2009年12月

2009年12月20日

Leakプリアンプの肝(きも)

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あるお客様に、Leakのプリアンプを購入していただいた半年ほど前のことです。

高音のトーンコントロール用ボリュームに接続されている200pFが、板状のHunts製マイカコンデンサーになっているものがほしいと仰いました。

ずいぶんと細かいことを仰るなと感じました。

こんな細かい所まで、気にしたことはありませんでした。

その方は、このコンデンサーがLeakのプリアンプの肝だと仰ります。

半信半疑でしたが、数台あるプリアンプの1台がご要望のコンデンサーでしたので、それを購入していただきました。




先日、Varislope Stereoのコンデンサーだけでなく抵抗も取り替えてみる気になりました。

コンデンサーはオイルコンに交換してありましたので、Allen Bradleyの抵抗を購入し、基板上の全てを交換しました。

定位もしっかりして、良いのですが、何かしっくり来ないように感じます。

たまたま店にこられたお客様は、良い音が出てますよと、言って下さったのですが、ここら当たりは自分が納得するかどうかです。

音が明確になっただけ、艶かしさがないように感じます。




この時初めて、200pFを交換してみる気持ちになりました。

Huntsの200pFを持っているわけではありません。

仕方がないので、同じ板状の英国製マイカコンデンサーの中古を使うことにしました。

それでも、200pFという値は1個もありません。

以前買っておいた板状のマイカコンの値は、30pF,50pF,100pF,150pF,180pF等です。

パラって200pFを作ります。測定しながらの作業になります。




交換しました。

驚きました。

まさに不満な部分を解消してくれているのです。

音の艶が違います。





申し訳ないことをしたと思いました。

プリアンプを購入されたあのお客様には、そんなところで音は変わらないでしょうと、悪態をついてしまっていたのです。

やってみないとわからないものです。

自分で経験しないと、このような態度をとってしまうのです。

一所懸命やられている方の言葉は、真摯に聴くべきです。

反省しております。





その方にはこの体験を報告し、ブログに書く承諾を戴きました。

優しい方です。

通常、このような情報は、公開することを嫌がるものです。

嫌がる気持ちは分かります。

長年努力して獲得したものを、そうそう簡単には教えたくありません。

受け取る側は、良い情報を見つけたぐらいにしか感じません。

ありがたいと感じる人はまれです。

どうしたら商売になるかと考える人もいます。

自分だけ良い音を誇りたいとの気持ちもあります。

オーディオは、知的な雰囲気もありますが、意外とせこい世界です。




さて、写真の説明です。

アンプの中央部分、パイロットランプの下に見える4個の200pFコンデンサーが今回の主役です。

3枚目の写真は、Leakのプリアンプで使われている3種類の200pFです。

満足できなかった時は、一番上のコンデンサーが付いていました。これもマイカコンのはずです。

2番目はスチロールコンだと思います。

3番目の板状のマイカコンが最も良い音がします。

そして、板状のマイカコンが付いているのが、もっとも稀です。





LeakのプリアンプについているHuntsの200pFを測定してみましたら、150pFから200pFの測定値で、ばらばらでした。

ひどいもんです。

ただし、私の耳ではその違いは分かりません。

私の耳はこの程度です。





陶芸家がどこかに書いていました。

美しさの基準は、湿度感だそうです。

賛成です。

音も濡れていなければなりません。




追伸です。

Huntsの200pFを探しても、手に入るものではありません。

適当な代替のものをネットで探しました。

サンガモの古いマイカが日本のサイトで売られていました。

板状ではなく、直方体をしております。

購入してテストしました。

結果は良かったです。

一個200円ほどでしたから、Huntsの板マイカが付いていなければ、交換してみてはいかがですか。

音に多大な影響を与える箇所ですから、いろいろなコンデンサーで試してみるのも良いかもしれません。

ただし、自己責任でお願いします。

gtkaudio at 19:39|PermalinkComments(0)オーディオ 

2009年12月14日

ぬか漬け

ぬか漬け、おもしろい。

最初は浅漬けをやってみた。

意外と簡単に出来、母が喜んで食べてくれたので、ぬか漬けに挑戦したくなった。




容器はネットで買った。

ぬかの調整が大変だと思っていたら、全て調整済みのぬかが売られているのを見つけた。

水さえも調整済みで、あとは野菜を入れさえすればよい。

私のために作ってくれていたと、納得した。

即購入。





漬けて、一晩置けばもう出来上がる。

うまい。

何ともうれしいのは、こちらが寝ている間に、乳酸菌が、エッサ、エッサ、と声をかけあいながら一生懸命働いていてくれることである。

小さかった頃、私のいとこは道にしゃがみこみ、棒で地面をたたきながら、「働け、働け」と叫んでいた。

彼の目の先には、アリが列を成して何かを運んでいたのである。

乳酸菌には、そんなことは言わなくてもよい。

エッサ、エッサと働いてくれる。

ありがたい。





母は凝り性である。

旨いと思ったら、そればかり食べる。

入院していた時、20個ほど入っていた梅干のパックを、1日で食べてしまったのには驚いた。

「過ぎたるは及ばざるが如し」という言葉を知らないらしい。

自分では止められないようで、小分けにして、1日2,3個だけ食べるようにした。





今回も同様である。

4本漬けたきゅうりを、1日で食べてしまった。

母の手の届く所に置いておくことは、ご法度である。

少しずつ出すことにした。





まあ、いつものことで、母はきっとこうのたまう日がやってくる。

「もう厭きた」

母は、飽きっぽくもある。

母が病んで、分かった。

この人なかなか我が侭なのだ。

gtkaudio at 03:24|PermalinkComments(0)友人列伝 

2009年12月05日

Leak Point One Stereoプリアンプ

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以前のブログで、Leak Point One Stereoプリアンプに使用されているコンデンサーが、時代により異なることを書きました。

抵抗を交換していて分かったのですが、回路も異なっております。

今のところ分かったことをお知らせします。





3,4枚目の写真を対比して見てください。

まず、右側のほうの2本の真空管ソケットの中間に4本の抵抗が並んでいます。

抵抗が上下で直結されています。

ステレオですから当然2セットあり、4本です。

この抵抗値が時代で異なります。




カラーバンドになっておりますから、値を読んでみましょう。

3枚目の写真、

4個の抵抗は全て茶(1)黒(0)黄(4)、最後の黄色は0の数を表しますから、10に4個の0を付けて100000Ω(100KΩ)です。

4枚目の写真、

上の抵抗は、茶(1)灰(8)黄(4)、18に4個の0を付けて、180000Ω(180KΩ)、

下の抵抗は、青(6)灰(8)橙(3)で、68000Ω(68KΩ)です。





Varislope Stereoも、180KΩと68KΩの組み合わせです。

回路図もこの値180Kと68Kになっております。





では100KΩが使われているのは、誰かがあとから変更したのかというと、そうでもないようなのです。

他のポイントワンでも、100KΩになっているものがあります。

仕様変更が行われたことがあったようです。





次に3,4枚目の写真の左側を見てください。

3枚目の写真、

下側に3本並んだ0.1uFコンデンサーが見えます。

中央以外の左右のコンデンサーの上を見ると、黄(4)紫(7)橙(3)、47KΩが接続されております。

この抵抗が、4枚目の写真には存在しません。

回路図では、47KΩの抵抗はありません。




結果として、3枚目の写真のポイントワンは、仕様変更されたあとのものです。

どんな理由があったのかははっきりしませんが、回路図どおりの方が、音量が大きく、ちょっとクリティカルです。

仕様変更されたものの方がおとなしく、安定しているように感じます。

100KΩのついたポイントワンを、回路図どおりに直してみて確認しました。





58年製のPoint One Stereoをお持ちのお客様に確認していただきましたら、回路図どおりだったそうです。

3枚目の写真のプリアンプは、59年製です。仕様変更されています。

4枚目は61年製。仕様変更されていません。

ということは、仕様変更後、また元に戻したということでしょうか。




さて、どちらがよいかは好みにもよりますが、私は、回路図どおりの方をとります。

Leakの音はこちらだと思います。

ただし安定性に欠けるかもしれません。

gtkaudio at 19:52|PermalinkComments(0)オーディオ