2016年02月07日
芸術、芸能
芸術と芸能について考えている。
本質的な意味において、芸術と芸能に差異はないというのが、私の考え方である。
その本質は、自己表出である。感覚の領域である。
一般に考えられている、芸術は上位に位置し芸能は下位などという馬鹿げた考え方を、私はとらない。
能や歌舞伎は、世界で認められたから、芸術分野に昇格させようなどという芸術側の思いあがった考えには嫌気がさすほうである。
だいたい、ジャンルで上下関係が決まるなどありえない話だ。
その分野に従事する個々の人間の覚悟の問題であり、他人(ひと)の心をどれだけ揺すぶることができるかの問題である。
その他人(ひと)の心とは、未来の他人(ひと)である可能性もあるのだ。
時代を先取りして歩む真の芸術家や芸能家が、貧困に喘ぎ、蔑(さげす)まれてきた例など枚挙にいとまがない。
後世になってようやく評価されるのである。
創造の苦しみに耐えながら、日々努力する芸能家や芸術家もいれば、俺は偉いんだと、ふんぞり返っている馬鹿者もいるということだ。
ジャンルではなく、個々の人間の問題である。
現代においては、芸術という言葉は鼻高々、芸能という言葉はちょっと控えめ、の語感がある。
芸術という言葉には、スノッブさがつきまとう。
芸事に関する限り、「俺は河原乞食なんだよ」と自嘲する人間のほうが、信用できると私は思っている。
芸術は上で、芸能は下などという考え方は間違っている。
能や歌舞伎が、芸能から芸術に昇格する筈もない。
移ったとしたら、ただ横に移動しただけのことである。
gtkaudio at 18:06│Comments(0)│欧米人








