナルを指差す。

ショックである。


 
次の日、仕事場(店)に来ると同時に音を出した。

うん?、違う。

昨日とは明らかに違う。

厭な音がしていない。

高音寄りの音も落ち着いてきた。

オリジナルと一緒に鳴らしていても、あまり違和感を感じない。
 

 

そして次の日、もう昨日ですが、さらに良くなっていた。

お客さんにも来て聴いてもらった。

同意見である。

何でだろう。



推測である。

塗料の乾きの違いなのでは。

バッフルを作ったら、塗装が必須といわれるそうですが、木を引き締める効果があるのかも。

塗装表面の硬化の違いかもしれない。

とにかくずいぶん違う。

勉強になった。



サンドバッフルは、もう一台作る(実験する)つもりである。

今度は、砂の入る領域をもっと大きくしてみる。

看板を作っている友人に渡すため、なれない設計図を1日かけて作った。
 
友人に切断してもらうのである。

ウィングも付けられる様に設計した。

頭はそっちに移ってしまっている。



サンドバッフルはすばらしいものです。

決して、箱を作る面倒を省くための簡易のものではありません。

私には最高のものに思えています。

ボックス型のスピーカーから出てくる音が、もやついた音に聴こえてしまいます。


追記

思いのほか良い音でなってくれましたので、敬意を表して再磨きしました。

私の美しい店の内部が写り込んでいます。

前段階の塗って紙ペーパーで磨く過程を簡単に済ませてしまいましたので、凸凹はあります。

次のウィング付きはもっと綺麗に仕上げます。

イメージ 2



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2011年01月26日

Stereo 50の整備

 
 
とうとう真空管(MT)ソケットを交換すると仰る。

以前、コンデンサーを英国製のオールドストックで交換したお客様である。

「お預かりします」

「交換だけだからその場でやってください」

「交換大変なんですよ。まあいいです、やりましょう」

簡単にできると思っていらっしゃる。



さてお持ちになった。

入ってくると同時に、「いい音で鳴っていますね」

Wharfedalesand filledです。

しばし、試聴となる。

「やはり作ったほうは、高い音がきついように感じます」と私。

お客さんも同じ意見のようである。

オリジナルだけで聴きたいと仰る。

それはそうでしょう。

オリジナルだけをMONOで聴いてもらう。

「すごいですね、聴いたことのない音です、Leakでしか鳴らせないかもしれない」とお客さん。

「そう、一歩間違えば、ひどい音になってしまいます」。名古屋の人もWharfedaleLeakでしか鳴らないとおっしゃっていた。

きわどい音である。



Wharfedale sand filledのバッフルで聴きながら、ソケットのピン交換に入る。

一本目がようやく終わった時、

「こりゃ大変だ、もっと簡単かと思った」とお客さん。

そうです、やってみないとわからないもんです。

二本目、Leakのソケットは、下からシャーシの穴を通し、下からネジ止めするようになっている。

お客さんのは、以前の修理で、誰がやったか上からのソケットに換わっていた。

これも下からのに換えるつもりでいた。

下から通してみると、スライドスイッチが邪魔して、ネジ止めできない。

そうか、スライドスイッチも換わっているのだ。

上からのソケットでいいと仰るので、そのまま続行する。



二本目が終わって一息つく。

三本目は、楽である。

スペースに余裕がある。



ようやく終わった。

休みはほとんど取らずに、4時間かかった。

づーっと集中していたので、テストのためセットしなければならないが、ちょっと休ましてもらう。



さてテストだ。

ステレオなので、私が製作中のサンドフィルドバッフルも動員する。

聴いた。

二人共にびっくり、この制動力、詳細な表現力。豊かな情趣をたたえた音。

製作中のバッフルも伸び伸びと鳴っている。

お客さん、持ってきたCDを取り替え取替え、聴いている。



だから、ソケットのピンは重要だと言ったでしょう。

音自体が変わるのです。

取り除いたピンを見て、クリーニングしただけでは駄目なのだと納得されていらした。

だいたい、交換したあと、真空管を刺す時の抵抗感が何ともいえない。

お客さんにやってもらった。

納得されていらした。
 
 
 
ということは、私の一台のTL/10に問題があるということである。
 
Stereo20では、きつさは感じないので、確定。
 
他のスピーカーでは出ないけれど、直さなければならない。



Wharfedale Briggs baffle塗りの途中経過

まだ塗り重ねます。鏡面にしたい。

イメージ 1

金網も届いた。

金色に塗った。

イメージ 2

塗りの甘さが気に懸かります。

写真は目よりも正確。実物では分からない。


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2011年01月21日

Wharfedale Briggs sand filledを作る

 
最初は掃除に始まる。
 

主役はお客さんである。
 

私には掃除の才能が無い。
 

お客さん2日かかって、身動きできない状態を解消してくれた。
 

少々のアルバイト料は払ったものの、仕事からすれば、微々たるものである。
 

お客さんには、綺麗になった店のイメージがあるらしい。
 

私には無い。これがまずいのである。

 
 


お客さんの努力によって、掃除前の半畳しかない作業スペースも広がり、あとは細かいものを片付ければ、かなり綺麗になるところまでになっていた。
 

駄目なのである、私が。
 

このあいたスペースを見た私は、スピーカーバッフルが作れると思ってしまった。
 

懸案のBriggs sand filledが作りたい。
 

ここで安易な考えが頭をよぎる。
 

あのコーナーバッフルの音の良さは、Wharfedale speaker unitに起因するのでは。
 

普通のバッフルでもいいのではないか。
 

それで、ベニヤを使い作ってみた。

 
 


オリジナルの寸法を測る。
 

ホームセンターで18mmのベニヤを切ってもらった。
 

残念ながら穴あけはしてもらえなかった。さらにウィングの部分と正面のボードを斜めに切ってもらうことも出来なかった。
 

穴はどうにか自分で開けた。
 

ウィングはあきらめた。横に貼って立つようにする。
 

出来たのが次の写真。
 

イメージ 1



塗りはせずに聴いた。
 
 
掃除してくれたお客さんにも聴いてもらった。
 

かなりいい音に思えた。お客さんもいいと云ってくださった。
 

しかし、結局駄目だった。
 

長く聴いていられない。
 

音を判断する上で、長く聴いていても嫌にならないことが、私にとっての最大の基準である。
 

音に関して細かい解析の出来ない私だけれど、たぶん神経に障る音が出ているのである。
 

駄目だ。まあ今回は無駄骨。

 
 


結局、sand filledにしなければならないということなんだ。
 

しかし、内部がどうなっているのか分からない。
 

非破壊検査も考えた。
 

オリジナルのコナーバッフルの内部を色々と想像して眠れない夜に、ふと思った。
 

これはまずい態度ではないか。
 



Briggssand filledという方法を使って、このようにすばらしいものを作ってくれた。
 

sand filledという情報だけでいいではないか。
 

sand filledにすればあの音が手に入る。

これだけでもすごい情報だ。
 

ただコピーするだけが能じゃない。
 

誰かのやったことを闇雲にまねをするなんて、何かいやらしい。
 

Briggsの音は、すばらしい遺産である。
 

想像力を使って、作ってみよう。
 

駄目なら再チャレンジ。
 



もう作らないで居ることは私の中で鬱懐になっていた。
 

眠ることも出来ない。
 



どうにか作ったのが次の写真である。


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イメージ 3


塗装はしていない、ウィングも付けていない。スピーカーの前の金網も付いていない。
 

これで聴いてみた。
 

いい。
 

時間と共にユニットも落ち着いてきたのか、どんどん良くなる。
 




簡単に塗ってみた。
 
 
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イメージ 5

 
さらに良くなった感じがする。
 

長時間聴いていても大丈夫。
 
 
まだ製作途中。ウィングはどうか分からないけれど、塗りは綺麗に仕上げるつもり。
 



途中失敗もあった。
 

砂を入れていたときである。
 

音出しをしながら、いっぱいに入れて、少し経ったときだ。
 

上から覗くと、砂が減っている。
 

いいぞ、隙間にどんどん入っていっている。
 

これが大きな勘違い。
 



ふと横を見ると、砂が床に盛り上がっていた。
 

さらにどんどん滝のように流れ落ちている。
 

漏れているのである。
 

充分つけたつもりの接着剤が足りなかったのと、圧着がうまくなかったせいである。
 

砂を抜いてやり直した。



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