2010年06月
2010年06月21日
Leak VarislopeⅢプリアンプ
「すごい音で鳴ってますね」
「3極管接続のほうです」
この1週間前、LeakのメインアンプStereo50をお持ちのお客様が、それと接続するLeakのプリアンプを検討しているとのことで、店に試聴にこられました。
当初Point One Stereoをお考えになられていたようですが、Point One Stereo, Varislope Stereo, VarislopeⅢ5極管接続ペアー, VarislopeⅢ3極管接続ペアーの4種類を試聴していただきました。
全部、基板上の全てのコンデンサー、抵抗を音の良い部品に交換し、真空管ソケットのピンも、オリジナルのNOSで交換した私の自信作です。
VarislopeⅢ5極管接続ペアーをお買い上げになられました。
妥当な選択であると思いました。
ステレオタイプよりも、モノラルのVarislopeⅢが、私も良いと思っております。
そのときは5極管接続のほうが、3極管接続より、明るく張りのある音がして、好ましく感じておりました。
3極管接続は、おとなし過ぎました。
片方のボリュームは英国製ではあるけれどオリジナルではないとお断りしてありましたが、ちょっとそのことが気に懸っておられるご様子に、私も申し訳ないと思っておりました。
ボリュームは最も手に入れにくい部品です。
特にオリジナルは手に入りません。
ちょうど良い時に、部品取り用に買っておいたVarislopeⅢのフロントパネルが届きました。
中古ですが、状態の良いオリジナルボリュームが付いています。
これで交換できます。
お電話を差し上げ、週末に来ていただくことになりました。
交換はその場でします。
この1週間の間に3極管接続がもう少し良い音にならないかと部品をいくつか交換してみました。
なかなか良い音になってきたのです。
1週間経ち、お客様がいらしたとき、鳴らしていたのが、Stereo20につないだ3極管接続のVarislopeⅢでした。
冒頭の会話は、お客様が入ってこられると同時に、即座に始まったものです。
お客様の好みのスピーカRogers LS3/5Aが鳴っていました。
3極管接続の音が気に入られたようです。
気品を感じると仰います。
これは私にも分かります。
ただ、細かいことになると、私の耳はついていけません。
いろいろと言葉を尽くして、この音の良さを表現してくださるのですが、そうですかとあいまいな返事しか出来ないのです。
お客さんにとっては、歯がゆいことだと思います。
私は、全体としての音しか分かりません。音色だけを聴いているのかもしれません。
ですから、よい耳を持ったオーディオマニアのお客様との会話は苦手です。
オーディオショップに来られ、店主との会話を楽しみにしておられるお客様にとっては、何ともつまらない相手でないかと思われます。
でも仕方がありません。音を聴いてもらうしかないのです。
音が私の好みを語ってくれます。
口幅ったいことを云えば、音が私という人間を語っているともいえます。
5極管接続のボリュームを交換し、3極管接続、5極管接続、のそれぞれのペアーをお持ち帰りになり、1週間自宅で試聴し、お好みのほうを選択していただくことにしました。
以前お取引をしたことのある、信頼できるお客様でしたので、問題はありません。
1週間後、結局3極管接続をお選びになりました。
全く妥当な選択だと思いました。
Leakのほとんどのモノラルプリアンプは、トーンコントロール部分は、3極管接続です。
VarislopeⅢの5極管接続はあまり存在しません。レアーです。
これでわざわざ5極管接続を探す必要がなくなりました。
Stereoタイプのプリアンプは全て5極管接続です。
機種による3結、5結については以前のブログをご参照ください。