2009年08月

2009年08月29日

消えた1日

0時を過ぎたから、昨日の話である。

歯医者を予約していた。



実は前回の予約の時は、11時20分の予約に対して、目覚めたのが、午後1時だった。

午前11時20分は、私にとっての明け方である。

起きるには、覚悟がいる。

その日は、眠れなくて、寝たのは午前8時ごろだった。

まあ、眠れないのは良くあることなので、起きれると思っていた。

母が入院していて、介護の必要がなかったのも、悪く働いた。

気が緩んでいたのだろう。



そんなことがあっての今回の予約だから、緊張していた。

朝は10時半に起きた。

母の昼食の用意をし、一通りの介護をして、15分前には歯医者に着くように、自転車で出かけた。

すぐ着いた。

うん、今日は完璧である。

思わず笑みがこぼれる。



自信を持って、保険証と、予約カードを出した。



受付の美人のお姉さん、

「これ、昨日の予約ですけど」

うにょ。

「え?27日木曜日でしょう」

「はい、今日は28日です」

「う!」と、携帯を見る。

28日金曜日になっている。

とうとう未来の世界に足を踏み入れてしまった。



予約のキャンセルがあったらしく、診て下さるとのことである。

ありがたい。

当然だけど、歯医者さんには謝った。

申し訳ないことをしてしまった。



しかし、ショックである。

歯医者だけではない。

全ての予定が狂ってしまった。

週末に聴いて貰うため、お客さんに送る修理したアンプの梱包をしなければならない。




何たることだ。

どこへ行ってしまった、俺の1日。



まあ、分かっている。

とうとう来たのである、老人ボケが!

そうでもないか、若い時からぼけている。



それにしても、歯科医助手がみんな美人に見える。

きっと、これもボケのせいにちがいない。

gtkaudio at 00:52|PermalinkComments(0)友人列伝 

2009年08月26日

夏目漱石

夏目漱石が英国滞在中に書いた日記を読んでいます。面白い。

以下の文を読むと、私自身、洋行帰りの人たちの話を鵜呑みにして、西洋人に対して大きな誤解をしていたのを思い出します。

漱石先生も、「あいつら適当なことを言いやがって」と、怒っているようにも思われ、なかなか面白い。



さて抜粋です。

<みだりに洋行生の話を信ずべからず。

彼等は己の聞きたること見たることを、universal caseとして人に話す。

豈計らん、その多くは皆particular caseなり。

又多き中には法螺を吹きて厭に西洋通がる連中多し。

彼等は洋服の嗜好流行も分からぬ癖に、己の服が他の服より高き故、時好に投じて品質最も良好なりと思へり。

洋服屋にだまされたとは嘗て思わず、斯の如きものを着て、得々として他の日本人を冷笑しつつあり。

愚なること夥し。>



アメリカ人が、emailで、

「小さい頃は内気な性格で、はっきりと自分の意見が言えず、損をしてきた。

今は、自分の意見を言うように努力している」

と書いてきました。

<俺と同じジャン>と思いました。

シャイなアメリカ人だっているのは当然です。



リズム感のない音痴の黒人だっているはずです。

当たり前のことですが、なかなかそうは思えないところが、この文のミソです。

私たちは、paticular caseを吹き込まれていますから。




西洋人に対する私の誤解は、次のブログをご参照ください。

http://blogs.yahoo.co.jp/gakuyujp/46289829.html

gtkaudio at 03:15|PermalinkComments(0)欧米人 

2009年08月15日

Leak プリアンプ Point One Mono

イメージ 1

イメージ 2

イメージ 3

イメージ 4

イメージ 5

LeakのPoint OneモノラルプリアンプはメインアンプTL/12やTL/10と共に使用するよう作られた、Leakの中でもかなり古い時代のプリアンプです。

筐体は全て金属で、個人的好みかもしれませんが、落ち着いた良いデザインであると思っておりました。

残念なことがひとつありました。どうも音があんまりなのです。

Leakのプリアンプは、MM型カートリッジを使うことが出来ない最初期のRC/PAを除いて、RC/PA/U以降の全てのプリアンプを直したことがあります。

その中で、このPoint One Monoだけが、納得できない音なのです。

信号系のコンデンサーを全て絶縁抵抗のすばらしいオイルコンに換えているにもかかわらず、どうも良い音で鳴ってくれません。

お客さんに聴いてもらうと、帯域は狭いけど、これはこれでいいのじゃないかと仰います。

ただ、私が納得できませんから、売る気にならず、何台も手元に残ることになってしまいました。

その間、プレート電圧を上げてみたり、抵抗を全て新品にしてみたりしましたが、けっきょく納得できる音は出ませんでした。

Leak特有の旨みが無いのです。コクが感じられません。



今回他のプリアンプと比較して、異なる部分を探してみました。

最終段EF86の第1グリッドへの入力に違いがありました。

4番目の画像がPoint Oneです。5番目が、Varislope掘

Varislope靴0.01uFのハイパスフィルターが入っています。

Point Oneはコンデンサーが無く、直結されています。

Leakプリアンプの修理で経験しましたが、このコンデンサーは音に大変影響します。



そこで0.1uFのコンデンサーを入れてみることにしました。

常用しているTCCのセラミックエンドです。



変わりました。

今まで何年間も納得できなかった音が、変化しました。

これなら、コクも旨みもあります。

まさにLeakの音です。

回路のよく分かる友人に、ここにいれても問題は無いかと訊いてみましたら、問題ないけど、入れる必要はないはずだといいます。

問題なければ、音の良いほうにします。



友人は入れるとすれば0.01uFでいいとのことでした。

0.01uFは手持ちが底を衝いています。

もともと無かったものです。音で判断して、現在は英国Dubilierのセラミックエンド0.05uFを入れています。



これでようやくPointo Oneプリアンプも売ることが出来ます。

gtkaudio at 20:33|PermalinkComments(0)オーディオ 

2009年08月10日

彼方へ

塾の当時の話である。



「先生、あんまり面白いこと言っちゃダメよ」

中学時代の塾生で高校に合格後、久しぶりに塾に遊びに来た女子高生が言う。

塾生の頃は、男子生徒からわが塾のマドンナと呼ばれていた美人である。

声はちょっとハスキーで、ゆっくりした話し方であるが、頭が良いから、話は明確だ。

しかし、何のことだろう。




「高校の授業で、眠くなることがあるの。居眠りしそうになると、頭の中で、先生の声が聞こえてくるの」




「帰って来いよー」 って。




この声が聞こえると、彼女無意識にニヤニヤしてしまうそうなのである。

眠そうな顔で、ニヤニヤしていたら、危ない人に見える。

他の同級生に見られるんじゃないかと心配しているというのである。





なるほど分かった。


話はこうである。

彼女が中学3年の時、私が説明に入ると、必ずといっていいくらい居眠りを始める男子生徒がいた。

顔はこちらを向いている。徐々にまぶたが閉じてゆく。



ちゃんとイスに腰掛けた状態を保っているから、後ろから見たら、眠っているとは分からない。

長い修行の末に獲得した技術だ。

しかしこちらからはすぐ分かる。

しょうがないので、遠くに迷い去ってゆく人に呼びかけるように、





「おーい、どこに行くんだー」

「帰って来いよー」





と、目を覚まさせようとする。

なかなか目を覚まさない。

他の生徒たちが笑っている。

その笑い声で、そいつはようやく目を覚ますのである。





「今日はだいぶ遠くまで行ってきたみたいだな。300万光年彼方か?」

「いえ、そこまでは」 と、奴さん眠そうに答える。

「あまり遠くまで行くな。帰ってこれなくなる」





彼女はこのことを云っているのである。



「そうか。だけど他人を笑わせるのは、俺の属性だよ」



「ダメだって云われても、この口がひとりでにしゃべちゃうから無理だよ」

gtkaudio at 02:34|PermalinkComments(0)友人列伝 

2009年08月05日

中の島

自宅から、仕事場のオーディオ店へは自転車で行く。

途中、隅田川に架かる相生橋を渡る。

隅田川は、自宅のある中央区と、仕事場のある江東区の境界をなしている。

河口近くの川だから、川幅は広い。

かつて相生橋は、小さな島を経由して架けられた二つの橋からなっていた。

江東区側の橋の下はコンクリートで固められ、島は地続きになってしまった。

島ではなくなったが、今でも中の島と呼ばれている。




自宅から仕事場までの距離は近く、休むほどのものではないのだが、このごろしばしば中の島に立ち寄るようになった。

暑い日でも、中の島(公園になっている)に座っていると川風が気持ちよく、クーラー大好き人間の私でさえ、自然の風はクーラーより良いものだと分かる。

平手造酒も、利根の川風袂に入れて、自らの不遇をしばし忘れただろうと想像できるほどに気持ちよい。




50年以上前、小学生だった頃、よくこの中の島で遊んでいた。

ある日、ひとりで来たとき、木に毛虫が大発生しているのを見てしまった。

一匹見るだけでも総毛立つほど嫌いな毛虫を大量に見てしまって以来、ここには来なくなった。

小さい頃は、嫌悪の感情が激しいのである。




そのとき以来であるが、このごろ、晴れた日には毎日のように立ち寄るようになった。

先日、石のベンチに座って、一服していると、一羽のすずめが、私の正面、2-3メートル離れたあたりに来てこちらを窺っているようなのである。

かなりの時間、つかず離れずそこらあたりをうろうろしていた。

不思議な感じがした。今まで、鳥がこんな近くに寄ってくる経験がなかったのである。

ようやく飛んで行った。

しかし、先ほどよりは離れた所で、まだこちらを窺っている。




もしかして、誰かがここでえさをあげているのかもしれないと、想像してみた。

まだ立ち去らない。遠くからこちらを窺っている。

このすずめ、諦めた後で、他のすずめがえさにありつくのを見て、ひどく後悔した経験があるのかもしれない。

想像を確認するため、片手を挙げてみた。



驚いた。



一羽と思っていたのに、どこからともなく、4-5羽のすずめが集まってきたのである。




可哀想だが、あげるえさがない。

しばらく窺っていたすずめたちも、急にいなくなった。

とうとう諦めたか。

いや、違っていた。




カラスが来たのである。

弱肉強食ってやつですね。

今度はカラスが窺っている。

3-4メートル離れた石の上からこちらを見ている。

どちらにしても、えさがない。



さて、開店時刻を過ぎている、仕事に行こう。

gtkaudio at 05:34|PermalinkComments(0)オーディオ