2024年03月07日
YouTubeのアカウント停止
YouTubeのアカウントが停止になり、アップしていた500曲弱のすべてが削除された。
中島みゆきの曲をアップしたことが原因である。
次のような文言が書かれている。
【このアカウントを停止しました。これは、このユーザーのコンテンツが著作権を侵害しているとの申立てが第三者から複数寄せられたためです。】
ジャズやクラシックばかりではなく、日本人の曲を世界に紹介したいと思ったから、載せていたのである。
かつてと違って、AIがYouTubeに載せることができる曲であるかを判定し、著作権者から許可が出ている曲のみがアップできたので、許されると思ったが、著作権を持たない第三者の意見をうのみにするのであれば、もうどうでもいい。
停止になるちょっと前に、YouTubeはこんなものかと思うことがあった。
警告の以前に、一日500アクセス以上あった中島みゆきの曲のアクセス数が、ガクンと落ちたのである。
なんだコントロールされているじゃないかと思った。
考えてみれば当然である。自由にプログラムできる会社である。アクセス数をコントロールするぐらい簡単である。
私は利益化はしていなかった。曲を紹介し、音を聴いてもらうことを主眼としていた。
アクセス数をコントロールされたら、利益化を主眼とする人たちにとっては死活問題である。
途中から、アカウントが停止されてもいいやという気分になっていた。
2度目の警告の後、一日もたたずに3度目があり、停止となった。
まあ、YouTubeにとって、私のアカウントなどどうでもいいのだ。
さてどうするかと思っていた。
コンピューターに精通している友人が助け舟を出してくれた。
YouTube以外にも似たようなサイトがあるとのことであった。
利用するには少々金がかかるが、大した額ではない。
残念ながら、日本の会社ではなく、アメリカである。
テストで3曲アップしたので聴いてください。
Miles Davis All Of You Leak TL/12.1 Decca XMS
Nat Addarley Work Song
Starker J.S.Bach No.5 In C Minor Mono Leak TL/10
gtkaudio at 18:34|Permalink│Comments(0)
2024年02月14日
Leak TL/12.1 (TL/12 Point One)のオーバーホール
懇意のお客様からLeakのTL/12ポイントワンのオーバーホールを依頼された。
高価で、60年以上前のものなので、トランスが良い状態であればいいと思っていた。
特にアウトプットトランスさえ状態が良ければ、あとはどうにかなる。
動作品とのことで、トランスは大丈夫のはずであった。
残念。
私が測定したとき、導通はあり、140オームぐらいを示していた。
たまたまいらした電気に強いお客さんが、おかしい、アノードアノードで280オームのはずといって、測定してくれた。
140Ωではなく、140KΩだった。
最悪である。
プッシュかプルのどちらかが動作していない。
片方のエンジンが止まってしまった双発機のようなものである。
片方だけでも音は出るだろう。
まあ、まともな音は出ない。
どうするか。
そのお客さん、助け舟を出してくれた。
TL/12.1を修理した時、巻きなおしてもらったアウトプットトランスがあるというのだ。
音が気に食わなくて、パートリッジのトランスで載せ替えたから、そのトランスが余っている。
譲ってくださるとのことだった。
画像真ん中が巻きなおしたアウトプットトランス。
手前にあるカバーの付いたアウトプットトランスが、壊れていた。
載せ替えたコイルがむき出しのアウトプットトランスが、巻きなおしたものである。
今回のアンプはあまり良い状態ではなく、オリジナルの状態からほど遠いものだった。
部品を寄せ集めて、作ったものかもしれない。
さて、アウトプットトランスが巻きなおしたものに代わってしまったのはショックだったが、オリジナルと同じ音色というわけにはいかないとしても、できる限り魅力のある音を出してみようという気持ちになった。
初めての経験だし、巻きなおしたアウトプットトランスで、どんな音が出るのかやってみる価値はある。
さて直す。
こんな名器にさえ、カップリングコンデンサにフィルムコンが使われている。いい音がでるはずがないではないか。
私がオイルコンで直さなければ、いい音は出ないとこのブログで発信する前、ほとんどの修理はフィルムコンが使われていた。
おそらく、音を聴いての修理ではなく、測定機に頼って、良い測定結果が出れば修理完了という時代が続いていたのであろう。
測定機に頼っていたならば、音に対する人間の感覚が鈍ってしまう。
スペックを誇るオーディオ製品が、ちっとも良いと思えないのはそのせいである。
芸能芸術に属する分野を、科学でもって裁断するなんて、ばかげている。
人間を主体に考えない限り、良い音など出るはずがない。
もちろん私は、カップリングコンデンサに英国製のオイルコンを使う。
板マイカも音がいいように感じる。使う。
位相反転段に使われている抵抗、57kΩと68kΩはドッグボーンにする。
電源に使われるコンデンサーもすべて英国製のオイルコンにする。
できる限りのことをして、私自身が良いと思える音が出るように追い込んでいこう。
音は科学ではなく、芸能芸術の分野のものだから、自分の感覚を信じて、好みの音が出るように頑張るしかない。
オリジナルの状態にできるだけ近づけなければならない。
写真手前の部品に取り換えてあった。
まずはオリジナルの部品をそろえて、交換した。
外見的なオリジナルは追及していない。見た目にはこだわらないお客さんである。
その代わり音にはこだわる人だから、音をよくしなければならない。
TL/12.1の音の良さはどこからきているのだろう。
電源にオイルコンが使われているのが大きい。
位相反転のところにMullard ECC33が使われているのも大きいかもしれない。
Mullard ECC33、高価である。
パワー管でもないのに、どうしてと思うかもしれない。音がいいのである。
この球が使われていることも、TL/12.1の音の良さに寄与しているはずだ。
ついでに言っておくと、Brimarの6SN7というのもある。
ECC33と似た球である。TL/12.1の弟分にあたるTL/10に使われている。
これも高価である。音がいい。
米国製6SN7と差し替えて、音の違いに驚いた。
Brimarの6SN7。
Mullard ECC33もBrimar 6SN7も、プレートが丸くなっているのが特徴。
さてと、巻きなおしたアウトプットですが、できるだけよい音で鳴らそうと頑張った結果、こんな風になりました。
YouTubeにアップしました。聴いてください。
中島みゆき 雪 Leak TL/12.1 Thorens TD/124 Ortofon SPU G shell Tannoy Chatsworth
Miles Davis in Concert All Of You Leak TL/12.1 Decca XMS Wharfedale 10"
gtkaudio at 06:14|Permalink│Comments(0)
2024年02月08日
歳をとると、時間が早く流れる。どうして?
歳をとるにつれて、一年が素早く過ぎ去っていくように感じる。
友人たちに訊いても、異口同音に、その通りだという。
今年も、もう2月になったのか、はえーなという感じだ。
考えてみる。
小学生の頃、一年は長かった。
小学生の頃の一年と、老人になってからの一年は、感覚的には同じ長さとは思えない。
もちろん、同じ長さではある。
それではなぜ?
緻密度が違うのではないか。
以前も書きましたが、私が小学生の頃、自分がいつも何かを考えていると思っていた。
一瞬でもいいから、今なにも考えていなかったと意識してみたかった。
当時の考えるは、私にとって、感じると同義語であった。
外界の刺激に、瞬時も怠ることなく、五感を駆使して、感じ続けていたのである。
緻密に時間は流れていたのである。
歳をとるにつれて、感じる能力が衰えてくる。
とぎれとぎれのラジオのように、感じる時間が短くなり、何も感じない時間が増え続ける。
つまり、ボーとしているのである。
意識できない時間が増え、意識できていないことも意識しなくなるのである。
感じる時間が短くなれば、意識のない時間が増え、意識のない時間はカウントされないから、時間が早く過ぎるのである。
小学生の頃、今のボーとした状況を感じることができたなら、うれしかったかもしれない。
今となっては、ちっともうれしくないが。
人間にとって、感じることが生きているあかしなのだと思う。
論理を主体とするのではなく、感じることを主体とする芸能や芸術が、人間生活の中で重きを置かれるのは、生きることと密接に結びついているからではないだろうか。
gtkaudio at 03:08|Permalink│Comments(1)
2024年01月19日
YouTubeの中島みゆき
YouTubeの私のサイトに載せた中島みゆきの狂騒が終わった。
かつて、日本の曲をYouTubeに載せてバンされ、それまでに載せたすべての曲が消滅されるという苦い経験を味わった。
3曲警告をもらうと、そのチャンネルにあるすべての曲が消去されるという過酷なものであった。
それゆえ、何年もの間、日本の曲は古くてこれは大丈夫と思われるものだけをアップするようにしていた。
バンされるのが怖かったのである。
バンされる前、中島みゆきの曲、ホームにてや、ファイトに、おびただしい数のアクセスがあった。
おそらくそれもあってバンされたのである。
通報する人も多かったらしい。
ある時から、YouTubeの方針が変わったらしく、AIを取り入れたのであろう、載せてよい曲かどうかを事前にチェックできるようになった。
ん? 中島みゆきを載せても大丈夫か?
ジャズを中心にアップしてきたけど、私は日本の曲も載せたいのだ。
オーディオに興味のない人にも、良い音で聴くといいものだと分かってほしい。
まあ、ダメもとで中島みゆきをアップしてみた。
出来たのである。著作権は主張しているがYouTubeに載せることは許されている。
1曲載せてみた。
さて、その狂騒の始まりは、しあわせ芝居からだった。
アップした当初、アクセス数は大したことなかった。
20日間で563アクセスだから、1日平均30アクセス弱である。
それ以降、驚くほどの上がり方を示す。
25日目、756アクセス、45日目、8678アクセス。
20日間で7922アクセス、1日平均396アクセスである。
後半になるほど増加していたから、最後の頃は1日800アクセス以上あった。
そのうち1,000アクセスを超えるなと予想していた。
以降アップした中島みゆきの曲も、多くのアクセス数を稼いでいた。
残念ながら、その甘い予想は外れた。
そう、この狂騒も終わりを迎えるのである、
今から3日前の45日目以降、がくんと下がる。
何らかの抑制が働いた。
1,000アクセスを超えるなと思われたしあわせ芝居の現在は、1日60アクセス程になっている。
他の曲も軒並みアクセス数が落ちている。
理由はわからないが、まあ仕方ないのかもしれない。
出る杭は打たれるということなのだろう。
中島みゆきの曲は力にあふれているから、できる限り良い音で鳴らせば、今以上に世界の注目を集めるだろうにと思うのだが。
まあ仕方ない、削除されることがないだけましである。
YouTubeにアップした時、著作権の関係で、4種類に分類される。
1.アップしてもアップした本人以外誰も聴けない。
2.一部地域では聴くことができない。それ以外は聴くことができる。
3.著作権の主張はあるがYouTubeに載せることは許されている。誰でも聴くことができる。
4.制限なしで、誰でも聴くことができる。
ただし、以上のことも固定したものではなく、著作権者により変化する可能性があるということである。
私がアップした12曲のうち、
1.1曲。聴けない。
3.6曲。著作権者に許されている。
4.5曲。制限なし。
それゆえ、現在11曲を聴くことができる。
今はアクセス数が少なくなったが、人気だった3曲を紹介しよう。
中島みゆき しあわせ芝居 Tannoy Chatsworth
中島みゆき 海鳴り Garrard301
中島みゆき 化粧 Thorens TD/124 Ortofon SPU A shell Tannoy Chatsworth
以上です。
アクセス数を見れば、この1か月ちょっとの狂騒がわかります。
gtkaudio at 02:34|Permalink│Comments(0)
2024年01月03日
創造力 その2 ライオンは考える
ずいぶん昔の話だが、私が小学生の高学年になったころ、こんなことを思っていた。
自分はいつも何か考えているけど、ちょっとの間でも何も考えていなかったと思えたらどんなだろう。そうなってみたいと願っていたのである。
ただし、当時の幼い私の考えると大人が考えるは違ったものであったように思える。
幼い私の考えるは、外界がもたらす刺激を感じていたり、かつて感じたことを思い出したりしていた脈絡を持たないものであり、大人たちの論理的に考えるとは大いに異なっていたと思う。
その時の中心は、五感でもって感じることを考えていると思っていたようである。
のちに本を読んでいて、考えるときは言葉で考えているのだというのに行き当たった時、なかなか受け入れられなかった。
ただし、よく考えてみて、やはり言葉で考えているのだと、私も受け入れたのである。
その時、言葉がなくては考えることはできないと敷衍してしまったことが間違えだったように思える。
考えることは、人間が生き延びるための大切な手段であると思う。
こんな大切な手段を、言葉を持たない他の生物には与えられていないのであろうか。
そんなはずはないと思うのである。
こんな有効な手段を与えられないはずがない。
言葉を持たない他の生物も考えているはずである。
それでは、言葉を持たない生物が考えていることを想像してみよう。
イマジネーションってやつだ。
3日前にインパラをすんでのところで取り逃がしたライオンが木陰に横たわっている。
悔しい気持ちから、失敗の原因を知りたい。
インパラを追いかけていた画像が頭の中で繰り返し思い出されている。
その画像は、ライオンが見たままの画像ではない。
その画像の中では、インパラを追いかけるライオンの自分の姿まで現されているのだ。
記憶の中の画像は、寝ている間に、より客観性を持たせるように整理されているのである。
ライオン、また最初から思い出している。画像がめくられてゆく。
今回は、ゆっくりとじっくりと辿ってゆく。
あ、っと気づく。もう一歩詰めて跳びかかるべきだったのだ。早すぎた。
ようやくライオンは納得する。
これが言葉を持たないライオンの思考法である。
単純化するために、視覚だけを取り出したが、視覚だけでなく、すべての感覚の記憶を総動員して、ライオンは考えているはずである。
おそらくライオンは、五感のあらゆる感覚を駆使して考えているのだ。
言葉がない分、人間よりも鋭敏な感覚と記憶力を持っているかもしれない。
さて、人間に帰ろう。
私が小学生時代に考えていると思ったことは、このライオンの思考法と似たものだったように思う。
いや、大人が常に言語でもって論理的に思考していると思うことが間違っている。
言語で考えていると思っていても、頭の中では、かつて感じた様々な記憶が明滅し、それが突如として解決のヒントを与えているのではないだろうか。
論理的整合性は、後からつけられる。
リラックスしているときに天啓のようにもたらされるひらめきとはこのようなものではないかと思う。
感じ、それを記憶している、これが大切である。
創造力の源は、感じる能力にあると私は思っています。
思考は感じることから始まる。
感受性こそ宝です。
自分はいつも何か考えているけど、ちょっとの間でも何も考えていなかったと思えたらどんなだろう。そうなってみたいと願っていたのである。
ただし、当時の幼い私の考えると大人が考えるは違ったものであったように思える。
幼い私の考えるは、外界がもたらす刺激を感じていたり、かつて感じたことを思い出したりしていた脈絡を持たないものであり、大人たちの論理的に考えるとは大いに異なっていたと思う。
その時の中心は、五感でもって感じることを考えていると思っていたようである。
のちに本を読んでいて、考えるときは言葉で考えているのだというのに行き当たった時、なかなか受け入れられなかった。
ただし、よく考えてみて、やはり言葉で考えているのだと、私も受け入れたのである。
その時、言葉がなくては考えることはできないと敷衍してしまったことが間違えだったように思える。
考えることは、人間が生き延びるための大切な手段であると思う。
こんな大切な手段を、言葉を持たない他の生物には与えられていないのであろうか。
そんなはずはないと思うのである。
こんな有効な手段を与えられないはずがない。
言葉を持たない他の生物も考えているはずである。
それでは、言葉を持たない生物が考えていることを想像してみよう。
イマジネーションってやつだ。
3日前にインパラをすんでのところで取り逃がしたライオンが木陰に横たわっている。
悔しい気持ちから、失敗の原因を知りたい。
インパラを追いかけていた画像が頭の中で繰り返し思い出されている。
その画像は、ライオンが見たままの画像ではない。
その画像の中では、インパラを追いかけるライオンの自分の姿まで現されているのだ。
記憶の中の画像は、寝ている間に、より客観性を持たせるように整理されているのである。
ライオン、また最初から思い出している。画像がめくられてゆく。
今回は、ゆっくりとじっくりと辿ってゆく。
あ、っと気づく。もう一歩詰めて跳びかかるべきだったのだ。早すぎた。
ようやくライオンは納得する。
これが言葉を持たないライオンの思考法である。
単純化するために、視覚だけを取り出したが、視覚だけでなく、すべての感覚の記憶を総動員して、ライオンは考えているはずである。
おそらくライオンは、五感のあらゆる感覚を駆使して考えているのだ。
言葉がない分、人間よりも鋭敏な感覚と記憶力を持っているかもしれない。
さて、人間に帰ろう。
私が小学生時代に考えていると思ったことは、このライオンの思考法と似たものだったように思う。
いや、大人が常に言語でもって論理的に思考していると思うことが間違っている。
言語で考えていると思っていても、頭の中では、かつて感じた様々な記憶が明滅し、それが突如として解決のヒントを与えているのではないだろうか。
論理的整合性は、後からつけられる。
リラックスしているときに天啓のようにもたらされるひらめきとはこのようなものではないかと思う。
感じ、それを記憶している、これが大切である。
創造力の源は、感じる能力にあると私は思っています。
思考は感じることから始まる。
感受性こそ宝です。
gtkaudio at 01:39|Permalink│Comments(0)