英国オイルコン(Deccaアンプの修理)Golden Age

2007年03月25日

英国部品

英国部品の音の良さについて考えています。

英国部品は、測定してみると値はばらばらで、よい部品とは思えないのですが、音だけはすばらしいと感じます。
「良い音」というあいまいなものに向かって、英国全体が努力した時代があったと思えてしかたありませんでした。
そのようなことが本当に可能であったのか、という素朴な疑問から発しています。

Yahooのお取引で懇意になった方が、優秀な理解力と判断能力をお持ちでしたので、その素朴な疑問を投げかけてみました。
その方とのメールを紹介いたします。

英国オイルコンデンサが良い音であると思っているもの同士のメールですから、偏向した内容もあると思いますが、「蓼食う虫も好き好き」です、好みとはもともと偏向しているものです。お許しください。

PlesseyのMetalpackとTCCのMetalpackを比べて聴いていただき、ほとんど変わりがなさそうだとの返事をいただいたところから始まります。

<私のメール>
詳細なご報告、ありがとうございます。
未使用のTCC Metalpackとあまり変わらないようで安心いたしました。
先週,英国から届いた荷物の中に、PYEのブラックボックス電蓄のアンプ2台が入っていました。
片方のアンプの電解コンデンサーの容量がなくなっていましたので、チューブラタイプで修理したら鳴りましたが、まさに電蓄の音でした。
使われているコンデンサーはモウルドタイプの小さなものですので、もう寿命が来ています。
すべてのコンデンサーを英国製の新品に入れ替えました。
ほとんどをムラードマスタード、最終段のカップリングにTCCスーパーメタルパックを使いました。
アンプの音を決めているのは主にコンデンサーですね。
情緒感を持った良い音で鳴りました。
私にはわからないのですが、英国の部品は、音を主体として作られているように思えます。
そのようなことが可能なのですかね。
日本の部品は性能(数値)を主体として作られています。
こちらのほうが目標を明確にでき容易であるように思います。
英国で、音質というあいまいなものに向かって努力するなどということが実際に行われたのでしょうか。
それとも性能を求めているうちにたまたま音の良い部品が出来上がったのでしょうか。どうも前者であるように思えて仕方ありません。
おそらく英国人でもデジタル化した現代人には、このような部品は作れそうにありません。
1950年代、60年代、音の再生が、最先端の技術であり、良い音を求める大衆が多く存在した背景が可能にしたのかもしれません。
つまらないことを書いてしまいました。すみません。


「N様のメール」
昨日、一昨日と呑み会だったので、ダミーロードを付けてCDを連続再生させておき、今日また音出しをしました。
もう今まで使っていたTCCとも区別がつかなくなってきました。

TCCにしろ、今回のPlesseyにしろ、日本製や米国系とは異なる、味わいのある音になるから不思議です。

フィルムコンデンサでは、扁平な物と円筒形の物で同じメーカーでも音が違っていたので、構造、材質などで音味が変わるのだとは思いますが、それを調整して製品化出来るところに、それだけの耳を持った開発者が多くいたんだろうなと思うと、英国の文化の底力を見る様な気がします。
そこらへんが、"数値"にとらわれざるを得ない日本製品との差なのでしょうね。
日本でも、下町の町工場の親父さんたちに、音楽を聴く趣味を持った人が多くいたら、きっと性能だけでなく良い音のする部品を作り上げる技を身につけていたのでしょうね。
PYEのブラックボックス電蓄の修理にムラードマスタードとTCCスーパーメタルパックですか、それは良さそうですね。


<私のメール>
TCCと区別がつかなくなったとのこと、たいへんうれしいです。
これで自信を持って販売できます。
Leakをこよなく愛し、それが嵩じてLeakの本まで出したオーストラリアのオーディオファイルが、TCCのメタルパックやメタルマイトは液漏れが無い限り、他のコンデンサーと交換しないほうが良いと言っています。
確かに他のコンデンサーに交換するとほとんど音が悪くなります。
ただ、真空管等の他の部品への影響を考えると、音を悪くすることの無い代わりの部品があることは、大変心強いです。

町工場の親父さんの話し、ほんとにその方向に進んでいれば可能性はあったように思えます。
ただ大手の企業に良い音に対する欲求が無かったですから、下請けではどうしようもなかったでしょうね。
英国には、耳を持ったBBCやDeccaがありましたから、やはり文化の違いに帰結します。
日本で性能と良い音とは異なるものだと多くのオーディオファイルが気付いたのはそんなに昔でもないように思えます。


「N様のメール」
 特性で言えば、そこら辺の量販店で安売りされている半導体アンプの方が桁違いに良く、価格も負けるのに真空管アンプにこだわり、さらに決して多くない英国系のパーツにこだわるのも、"なぜかその方が心地よい"の一言に尽きるのです。
 個人のやっていることだからそれでいいが、日本では企業の製品開発の方向性を決めるにはそれでは難しい、でも英国ではBBCにしろDeccaにしろ、出来たと言う所は、やはり元々の文化で"耳を持った"人が上層部にまできちんと居たという証拠なのでしょうね。

メール終わり。


以上のメールにも出てきますように、音は文化です。
私は、音を語るとしたら、文学的に語るほか無いと思っております。
残念ながらその任に堪えるだけの力が私にはありません。
どなたか力のある方、瀬川さんのように語ってはくれませんかね。
修飾語の多いつまらない評論など、読みたくもありません。

gtkaudio at 17:56│Comments(0)オーディオ 

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