2010年05月
2010年05月30日
Thorens トーレンス TD150の異種
Thorens TD150は小さくて音の良いターンテーブルとして知られています。
今回はちょっと珍しいTD150のプラッターをご紹介します。

写真のように上から見ると通常のプラッターですが、ベアリング部分が異なります。

ただ鉛筆のように先がとんがっているだけの珍しいベアリングです。
通常のベアリングと比較するとよく分かります。

写真右のように、先端に金属製のボールが組み込まれているのが通常のベアリングです。
鉛筆状のベアリングは、おそらく最初期のTD150に使われていたのではないかと思われます。
取引先の英国人から購入しました。
他社製の古いターンテーブルでは、時々見かける方式です。
潤滑性能は、ボールの入ったほうがよさそうですが、音に関してはどちらが良いか分からないものです。
その英国人は、売るときに特にここを強調していました。
珍しいものではないかと思い、紹介しました。
私が間違っていました。
コメントをいただき、後期のタイプだそうです。
詳しくはコメントをお読みください。
軽率でした。
申し訳ございません。
2010年05月21日
Leakプリアンプのツマミ清掃
暇でしたので、Leakプリアンプのツマミを磨きました。
2種類のコンパウンドを使って金具部分を磨きます。

最初の状態です。
金属部分に錆が出ています。
コンパウンドで、削り取ることになります。
メッキも削ってしまいますが、地肌が綺麗ですので、やっちゃいます。

ラビングコンパウンドで、荒く削ります。

親指に布を巻き、爪の先を立てて端の部分を削ります。
うまく行かないときは、割り箸に布を巻いて、こすります。

次に、粒子の細かいピカールでさらにこすります。
長くやれば、粒子が細かくなり、もっと綺麗になるはずですが、こんなところで止めときます。
次は、プラスチック部分です。
水に浸した布に中性洗剤を含ませ、プラスチック部分を拭きます。

プラスチック部分がだいぶ綺麗になりました。
右側にどうしても落ちない汚れがあります。

細いドライバーの先で、削り取ります。
まだ残っていますが、これくらいなら気になることはありません。
ここらで止めときます。
ここで、評判の悪い親父ギャグをひとつ。
雑 all right.

全ツマミを綺麗にして、元に装着です。
下に付いている2個の小さなつまみは、取り外さないで、拭いてください。
オリジナルは弱いので、割れてしまいます。

2010年05月20日
様々なLeakプリアンプ その2
初期に製造された手持ちのLeakのプリアンプを紹介します。
まずはVarislopeです。前回のブログの表では、VarislopeⅠにあたります。
RCAピン入力ではありませんので、使用にはひと工夫必要です。
感度は悪いですが、Deccaのffssカートリッジは鳴ります。

続いて、VarislopeⅡ。
残念ながら私の手持ちのものは、写真のようにあまり綺麗ではありません。
レコードの再生用のセレクターが6種類もあります。
古いレコードの再生には良いですね。
大変手の込んだつくりになっています。
入力はソケットタイプですが、RCAピン入力ではありません。
古いタイプのプリアンプの中では、5極管、5極I管接続ですので、感度はよいほうです。

最後にPoint Oneです。
VarislopeⅡと似ていますが、一回り小さく、値段も安かった。
レコードの選択は、4種類です。
VarislopeⅡと同様、RCAピン入力ではありません。

こう見てきますと、アメリカンタイプPoint One StereoのGold仕様も、この流れを継承しているのですね。
英国仕様のプラスチック製フロントパネルと比べると、豪華な感じがして英国趣味と異なるように思われますが、GoldはもともとLeakのデザインとしてあったものです。
アメリカンタイプも、Leakのデザインといえるものですね。
豪華ですが、英国らしいシックさも感じます。

2010年05月12日
様々なLeakプリアンプ
かつてVarislopeⅢのモノラルアンプで、戸惑ったことがありました。
2台のVarislopeⅢのコンデンサーを交換し、Stereoで聴いていた時です。
片方のプリアンプが大きな音で鳴り、バランスがひどく取れません。
片方は音を絞り、もう片方は音をかなり上げた状態で聴かなければなりません。
大きな音の出るVarislopeⅢに問題があると思って、いろいろ試しましたが直りませんでした。
そのときは途中で諦めてしまいました。
後になって分かりました。
問題はなかったのです。
トーンコントロール段で、EF86が3結になっているか、5結になっているかの違いでした。
5極管接続になっているVarislopeⅢはゲインが大きく、大きな音で鳴ったのです。
出力の小さいカートリッジに対応するため、新しい時代のプリアンプは、5極管接続になっていました。

firsts in High Fidelityより。
この表は、Leakが発売したプリアンプの種類を表しています。
表で、1st Stageはイコライザー段を、2st Stageはトーンコントロール段の真空管接続を表しています。
Pentodeは5極管接続、Triodeは3極管接続を表します。
VarislopeⅡ以外、初期のプリアンプは、イコライザー段は5極管接続、トーンコントロール段は3極管接続になっております。
当時はカートリッジの出力が大きく、それほどゲインを稼ぐ必要がなかったのです。
Stereoの時代になると、5極管、5極管でゲインを稼いでいます。
入力感度(Pickup Sensitivity)が、5極管、5極管で上がっている(数値が小さくなっている)ことにご注意ください。
角が丸いVarislopeⅢに2種類のタイプがあったのです。

Nシリーズから5極管接続になっています。
私が戸惑ったのはこのせいでした。
外から見ても区別が付くようになっています。
ピックアップ、ランブルの2個のセレクタースイッチが、3極管接続は黒、5極管接続は白、になっています。
写真では、上が5極間接続(Nシリーズ)、下が3極間接続です。
角が丸いPoint One Plusは、外から見たのでは、区別が付きません。
裏蓋をあけて、0.25uFのコンデンサーが2個使われているのが、3極管接続、1個しか使われていないのが、5極管接続です。
私はこの違いで区別をつけています。
Point One Plusの入力感度が、9.5mVの1種類しか出ていませんが、角の丸いPoint One Plusは、そのほとんどが3mV程度(5極間接続)の製品です。
角の丸くないPoint One PlusやVarislopeⅢの写真も載せておきます。
このタイプは全てトーンコントロール段が3極間接続です。
