2010年10月

2010年10月30日

Wharfedale オリジナル箱

 
Wharfedale Super12 CS/ALを聴いて以来、2つ前のブログで紹介したオリジナル箱に吸音材を貼り付けることに懸かりっきりになっていました。

もともと付いていた吸音材は、どう見てもオリジナルの状態ではなかったのです。

全面に貼れば、良い音がするとお聞きしていたので、黒いフェルトを貼ってみました。



想像していたより大変な作業でした。

私の店は20畳ほどあるのですが、片付けの出来ない性格のため、作業のスペースは半畳ほどです。

2畳の作業スペースがあればなあ、と思いました。

仕方が無いので、実家にあるもうひとつのオリジナル箱を利用して、家で裁断しました。



裁断したフェルトを店に持ってきて、音がどう変わるかをテストしました。

前面、側面に貼って、裏蓋は元のままで聴いてみました。

裏蓋は元のままでも変わりないと思ったのです。

フェルトを張り替える前とあまり違わない音です。



裏蓋のフェルトも替えてみることにしました。

付いていたフェルトをとると、わざと凸凹がつけてあります。

写真は今回のものとは違いますが、同じような凸凹ですので載せました。

Whafedale W3です。

イメージ 1
 
W3のフェルトは、たぶんオリジナルです。
イメージ 2
 
フェルトをとると、レンガや木枠が出てきます。
イメージ 3
 
写真でお分かりのように、大変手の込んだものです。

一辺15cm強の正方形で厚さ12mm強のレンガを木枠で囲ってあり、上から角材で押さえつけてあります。

今回作業した箱はずっと大きなものですから、レンガを囲う木枠は一つ一つそれぞれ独立させてあり、正方形です。
 
それが縦ではなく、2個おっぱいのように横に並んでいます。

このことを初めはそれほど気に懸けもしませんでした。

気に懸かりだしたのは、音を聴いてのちのことです。




さて裏蓋に一枚フェルトを貼りました。

ガラッと変わりました。

良い音です。

音に張りが出てきました。瑞々しい。

低音も効いています。




二枚にしてみました。

また変化しました。

低音の出はちょっと弱くなっています。

しかしながら、さらに瑞々しく、臨場感を感じる音です。



フェルト1枚で音がこんなにも変わるもんなのですね。

初めての経験ですから驚きました。
 
この音の良さは衝撃的です。



これ以降、裏蓋の凸凹が気になり始めました。

裏蓋の形状はかなり音に影響するのです。

あれだけ手の込んだことをしても、それだけの効果が期待できると分かっていたのでしょう。



多分、このようにしたのは、音を聴きながら、試行錯誤により詰めていった結果であるように思えます。

理論的に跡付けは可能でしょうが、音は試行錯誤による経験から導き出すべきものだと私は考えています。

現代の理論に従って、技術的に優れたものであるから、良い音が出るはずだという謳い文句に何度だまされてきたか分かりません。



昨日音を聴いてから、裏蓋の凹凸が頭から離れなくなっていて、ときに鬱懐 のように感じはじめてしまいましたので、これを書いて発散しました。
 
それ程の音です。



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2010年10月26日

Wharfedale ワーフデール ユニット

前回ブログのワーフデールスピーカーボックスに入れたユニットの画像です。
 
大きなアルニコマグネット
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コーン紙も綺麗
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17,000LINES
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蝶ダンパー
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追記

なじみのお客様から情報をいただきました。

CS/ALは、次のように解釈するそうです。私は知りませんでした。

CS Cloth Surround  エッジ部が布(フェルト)製である。
AL Aluminium   ボイスコイルがアルミニウム製である。

ありがたいことです。


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2010年10月25日

Wharfedale ワーフデール

イメージ 1
 
Wharfedaleのオリジナルの箱です。

英国の取引先から届いて、もう何ヶ月にもなります。

大きすぎて、ペアーで送れませんでしたので、2度に分けて送ってもらいました。

一台目が届いたときから、後悔してしまいました。

大きい、重い、片付けの苦手な私の店には、これを置くスペースが確保できません。

やっとの思いで場所を確保したのですが、この箱大きな顔をして鎮座しています。

大体ユニットが無いのですから、場所だけを取っていることになります。

そのうちに、2台目が届きました。

入れる場所がありません。

廊下に出しておきました。
 
イメージ 2
 
数ヶ月が過ぎて、共用部分に物を置かないようにとの張り紙がしてありました。

ビルの管理者からのものです。

不動産屋さんが管理をしていて、時々見回る。

困りました。

仕方がありません、一台実家に持ってゆくことにしました。

エレベーターがありません。

3階から降ろすのに、往生しました。


さて、ユニットがひとつ手に入りました。

名古屋のお客様から教えられたWharfedaleスーパー12 CS/ALを購入したのです。

30cm 大きなアルニコマグネットが付いています。

最初のボックスが届いてから、半年は経過していました。

アンプは、LeakのVarislopeⅢとTL/12plusを使います。

箱に入れずに、ユニットだけを鳴らしたとき、これはいいものだと思いました。

箱に入れました。

一苦労です。周りの荷物をどかし、やっと装着。

1ユニットしかありませんので、モノラルです。

イメージ 3
 
聴きました。

なるほど。

今まで聴いてきたタンノイやLS3/5aとは全く異なる音です。

タンノイで情趣と音の太さを求めて調整してきた方向とは全く違います。

粘りではなく、軽々と鳴ります。

もちろんすばらしい音ですが、スピーカーでこんなに違うものかと、驚いてしまいました。

高音の魅力は他に例がありません。

私は高音の強く出る音は嫌いだったのですが、この高音はすばらしい。

アルミニュームのボイスコイルのせいでしょうか、軽々と鳴る音は、タンノイやLS3/5aとは対極にある別の魅力です。

教えて下さったお客様だけでなく、名古屋の人たちが、Wharfedaleを使う気持ちが分かりました。



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2010年10月16日

第16回真空管オーディオフェアーを終えて GTKオーディオ

今回初めての出展でしたが、なかなかの盛況ぶりに驚きました。

初日は雨にもかかわらず、昨年を大きく上回る来場数だったと伝え聞いております。

今回は、私が整備した英国Leakアンプを聴いていただくことを主眼としていました。

5年ほどかけて研究してきたLeakの整備も、これならという段階に来ていましたが、店以外で鳴らしたことがなく、オーディオフェアーの会場でどれだけ鳴ってくれるかが、一番の心配でした。

出展に反対された方々の心配も、音場の違いのため良い音が出ないというものでした。

ありがたいことです。

うまく行かなかった場合を自分のことのように心配してくださったのです。

失敗すれば、到底生き残ってはいけないのがオーディオの世界ですから。




私には整備したLeakは、エネルギー感のある太い音ですので、通常の音場なら、それなりに鳴ってくれるという自信はありました。

店で試聴され、お買い上げいただいたお客様が、自宅でも満足されていることから、まあどうにかなると思っておりました。



セッティングをして、音出しをしたとき、心配は吹き飛びました。

鳴っています。



心配されていらした常連のお客様も、喜んでおられました。

CDを鳴らしていたとき、隣の席に座った方と次のような会話を交わされたそうです。



「誰の演奏なのですかね」

「マイスキーです」

「ええ?こんな音で鳴るんですか」

「そうなんです。私もこれを聴いて参ってしまったのです」




出展終了後、たがが緩んだようになってしまい、持ち帰った荷さえほどいていません。

そろそろ、気持ちを入れ替えてがんばります。




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2010年10月05日

母に触れる

母を介護するようになって初めて感じたことを書きます。

介護ですから、当然母に触れることになります。

そのとき気づきました。

幼年期、母におんぶされたり抱かれたり、少し大きくなると手をつないで歩いていた記憶はあります。

いつからでしょうか、小学校3,4年生になった頃からでしょうか、はっきりとした記憶はありませんが、母の手にさえ触れることはなくなりました。

50歳も後半になってはじめて、介護のために再び母に触れたことに気づいたのです。



ああ、ちょっと異常だなと思いました。

もっとも近しい存在である母にさえ、40年以上、手に触れることさえなかったのです。

気恥ずかしかったのだと思います。

母もそれで何とも思わなかったはずです。

日本の文化ですね。


挨拶代わりにキスをする外国の文化との違いに愕然としました。

介護がなければ、母が死ぬまで触れることもなくすごしていたのかもしれません。

何か寂しい気もします。


gtkaudio at 02:43|PermalinkComments(0)欧米人