ダルトン トランボ第23回 2017 真空管オーディオフェア チラシ

2017年09月24日

電解コンとオイルコン


私が調整したアンプはすべて、カップリングコンデンサは当然のこと、電源部の電解コンデンサも、英国製オイルコンデンサに交換してある。

オイルコンは、同耐圧、同容量の電解コンデンサに比べると、その大きさは30倍以上になる。

当然、アンプの中に納まらないから、アンプの下に木製の台を付けて、その中にオイルコンを並べてある。

私が好む太い音、情趣を感じさせる音を追及した結果である。

オーディオマニアのすべてが、この種の音を好むかといえば、そうではないとわかっている。

細くてきれいな音を好む人もいるのだ。

ただ、私が心強く感じるのは、かつての名器と呼ばれるアンプを聴くと、必ずと言ってよいほど、太く情趣をもった音がしていることである。


ところが、私の好みの音を出してくれる古いオイルコンデンサにも問題がある。

ひどく高価である。

ともすれば、購入したアンプと台に付けたオイルコンが同じ値段になってしまうことだってある。

こんな状態だから、私のオーバーホールしたLeak Stereo20は、35万円もする。

手のかけ方が違うから、決して高くはないが、通常売られているものに比べれば、高いと感じてしまう。

ただし、そんじょそこらのリークの音とは全く違う。

まあ、わかる人にはわかるからそれでいい。

わからない人にいくら聴かせたってわからない。



お客様との取引で、なるほどわかってくださるかと感じた場面があった。

電気知識の十分ある人に作ってもらい、私が音の調整をしたPX4シングルアンプがある。

店に来られた懇意のお客様、私から購入されたLeak Stereo20をお持ちで、満足されているのですが、PX4シングルアンプで安物の楕円スピーカが鳴るのを聴かれて、違った良さを感じられたらしく、購入したいとおっしゃった。

机の上に置いて楽しみたいとのことである。

ただ、オイルコンの台が付いたものでは、あまりに高価なので、台を取っ払い電解コンにするようにと指示をいただいた。

音のレベルは落ちてしまいますが、お客様のご要望ですから、従いました。

いくつかの電解コンを試し、これなら満足してもらえるかというレベルの音にしました。

さて、聴いてもらいました。

ダメでした。

お客様、情緒感が消えてしまったとおっしゃる。

この音だったら、買ったとしても、Stereo20しか聴かなくなってしまうとのことです。

やはり電源部をオイルコンにした音が断然良いとのことでした。

はからずも、私が目指していることを実証してくださる言葉でした。

無駄にお金をかけているのではないと、わかっていただけたのです。

お客様、次の指示は、もっと小さな台にして前のオイルコンに戻すようにとのことでした。

私の意図を分かってくださったのですから、喜んで元に戻しました。

小さな台にしましたから、オイルコンをギシギシに詰め込みました。

今日聴きに来られ、音が元に戻ったと、納得されて持って帰られました。



お客様、電源部を電解コンとオイルコンにしたものをそれぞれ作り、比較したら、皆さん納得するとおっしゃる。

それはない。

わかる人にはわかるけれど、わからない人にはそんなことをしたってわかるものではない。

わかる人は、比較しなくたってわかる。

私のお客さんはそういう人たちだ。



音の好みは、人それぞれである。

フィルムコンで修理した真空管アンプで十分だという人もいる。

それで楽しめるならば、幸せというものである。

フィルムコンならば、安上がりだし、電気的性能はこの上なく良い。

私の店は、それでは満足できない人たちのためにある。

音は、感覚でとらえるもの、芸能芸術的世界に属するものと、私は思っている。

論理や理論でとらえるものではない。



PX4のシングルアンプ、昔YouTubeに載せた映像がありますのでお聴きください。
モノラルです。濃厚なモノラルの音は大好きです。

次は、お客様の聴かれた楕円スピーカーです。



gtkaudio at 01:49│Comments(0)オーディオ 

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