2009年04月

2009年04月30日

Quad22プリアンプ

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QC競廛螢▲鵐廚離ップリングコンデンサー変更により、好みの太い音が出ましたので、22プリアンプでも試してみました。

0.1uF 2個と、0.05uF 2個はすでに取り替えてあります。

この状態では、オリジナルと比べて大きな変化はありませんでした。

最も変化するところは、ECC83の1から7に向かうカップリングコンデンサーのはずです。

回路図で見ると、QC兇0.01uFでしたが、22では5000pF(0.005uF)が使われています。

うれしいことに、0.005uF 1000Vは1個だけですみます。ステレオで2個です。

Leakのモノラルプリアンプから外したものを使います。



ここのコンデンサーを外してみて驚きました。

写真のスチロールコンデンサーが付いていました。

820と書いてあります。820PF?測定すると847pFでした。

回路図と全く異なります。

配線の状態からオリジナルと思っておりましたが、取り替えてあったのかもしれません。



0.005uF 1000Vに交換しました。QC兇汎瑛諭∨召澆硫擦出てきました。

静逸で、かつ太い音です。



Quadは、コンデンサーを交換しても、音にたいした変化は無いアンプといわれています。

それはオリジナルの音(今となっては本当のところはわかりませんが)という良い意味で使われることのほうが多いのですが、もっと太い音で聴きたいと思われる方は、ECC83のカップリングコンデンサーを、音が良いといわれているコンデンサーで交換してみてください。

このコンデンサーがカギを握っているようです。

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実験

鉱山から持ち帰った試料を使って、実験することになります。

実験方法は他の結晶でやられたものがありましたので、それに従って実験するだけのことです。

工学部の院生が、実験装置を作っておられました。

その実験装置を使わせてもらいます。

方鉛鉱を樹脂で固定し、3mmほどの薄片にし、電極をつける作業をしました。

全て手作業です。

手作業は大好きですから、のめりこみました。



大まかなことを言えば、方鉛鉱結晶の熱起電力を測定しようというものです。

方鉛鉱(PbS)は半導体的性質を持っています。

Sを含む結晶は、この性質を持つものが多いのです。

温度差をかけると起電力が発生します。

さらに、結晶の成長過程における環境の変化があるため、うまくエッチングをすると、単結晶に、年輪のようなものが現れます。

年輪の層によって、熱起電力が変化します。プラスマイナスが逆転することさえあります。

苦労したのは、エッチングの方法でした。

電気分解ではうまく行かず、酸を使って、ようやく年輪が出てきました。



残り物で入った研究室にしては、面白い所に来たもんです。

理系的世界とのつきあいは、これで最後にしようと決めておりました。

最後だと思うとがんばれるものです。

ほとんどの時間を研究室で過ごしました。

頭は使わず、肉体労働に終始しました。



傍目には、人変わりがしたように思えたかもしれません。

助手を通して、教授から、卒業したら研究生として残り、大学院を受験するように言われました。

もちろん断りました。自分の能力は分かっております。

肉体労働方式が効きすぎただけのことです。



次に云われたのは、ある会社の尼崎の研究所に入らないかとのお話でした。

教授に就職の世話をしてもらう気持ちは、まったくありません。

それに、わけの分からないテクニカルタームの弾丸の飛び交う中で、首をすくめている自分の姿を想像するだけでおぞましい気分になります。

そんなところに入ったら、面白いことを言って人を和ませるだけの駄目研究者になってしまいます。

断りました。人間どうにか生きて行けます。



関東育ちの人間にとって、尼崎と釜ヶ崎の区別がつきませんでした。

ドヤ街か、すごい所に研究所があるもんだと思いました。

もちろんこれが断った理由ではありません。

どちらかといえば、私は、尼崎より釜ヶ崎のほうに親しみを感じてしまう人間です。

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2009年04月23日

QuadⅡメインアンプとQCⅡモノプリアンプ

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この一ヶ月ほどは、Quadの毎日でした。

恥ずかしながら、Quadの真空管アンプは聴いたことがありませんでした。

トランジスタアンプは持っていたことがあったのですが、あまり良い印象はありませんでした。

今回ひょんなことから、オリジナルの状態のQuad兇QC兇手に入り色々と試してみました。



始めはコンデンサーを取り替えるつもりはありませんでした。

オリジナルのQuadがなかなかの音で鳴ってくれたのです。

ただ、メイントランスが熱を持ち、触れないほどになってしまいましたので、メインの最終段コンデンサーを絶縁抵抗2,000MΩを超える英国製オイルコンに替えました。

音に大きな変化はありませんでした。



それで聴いておりましたが、日が経つにつれて不満な部分が出てきます。

個人の好みに属する部類の問題なのでしょうが、私は音に太さが感じられないと、満足できないほうです。

Quadにこれを求めてはいけないかもしれませんが、低音にも不満がありました。あまりに出なさ過ぎです。



それで、メインもプリも、カップリングコンデンサーはすべて上記の英国製コンデンサーに交換しました。

写真にありますHuntsの0.1uF 350Vがオリジナルとして付いていたものです。これを全て交換しました。ステレオプリメインで10個です。

0.01uF 400Vは、狭いところに付いております。

これもカップリングコンデンサーですが、適当なものが無く、小さな値ですし、あまり影響は無いのかと思い、交換しませんでした。



だいぶ音が明確になり、低音も少しは出てきましたが、オリジナルの音と大差はありませんでした。

Quadは、こういう音を目指していたのかもしれない。これはこれで立派な音ですし、これで聴いていようかと思い始めていました。

ひとつだけ引っ掛かりがあります。あの0.01uFです。

最後に取り替えてみる気になりました。



手持ちとして適当なのは、Mullard Mustardです。フィルムコンですから小さい。

取り替えました。

あまり変わりません。

Plesseyの0.05uF 350Vオイルコンでやってみました。少し大きいのですがかろうじて入ります。

かなり良くなりました。



これでだいぶ変わったことから、Leakのプリアンプに使っている0.005uF 1000Vをパラって使ってみる気持ちになりました。

Leakでは驚くほどの変わりようでした。ただし大きい。1個でも無理なのに、2個ですから到底入りません。

テストですから、カバーはしないでチョン付けしました。



音の世界が変わりました。静逸で、太い音です。

私が求めていた音です。



店でLeakを聴かれたお客様が、一様に太い音だと仰います。

Quadは、KT66のせいでしょうか、それよりもさらに格調高い音に聴こえます。

耳の良い友人に聴いてもらいました。

EsquivelのString Aflameを聴いてもらいました。

「すごいなあ。オーケストラがそこに見えるよ」といいます。

これは私にわからない世界です。

多分、これは才能です。私には無いものです。



0.01uFを小さな値であるからと、重視しなかったことは間違いでした。

ただ残念なことは、0.005uF 1000Vは、あれだけ山のようにあったのに、これで底を衝いてしまいました。

Leakのプリアンプに使ってしまったので、仕方ありません。

たくさんあったとき、コンデンサーを購入された方におまけで付けてしまったのは失敗でした。

英国コンデンサーは、数が少ないですから、単独で売るのはやめます。自分で使うので精一杯です。



最後の写真の、Plessey 0.02uF 750Vでしたら、お譲りできます。

たくさんありますが、唯一の欠点は、音が悪いことです。

英国から購入する際は、音を聴いてからではありませんから、こういうのもあります。

外見は、他のオイルコンと変わらず良いのですが、理由はわかりません。

メタルパックです。

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2009年04月19日

帰りの電車で

鉱山からの帰り道です。

始発駅で電車を待っています。

入ってきました。当然座れました。

目的地は、終着駅ですので、ゆっくりと座って帰れます。



ホームの向かい側にも電車が入ってきました。

助手さんひらめいたみたいです。動物的勘てやつですかね。

「あっちのほうが早く出発する。むこうに乗り換えよう」

「面倒ですよ、ゆっくり座っていきましょうよ」

私、尻が重たいほうです。助手さん、軽い。

「いや、早く着くほうがいい。乗り換えよう」

こういうことは人任せの性格ですので、そんなに云うならと思い、乗り換えることにしました。



早く出発するだけに、席は空いていませんでした。

立って帰ることになります。まあそのうち席は空くでしょう。

しばらくして、発車の時刻が近づき、車内アナウンスがありました。

確かに早く出発するのだが・・・・。



うーん、方向が逆。



急いで、元の電車に乗り換える。

助手さん、手足がばらばらになったようなおどけた走り方で、向かいの電車に急ぐ。

席は空いていない。

この人、やっぱり、俺より軽忽だ。

いたずらが見つかった子供のような顔をしてこちらを見ている。



ここが大事なところだ。

気づかない振りをして、黙っている。



実は、こういうの嫌いじゃない。

どちらかというと好きなほうである。

友人とだったら、笑いあっているところだ。

助手さんの性格、グッドである。面白え。


まあ、これからのこともある、ここは黙って不満そうにしていることにする。

弱みは握った。いい土産話が出来た。



今回の旅は、まさに弥次喜多道中でした。

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2009年04月13日

もぐる

さて、地下にもぐります。

大きな坑道から入っていきました。

まず感じたことは、外の暑さに関わりなく、涼しい。

いや、寒いくらいです。吐く息が白い。

これに感動した私は、「吐く息が白いですよ。氷点下ですかね」



そのときの私は、理系モードではありませんでした。

涼しさ、いや寒さをオーバーに言ってみただけのことです。

相手が悪かった。助手さん、頭からつま先まで、理系モードの人間です。

私の言葉をさらっと聞き流してくれません。聞きとがめた。

さも馬鹿にしたように、「水蒸気が水になる温度は?」



面倒ですが、答えないわけには行きません。

理系モードに戻してと、中学の知識だ。

「露点。飽和水蒸気量との関係ですね」

答えても、私に対する軽蔑した顔は変わりません。

ウーン、先が思いやられる。



坑道はどんどん狭くなってゆきます。

梯子を伝い、垂直に降りてゆくところもある。

閉所恐怖症の気があるのですが、それは隠して助手さんの後をついていきます。

助手さん、どんどん行きおる。複雑な坑道を知り尽くしているようです。

はぐれたら、途方にくれる。

気持ち的には、助手さんの袖をぎゅっと握っていたいところですが、嫌がられるだけですから、やめときました。



時々、ドーンと発破の音がして、わずかですが、その振動が伝ってくる。

昔習った短歌を思い出す。

「きょうはなやきそ、若草のつまもこもれり、われもこもれり」

違っていたかな、まあ、こんな心境です。

「きょうはなはっぱそ、ひげ面の助手もこもれり、われもこもれり」

閉所恐怖症の俺が入っているうちは、発破はやめてほしい。



30畳ほどもある広い所に着きました。

坑夫が一人、削岩機で鉱石を採取している。

ここが坑道の最先端部分である。

坑夫の後ろには、石炭より小さな大きさの鉱石が積んである。

お断りして、その鉱石を拾わせてもらうのである。

胡散臭げにじろりと見られたが、まあ許してくれたらしい。



助手さん、良いやつを選んで拾えという。

<俺にどれがいいかなんて分かるはずがない>

後から分かったことは、方鉛鉱の単結晶を選ばなければならなかったのです。

そんなこと知りませんから、助手さんが選んだやつを適当に拾った。

今思えば、ここが卒論でよい結果が得られるかの分かれ道でした。



サンプルも取ったし、後は帰るだけ。

帰りは、小さなエレベーターに乗った。

箱にはなっておらず、鳥かごみたいなエレベーターだった。

出た所は、入ってきた所とは違う。

丘の上に出た。

たけの低い草が、緑のじゅうたんをなし、日は高く、心地よい風が吹いている。

美しさに、感動した。



この感動が、私に余計なことを口走らせるのである。

「こんな良い天気の日に、なに、地下になんかもぐってるんだ」

シマッタ。

助手さん怒ってるだろう。

顔を見た。

怒っていた。



「何で、うちの研究室に来たんだ」

<しょうがない、事実を話そう>

「みんなが決めて、空いていたのがうちの研究室だったんですよ・・・・迷惑ですか?」

「迷惑だ」

う、そうか・・・・この人、婉曲表現ってものを知らないらしい。

人間関係の潤滑剤なんだけどな。



しょうがない、どうにかしよう。

「まあ、そう云わずに、あたしみたいな人間との付き合いも、面白い所があるもんですよ。楽しくやりやしょう」

助手さん、あきれたみたいです。

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