2009年03月02日
合宿
塾の頃の話です。
良い気分でマイクロバスを走らせていました。
合宿です。総勢10数人。高校3年の受験生を連れて西伊豆、土肥の近くの合宿所に向かっている。
沼津インターで降りる予定です。
もうそろそろだなと思ってから、気が緩んだらしい。
女子生徒が叫んだ。「どうして海が見えるの?」
ん? 見えるはずが、な --- 左手に海が見える。
生徒は驚いても、私は驚かない。私の運転はいつもこうである。通り過ぎた。
次のインターで降り、引き返した。
無事着いて、2日目の夜のことだ。
その日の課題も終わり、夜11時ごろだったと思う。
男子生徒数人が、クワガタを採ると言って、外に出て行った。
ここは山の別荘地、外は漆黒の闇である。
女子生徒達は隣の部屋で、寝る用意を始めている。
ゆっくりとした時間である。のんびりしていた。
突然、一人の男子生徒が、血相を変えて帰ってきた。
「やーさんが」
すわー、---ヤクザに絡まれたか。
個人的には、あまりかかわりを持ちたくないが、教師としては肝は据わっているつもりだ。
生徒が絡まれているからには、助け出さなければならない。
生徒のあとを、現場に急いだ。
生徒の一人が、坂の上に倒れていた。
やーさん(ヤクザ)はいない。
いや、いる。
倒れている本人が、「やーさん」である。
あだ名を「やーさん」という。
それはいつも生徒たちが言うのを聞いて知っている。
「やーさん」をヤクザと思ったのは、自分の臆病のなせる業である。
意識のはっきりしない生徒を抱えて、まずは合宿所に連れ帰った。
救急車を待っている間に、生徒から経緯を聞いた。
暗闇の中、驚かしたらしい。
懐中電灯を持っているのは一人しかいなかった。
そいつが、自分の顔を懐中電灯で下から照らし、当の生徒の前に急に現れたのである。
気絶した。ばったり倒れてしまった。
「やーさんが」と知らせに来たのが、懐中電灯の生徒である。
まあ仕方がない。
生徒達には、「症状が重いようなら、合宿を切り上げ帰るから、整頓しておいてくれ」と頼み、付き添って救急車に乗った。
隣町の病院で診断を受け、事情が分かった。
時々発作を起こす持病を持っていたのである。
緊張してはいけないのに、驚かされて、緊張が極みに達してしまった。
打ち明けることも出来ず、おおごとになり本人が一番つらかったと思います。
合宿は中断することなく、最後までやりました。
良い気分でマイクロバスを走らせていました。
合宿です。総勢10数人。高校3年の受験生を連れて西伊豆、土肥の近くの合宿所に向かっている。
沼津インターで降りる予定です。
もうそろそろだなと思ってから、気が緩んだらしい。
女子生徒が叫んだ。「どうして海が見えるの?」
ん? 見えるはずが、な --- 左手に海が見える。
生徒は驚いても、私は驚かない。私の運転はいつもこうである。通り過ぎた。
次のインターで降り、引き返した。
無事着いて、2日目の夜のことだ。
その日の課題も終わり、夜11時ごろだったと思う。
男子生徒数人が、クワガタを採ると言って、外に出て行った。
ここは山の別荘地、外は漆黒の闇である。
女子生徒達は隣の部屋で、寝る用意を始めている。
ゆっくりとした時間である。のんびりしていた。
突然、一人の男子生徒が、血相を変えて帰ってきた。
「やーさんが」
すわー、---ヤクザに絡まれたか。
個人的には、あまりかかわりを持ちたくないが、教師としては肝は据わっているつもりだ。
生徒が絡まれているからには、助け出さなければならない。
生徒のあとを、現場に急いだ。
生徒の一人が、坂の上に倒れていた。
やーさん(ヤクザ)はいない。
いや、いる。
倒れている本人が、「やーさん」である。
あだ名を「やーさん」という。
それはいつも生徒たちが言うのを聞いて知っている。
「やーさん」をヤクザと思ったのは、自分の臆病のなせる業である。
意識のはっきりしない生徒を抱えて、まずは合宿所に連れ帰った。
救急車を待っている間に、生徒から経緯を聞いた。
暗闇の中、驚かしたらしい。
懐中電灯を持っているのは一人しかいなかった。
そいつが、自分の顔を懐中電灯で下から照らし、当の生徒の前に急に現れたのである。
気絶した。ばったり倒れてしまった。
「やーさんが」と知らせに来たのが、懐中電灯の生徒である。
まあ仕方がない。
生徒達には、「症状が重いようなら、合宿を切り上げ帰るから、整頓しておいてくれ」と頼み、付き添って救急車に乗った。
隣町の病院で診断を受け、事情が分かった。
時々発作を起こす持病を持っていたのである。
緊張してはいけないのに、驚かされて、緊張が極みに達してしまった。
打ち明けることも出来ず、おおごとになり本人が一番つらかったと思います。
合宿は中断することなく、最後までやりました。
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