2009年05月

2009年05月28日

Mullard ECC83/12AX7 ラウンドゲッター

イメージ 1

イメージ 2

イメージ 3

イメージ 4

画像をクリックすると拡大されます。小さくて見にくいときには拡大してください。



前回、スクウェアーゲッターを紹介しましたので、Mullard ECC83のラウンドゲッターを手持ちの中から探してみました。

コードはほとんどがBコードです。コードの無いものは省きました。

写真右から説明いたします。

右端の1本は、ボックスプレートスクウェアーゲッターです。

前の紹介のとき忘れましたので、追加しました。

スクウェアーゲッターのつくりが前回のものとは異なります。

コの字型ポストの上に、正方形のゲッターが、角近くの2点で溶接されています。

ポストは、下2点で支えられています。

コードは、640 R5Eと書かれてあります。

Mullard Mitcham工場製です。



隣の2本は、ロングプレート ラウンドゲッターです。

コードは、f91 B8BとB8Fと書かれてあります。

下2点で支える、この字型のポストの上に、円形のゲッターが、2点で溶接されています。




中ほどにある次の2本は、ショートプレート ラウンドゲッターです。

英国から来るアンプには、これが一番多く使われています。

コードは、共にI61 B2C1です。

円形のゲッターが、1本のポストで支えられています。


心臓のマークが古いものと新しいものでは若干異なるのがお分かりになると思います。

ショートプレートになってから、ハートのマークの幅が広がり、書体も変化しています。

一番右のボックスプレートのマークは、新しい方に似ています。比較的新しいものかと思われます。



左から、3,4番目の次の2本は、ショートプレート ラウンドゲッターです。

コードは、I63 B2L1とB0H2です。

ハート(心臓)のマークが一新されています。

円形のゲッターが、1本のポストで支えられているのは、前の2本と同じですが、鏡面が広範囲になっています。

細かくて見にくいのですが、円形のゲッターが2重巻きされているようにも見えます。

これが最も新しい時代に作られたMullard ECC83です。最終の型です。

ZaerixはDealerで、様々な真空管メーカーの製品を自社のロゴをつけて販売しておりました。



左端の2本は、Mullard製ではありません。

2本のうちの右側は、管底にダイアマークが付いています。テレフンケン製です。Philipsに属しておりませんので、コードはありません。

左側は、蓜沺璽ですので、Philips Heerlen工場製です。

これら2本には、foreign madeと書かれてありますので、この時代は、まだ正確に書かれていたようです。


MullardのECC83は他社の真空管と比較すると、ガラスが茶色っぽい感じがします。


Mullard(Philips)コードに関しては、次のサイトを見てください。

http://www.cs.helsinki.fi/u/oheinone/valves/pvm-coding.html


ZaelixとTungsramのアップを追加しました。

B0H2とB8Fのコードが確認できます。

2つの真空管がMullard ブラックバーン工場製であることを、Bのコードが示しています。


以上です。

gtkaudio at 19:39|PermalinkComments(0)オーディオ 

2009年05月21日

Mullard ECC83/12AX7 ロングプレート スクウェアーゲッター

イメージ 1

イメージ 2

イメージ 3

海外のオークションで、久しぶりにMullardのECC83を見てみました。

Long Plate Square Getterの値段が高くなっているのに驚きました。

固定の価格が多く、1本で出品しているものが150ドルほどです。

2本組のもので、525ドルというのもありましたが、これは買う人はいないと思います。

すごい人もいますから、そうでもないのかもしれません。

とにかくすごい値段ですね。



私はECC83に関しては、以前ブログにも書きましたが、Telefunkenが最高であると思っておりました。

Leakのメインアンプには、オリジナルでMullardが使われておりました。TelefunkenのECC83に替えたほうが音がよいのです。

マッキンの75を持っていたときも、TelefunkenのECC83に換えたときの音の変わりように驚いた覚えがあります。

ですからECC83はTelefunkenと決めておりました。



Quadの真空管アンプの調整を行っていて、認識を改めました。

QC兇22のプリアンプでは、Mullardのほうが重心の低いどっしりとした音が出てきます。どう考えても、MullardのECC83のほうが音が良いと思いました。

結局相性なのでしょう。何が何でもこれ、というのは無いのですね。



さて、Mullard ECC83 Long Plate Square Getterについてです。

以前、PYEのブラックボックスについていた廃棄値をかなり下回るECC83が、このアンプでは他の測定値の良いECC83より、音の鮮度もダイナミックさも勝っておりました。

それが、Long Plate Square GetterのMullard ECC83でした。

ブラックボックスを売るときに、測定値は悪いですが音が良いと断って、このECC83をつけて差し上げました。

音を聴いたお客様も納得されておられました。



それで、海外のオークションで探し、値の良いものを買いました。

測定値の良いものなら、もっとすごい音がすると推測しました。

当時でも、1本10,000円近くするものが多く、なかなか買えませんでした。

オークションで入札し、ようやく、1本7,500円ほどで2本買うことが出来ました。

使ってみてがっかりしました。さっぱり良くないのです。

PYEのアンプでのあれはなんだったのかと思いました。

これで熱が冷めてしまいました。



今思えば、アンプとの相性だったと思います。

多分、相性が合えば、すばらしい音がする真空管なのです。

Quadでは、あまり良いとは感じません。

ショートプレートラウンドゲッターですばらしい音がします。



さて、写真の説明です。

画面をクリックすると拡大してみることが出来ます。細かいところが良くわからないとき、クリックしてください。

ゲッターですが、真空管の上方に鏡面が出来ています。この鏡面をゲッターと呼ぶときもあれば、そのすぐ下に見える光沢のある金属部分をゲッターと呼ぶときもあります。

ECC83では、この金属部分の形で、四角い形をしていれば、スクウェアーゲッターとかDゲッターと呼ばれています。

これはECC83の最初期に作られたものです。鏡面が半分しか出来ません。



それに対して、比較的新しいECC83は光沢のある金属部分が丸い形をしています。こちらのほうが、断然数が多いのです。その形から、ラウンドゲッターとか、Oゲッターと呼ばれています。

写真の右3本は、Bコードの上に、mC1と書いてあります。

その隣の1本は、ショートプレートラウンドゲッターです。プレートの長さの比較のために載せました。

さらに隣の2本は、Bコードの上に、f 91と書いてあります。

一番左の2本は、Bコードがありません。英国の古いアンプについていたものですから、Mullard製であると思いますが、真偽の程はわかりません。ブラックプレートです。鏡面が全面に出来ています。



比較のための1本を除いて、全て、Long Plate Square Getter ですが、それぞれに違いがありましたので、紹介いたしました。

gtkaudio at 18:58|PermalinkComments(0)オーディオ 

2009年05月17日

聴講生

卒業はしたけれど、何をしたら良いのか分かりません。

聴講生となって教職の単位を取るというのも、積極的な動機ではなく、猶予期間を延ばすためだけだったように思います。

会社に入って出世することなど、つまらないことに思えました。

というより、私には、出世する能力はないのだと、後になって気づきました。

他人の心を読むことには、自信がありましたので、教職が向いていると思っておりました。



教職のための必要な単位はそう多くありませんでした。

空いている時間、アルバイトをしなければなりません。

小さな設計事務所に入り、トレースなどをして生活の糧は手に入れました。



この年、学費が値上げになったのです。

年額12,000円であった学費が、一挙に3倍の36,000円になりました。

卒業していなければ、入学時の学費のままでしたので、年間12,000円ですみましたが、聴講生になって払った学費は、値上げのせいもあったのでしょう、16,000円弱でした。

費用の面では、卒業しないほうが良かったことになります。

まあ精神的負担を考えると、この差額は安いものでした。



教養時代から一番仲の良かった友人は、東京の造船会社に就職して、去っていきました。

私たちの時代は、就職試験ものんびりとしたものでした。

その会社の面接での話です。


現在のように、会社の情報を細かく調べるなどの周到な用意はしておりません。

彼は、志望動機として、「佐世保の造船所に行きたい」と述べたそうです。



面接官の返答に、彼はどうしたらよいか分かりませんでした。

呆然としてしまったそうです。

大きな会社ですから、当然あるだろうと推測したのです。



「うちの社は、佐世保に造船所をもっておりません」



うーん、それでも合格したのですから、不思議です。

gtkaudio at 03:22|PermalinkComments(0)友人列伝 

2009年05月08日

落ちていた単位

卒論も終わり、あとは卒業を待つばかりでした。

何のためであったかは忘れましたが、学科の卒業を待つ学生全員が登校する日がありました。

勉強以外で学校に行くのは昔から大好きです。みんなに会えます。

私が行くと、他の奴らは先に来ていました。



彼らから知らされました。

私は単位を落としているのだそうです。

卒業できないことになります。

教授が部屋に来るようにと云っている、とも伝えられました。

落ちているなら仕方ありません。もう1年やるだけのことです。

どこも受けていないのですから当然ですが、就職も決まっていなかったのです。

卒業したら、聴講生として、教職単位を取るつもりでいました。



あの追試騒動のとき、3科目中2科目は追試が行われましたが、残りの1科目は、音沙汰がありませんでした。

テストを受けていなかったのですから、考えてみれば落ちているのも当然ですが、いまさらという感じがしました。

就職が決まっていれば、この時期に言われることが、最も打撃になります。

その教授、自分の力を示したかったのかもしれません。

まあ、つまらん人間です。



他の奴らが、とにかく行ってみろといいます。

気は進みませんが、行くことにしました。

どんな顔で宣告するのか、興味があります。



「もう1年やるかね」

「先生がやれというなら、やりますよ」

「きみにいられるのも困る」



「どうだ、レポートでも書くかね」

「先生が書けというなら書きますが、私のレポートなど、先生読みたいですか」

「読みたかない」

「そうでしょう、それなら止めましょう」



「もういい、単位はやる」

「そうですか、失礼します」

gtkaudio at 04:06|PermalinkComments(0)友人列伝 

2009年05月07日

Quadプリアンプの0.01uF, 0.005uF

イメージ 1

Quadのアンプで、コンデンサーを交換した際、最も音に影響を与えるコンデンサーは、22やQC競廛螢▲鵐廚ECC83の1から7に向かう小さなコンデンサーであることは、以前のブログに書きました。

私が使っているコンデンサー以外にも良い音のするコンデンサーが無いものかと、手持ちのコンデンサーを探してみました。

オイルコンは、このように小さな値をわざわざ購入したことがありませんでしたので、手持ちはありません。持っているのは0.05uF以上です。

以前、値はわかりませんが、マイカコンを20個ほどまとめて購入したことがあります。

それを見つけて、値を測定してみました。

5000pF(0.005uF) 7個と0.01uF 1個が見つかりました。



写真のコンデンサーが今回見つかったコンデンサーです。

値にばらつきはありますが、0.01と書いてあるのが0.01uFで、あとは全て5000pFに近い値のものです。

右上にある薄い板状のコンデンサーは、古いLeakのプリアンプにも付いておりますので、英国製だと思いますが、後の2種類は、どこの国で作られたものかわかりません。

とにかく3種類でテストしました。

5000pFは単独と、パラレルにして0.01uFで、それぞれテストしました。

テストはQC兇嚢圓い泙靴拭



結論から言いますと、良い音がします。

手持ちがほとんどなくなってしまったオイルコンほどではないにしても、オリジナルの音?よりもずっと良い音に私には感じられます。

写真下側の0.01uFはちょっともやがかかって聴こえました。

上の2種類が良かったです。それも5000pF単独のほうが良いように感じました。

劣化のせいでしょうか、同じ種類でも、音に若干の違いがあります。



私は気が短いほうですので、ほとんどエージングはやらずに判断しました。

エージングをすればまた違ってくるかもしれません。

もう一度言います、Quadのアンプの音は、プリアンプのECC83の1から7に向かうコンデンサーがカギを握っています。

gtkaudio at 18:34|PermalinkComments(0)オーディオ