2007年08月

2007年08月07日

Decca ffssカートリッジの使用法

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高校時代のことです。世界史の教科書に、フランス革命の成果の一つとして「百科事典の編纂」と書いてあるのを見て、革命とはなんともそぐわない、不可思議なことに思えました。

おそらく先生は授業中に説明したのでしょうが、私は昼行灯で、授業中はほかの事を考えているか、ボーとしているのが常でしたので、聞いてはいませんでした。

何十年も経って、本を読んでいたら、ギルドの中で秘匿されていた技術を公開し、誰でもがその知識を得ることが出来るようにしたことに百科事典編纂の革命性があったとわかりました。

日本のオーディオ界も、もう少し公開する方向性があれば、やってみようとする人も増えると思うのですが、甘いですかね。


そんなわけで、Deccaのカートリッジやアームの取り扱いについて、書いてみます。マニュアルにある基本的なことです。



MK1 Super Pick-up Arm

MK1やMK2のステレオ3.5g、MK1モノ3.0g、MK1SP5.0gのどれかで、適正針圧になるようネジを緩めたメインウェイトを前後させます。

適正針圧になったら、ネジを締めてメインウェイトを固定します。

あとはカートリッジを替えても針圧調整の必要はありません。

DeccaのアームはDeccaカートリッジ専用ですから、1個を調整したら、すべてが適正針圧になるようにシステム化されています。それぞれカートリッジの自重が決まっています。

このアームはMK3に対応しておりません。

MK3もシステムに含めるため、メインウェイトに乗せるサブウェイトが販売されておりました。

下から3番目の写真をご参照ください。MK3を使うときだけ、このサブウェイトをのせます。

これはMK1やMK2と、MK3を混用するためのアダプター(サブウェイト)です。

MK3のみを使う場合、適正針圧2.0gに調整すれば、必要のないものです。



アームとレコード盤面とが平行になるように、アームの軸を上下させて調整してください。

軸を支えるベースには製造時期の違いでしょうか、固定ネジが2箇所の場合と1箇所だけしかない場合があります。

固定ネジ2箇所のベースを扱うとき、1箇所だけネジを緩めて力を入れると、もう1箇所のネジで軸を傷つけることがありますので、ご注意ください。

正面から見てカートリッジが左右に傾いているときは、アームの先端近くにあるネジを緩め、傾きがなくなるよう調整してください。



Professional Pic-up Arm

MK3の登場によって、新たに作られたアームです。

Sliding WeightをGroove'Y'の位置にし、ネジを緩めたメインウェイト(Coarse Balance Weight)を前後させ、大まかな水平バランスをとります。

メインウェイトのネジを締めて固定します。

次にFine Balance Weightをまわし正確に水平バランスをとります。

Sliding WeightをGroove'X'にして、MK1,MK2を使用します。

Groove'Z'でMK3を使用します。


DeccaのアームはDeccaカートリッジしか使えませんが、その限りにおいては大変使いやすいアームです。



カートリッジの腹に書かれたシリアルナンバーの前に、DやMのコードが書かれています。その対照表です。

MK1 Stereo D  3.5g
MK2 Stereo M  3.5g  
MK3 Stereo ED  2.0g
LP(mono)   X  3.0g
SP(78RPM)  Y  5.0g
LP楕円針  EX  ?
H4E, SH4E     1.75g

モノラルの楕円針は、いまだ見たことがありません。

カートリッジのデータを追加しました。
MK1のデータはありませんが、MK2と同様です。

画像が見にくい時は、拡大して見てください。

gtkaudio at 19:32|PermalinkComments(0)オーディオ