2010年08月

2010年08月19日

ゲゲゲの女房 その3

ゲゲゲの女房を視ていて感じることは、芸術家の評価がいかに難しいかということです。

水木シゲルは、たまたま大手出版社に見る目を持った編集者がいたから脚光を浴びることが出来ました。

これが何を表すかというと、このような僥倖にめぐり合うことなく埋もれていった夥しい数の芸術家が存在することを示しています。

つまり、芸術を専門とするプロ(評論家等)でさえも、真の目を持つ者は稀であるということです。

彼らプロは、後付が得意なだけに過ぎない者がいかに多いことか。



何の評価も確定していない芸術家の作品に、これはすばらしい傑作であると言い切ることは、ある種の覚悟を必要とします。

こんな作品を良いというなんて、こいつは見る目が無いと見なされてしまう可能性もあります。

そんな恐れを抱きつつ、やはり良いと言い切ること、これには覚悟が必要です。

これをプロに期待するのは酷というものです。



私の芸術的センスは、大変狭いものです。

文章を読んで、夢中になることは出来ます。

音が良いかどうかも分かるつもりです。

ただし、音を細かく解析することは出来ません。

情趣を持った音であるか、太い音が出ているか、私の分かるのはこれだけです。

これで充分です。

私は、音も芸術であると思っているのです。



話がそれました。

云いたいのは、芸術はジャンルではないということです。

今考えているのは、浮世絵です。

浮世絵と漫画の相似性です。

絵画については全く分かりません。

ただ想像で考えているだけです。



たぶん、江戸期、プロたちの浮世絵に対する芸術的評価は低かったのではないかと思われます。

狩野派などの正当な系譜を引く絵画に比べたら、反故のような存在であったのでは。

陶磁器を外国に送る際、それを包む緩衝材として浮世絵が使われたそうです。

そんな扱いを受けるほど浮世絵は評価が低かったのです。

受け取った西洋人たちは、この包み紙に魅了されました。



正当な系譜を引く絵画は、武士や知識人のものであり、浮世絵は庶民のものであったはずです。

そう考えれば、浮世絵の評価が日本で低かったのも当然です。

真の評価を与えたのは、その様な固定概念にとらわれない西洋人でした。

漫画(アニメ)が、海外で評価され、それを受けて、日本で再評価されたと同様です。



浮世絵を支えた江戸庶民(特に商人を中心とする町人)にはエネルギーがあった。

旧態然たる正統派の絵画に比べて、そのエネルギーに支えられた浮世絵が、世界的評価を受けたのも当然だったように思えます。

まあ、絵画の分からない私の意見も後付にしか過ぎませんが。




浮世絵や漫画は、かつて芸術とは無縁のジャンルでした。

浮世絵や漫画を考えると、芸術はジャンルで決まるわけはありませんね。





gtkaudio at 03:09|PermalinkComments(0)欧米人 

2010年08月12日

ゲゲゲの女房 その2

水木シゲルへのインタビュー番組を見た。

面白かった。



その前の話とに関連性があったのだろうか、無かったように思う。

ボソッと云ったのである。


どう考えても、死後は無だね。その無ってのが恐ろしい。

そんな内容だったように思う。

そうか、すごい。

考える人なんだ。



鬼太郎だって、妖怪たちだって、全部僕が創り出したんだよ。

もっと尊敬してくれったっていいはずだ。

インタビューアーが答えて、

「尊敬してますよ」

水木シゲル、もぞもぞ何か言っているが、よく分からない。。

娘が受け止めて、「もっとなの?」

「うん、もっと」


思わず笑ってしまった。

このユーモアもすごい。


gtkaudio at 05:15|PermalinkComments(0)欧米人 

2010年08月09日

ゲゲゲの女房

毎日続けて朝ドラをみるなどということはなかったのですが、「ゲゲゲの女房」には嵌ってしまいました。

なんといっても登場人物が興味深い。

水木シゲルが面白いのは当然としても、深沢や戌井の存在は、ああこのような人たちが存在し、陰で支えていたのかと、感動してしまいました。



二人に共通する特徴を挙げてみます。

まず、みる目がある。

子供だましの漫画と思われていたものに、感動し、真の価値を認め、他人の評価ではなく自分が価値を認めたものを出版する。

芸術が常にそうであるように、自分の感性のみで真価を理解できるものは少ない。

ほんの一握りの分かる人たちだけが相手となる。

当然金銭的には報われない。



この二人なかでは、金銭は二の次になっている。

金銭的に報われなくても、どうにかして出版を続ける。

奥さんに言わせれば、漫画馬鹿となる。

奥さん、愚痴は言いつつも、それを支えるのだから、これもたいしたもんです。



大手は、この人たちが発掘した漫画家たちを一本釣りのように奪い、ブームを演出する。

かつては鼻も引っ掛けなかった一般読者が、ブームに乗り遅れまいと殺到する。

かくて、大手は莫大な儲けを得、貧しい時を支えたこの人たちは、ささやかな利益しか得ることが出来ない。

この人たちこそ、奇貨であり、縁の下で大切な才能を支える土台であったように思えます。

人間こうでありたいと思うのですが、私のような凡人には、難しいですね。



浮世絵がサブカルチャーから、今やハイカルチャーになっていったように、漫画の地位の変遷をみることも「ゲゲゲの女房」の面白みでもある。

漫画も日本のハイカルチャーとは云わないまでも、少なくともメインカルチャーにはなっています。
  


gtkaudio at 01:33|PermalinkComments(0)欧米人 

2010年08月02日

Quad QCⅡ

Quad QCⅡプリアンプの回路図が見つからず、苦労しましたが、ようやく見つかりましたのでお知らせします。
 
海外のサイトで、登録しなければなりませんが、登録は簡単ですし、無料です。
 
他の機種も検索できます。
 
検索エンジン(GoogleやYahoo)で、 Hifi Engine と入力すれば、すぐに出てくる筈です。
 
登録は自己責任でお願いします。責任は負いかねます。


マニュアルもこのサイトで入手できます。

ほんの一部ですが、イコライザーの選択用ボタンの押し方を載せておきます。
 
下の表をみると、RIAAは右3個のボタンを同時に押すということでしょうか。
イメージ 3
 
アダプターは、R1とR2があれば充分ですね。
イメージ 4
 
この回路図を見つけるのに苦労しました。 
イメージ 1
 
アダプターは手に入りにくいですから、R1とR2を自作しています。 
イメージ 2
 


gtkaudio at 22:24|PermalinkComments(0)オーディオ